2013年9月8日

Under Control


初等(はじめ ひとし)のクスッと笑えるホラならいい。
しかし・・

The situation is under control

あー、言っちゃった。
全世界が注目する中で
胸を張って「状況はコントロール下にある」
きっぱりと。

日頃の鍛錬のせいか
政治家って奴は、この程度の嘘なら平然と口から出るようだ。
選挙戦と同じ、聴衆を抱き込んで勝利に導く方程式。
東京開催を勝ち取るためには嘘も方便ということか。

景気の低迷に喘ぐ経済界は拍手喝采、
人と金が大きく動く経済効果は莫大なものだろう。
ただし、誘致のネックとなっていた「福島」に
情報さえも遮ってしまうほどの蓋を被せてしまったことになる。
それは国の内外に「もう忘れてくれ」と言わんばかり。

危惧すべきは「情報はコントロール下にある」と、摩り替えられ
お荷物である原発に関するニュースが規制されることだ。
TV各局は膨大な収益を奪い合い、そのためには自主規制だってやってのける。
自社に不利益となることは徹底的に避けるだろう。
国を挙げて、という言葉の裏にはこんな魔物が棲み付いているものだ。

所詮、商業主義に成り下がってしまった4年に1度の巨大なイベント。
フェアな精神を求める方が時代にそぐわないのかも知れない。
それほど商売としては魅力的なものなのだ。
戦後の焼け野原から20年足らずで近代都市へと復興を果たした
あの64年の東京とは何もかもが全く違う。

それにしても・・
未だに避難を余儀なくされ帰宅できない15万人もの人々、
汚染された海へ漁に出られないままの漁業関係の方々は
いったいどんな面持ちで昨夜のスピーチを聞いていたことだろう。

増税、改憲、原発再稼動、TPP、目白押しの現政権の懸案事項が
五輪招致を追い風にして一気に加速しそうな気がするのは私だけだろうか。
勝ち誇った者は動物の本能として、強気に、威圧的になるものだ。

実はそれが過ちを生む。

*

2013年9月7日

日本一のホラ吹き男

近頃、夢見が悪いのです。
床に就いてから何度も目が覚めますし
歳のせい・・なのでしょうか。

60年の人生に於ける
ある一部分の映像だけが毎夜の如く登場しては
私を不可思議な世界へと誘い
頭は混乱するばかりなのです。

痴呆が始まると、
若い時期の思い出が現実と混ざり合うと言いますから
もしかすると脳の働きが劣化しているのかも。

いや、まだ痴呆の症状は出てませんけどね。
(自分でそう言い切るのは変ですか?)

・・出て・・ない・・筈。



マドリードか東京か、
喫茶アイドルのマスターがテレビを観ながら
熱いよね、熱い。そう言うかどうかは分かりませんけど
今夜の私の気分は「日本一のホラ吹き男」これでお察しください。

*

2013年9月6日

iPhoneに占領された国


昨晩からネット上で情報が飛び交い
朝になるとNHKを含む複数のメディアが相次いで報道し
それに対してドコモが発表したコメントが
「当社が発表したものではなく、現時点で開示すべき決定した事実はない」
てな具合に肯定も否定もしてないような意味不明の内容。

当初はリークされてへそを曲げたのかと思ったものの
これ、たぶんドコモが自ら流した情報なんでしょうな。
ひと騒動起こして、いい宣伝材料になりましたもの。
アップルとは基本合意が済んでいて、あとは細部の詰めを残すだけ。
「開示すべき決定した事実はない」という表現は嘘にはなりませんからね。

携帯端末市場をサムスン電子に追い越され慌てるアップルと
顧客の流出が止まらずシェア激減の日本最大キャリアであるドコモ。
双方が歩み寄るのは当然のことでありましょう。

ドコモ・ユーザーにとっても、
iPhoneは欲しいけど他社には移れないとお悩みだった諸兄は数多く居ますから
とても嬉しいニュースになったことかと思います。
とあるリサーチでは、ドコモ・ユーザーの半数以上がiPhoneに替えたいそうです。

しかあーし!ちょっと待ってくれぃ。
現在日本国内に於けるスマホ利用者の約6割がiPhoneを使用してるそうですから
これに(新生)ドコモが加わると・・
日本国中iPhoneだらけになってしまうのでは!?

わあ、これちょっと怖いです。
想像してみてください、あっちもこっちもiPhone、iPhone、iPhone・・
そんな国、無いですよきっと(汗)

かく言う私もiPhoneユーザーではありますが
この先の光景を思い浮かべると・・戦慄!!

*

2013年9月5日

吐露



弦を張り替えることもなく
伸びきった古いままのJ-45を弾きながら
馴染みの曲を幾つか歌ってみた。

体に染み付いている筈なのに
なんだろう、このチグハグさは。
来月にライブを決めておきながら不安になってきた。
やはり一年のブランクってやつは
そう簡単には埋められないってことなんだろうな。

怖い、と言った方が正確かも知れない。
楽器を手にした途端、自動的にパチッと入ったスイッチが
どこをどう探っても見つからないんだ。
これはかなり居心地が悪い。
まずは自分が気持ち良くならなければいけないのにね。

・・少々の焦り。

北海道へ戻り、父親の介護をしている旧い友人のBlogに
間もなく訪れる長い冬を迎えることへの恐怖が綴られていた。
九月になったばかりとは言え、中旬頃にもなると
朝晩の空気が肌を刺すようになる。
その痛みが日々増して行き、やがて極限の寒さが半年近く続くのだ。

北国の厳しい冬を知っている者にしか分からないことだろうけど
あの塞ぎ込んでしまうような、陰湿な冬には私も耐え切れない。
田舎に戻って暮らそうという気にならないのは
どうやらその辺りに理由がありそうだ。

人生は戦いの連続だ。
己のひ弱さを露呈して足元を見られるような場所には行きたくない。
そして音楽もまた、ひとつの戦いの手段なのだから
惨めな思いをするようなことがあってはならない。
その場の空気を支配することが出来なければ
それは負けたに等しいと思うのだ。

それが敵わぬ者は、歌わない方がいい。
毒にも薬にもならないような人間にだけは
生涯なりたくないのだ。

*

2013年9月4日

遠雷

夜、空を見上げると
高い所の雲の下を低い雲が
急ぎ足で南から北へ流れて行きました。

雷鳴がちょっとだけ近づいてはまた遠ざかり
その度に秋の虫たちが
鳴きやんだり鳴き始めたりしています。

季節の変わり目を知らせる嵐、なんでしょうかね。
秋がグググッと縄張りを広げているような気配を感じます。

我が家の辺りは全く降っていませんが
西の地域では相変わらずの豪雨とのこと。
大雨に見舞われている処にお住まいの皆さま
どうかくれぐれもご用心ください。

さて、どうしたもんかと
倅から貰ったマッカランをロックでチビチビと戴いております。
さしたる懸案事項は特に無いのですが
ウィスキーは考え事に似合うような気がしまして・・

けれど能天気な私、
いったい何を考えていたのやら
それすら思い出せないでいるのです。

年齢的なもの?
いやいや、昔からそうでしたとも。


弦のストックが遂に底を突き、
やむなく仕舞い込まれていたこんな物を引っ張り出してきました。
フォスファーブロンズが3セットで¥980、市場最安値の価格に惹かれ
何年も前に成田のショップからひとつだけ買ってみた代物です。

どんな音がするのやら、ちょっと怖くなります。
(なら買わなきゃいいのにね)

明日は雨の休日ですから
恐る恐る張り替えてみることにします。

*

2013年9月3日

Blue Skies


仕事場の屋上から海の方角を臨むと
群青の空に真っ白な雲が浮かんでいて
そのブルーと白のコントラストがとても綺麗で
なんだかとてもいい気持ちになってしまう午後でした。

今日の空の色と雲の形は、
横浜ではあまり見られないような気がします。
深く蒼い空に純白の雲、
北海道で夏の終わりに見た風景に似ていました。
よほど今日は空気が澄んでいたんでしょうね。
私は見られませんでしたが、夕焼けも美しかったようです。
自然界は時折牙を剥いて私たちに襲い掛かりますが
こんな穏やかな姿を見せるときは、その優しさが心に染み入ります。

Blue Skies
けれど、その澄み渡った美しさゆえに
じっと見つめていると哀しくなってくるのは
何故なんでしょうね。



*

2013年9月2日

重い


とうとう3月11日の「あの日」がやって来てしまいました。
記憶に新しい出来事は、ドラマという虚構の世界を一挙に現実化させるわけで
その直前までの笑顔に包まれた幸福な時間が暗転することを直視するのは
観る側にとってはとても辛いものがあります。
おそらく今朝は、視聴者のほとんどの方が緊張の面持ちで見つめていたことでしょう。
私もそうでした。

ユイちゃんの乗った北三陸鉄道のディーゼル車は畑野トンネル内で緊急停車。
運良く津波の被害は免れたものの、
トンネルを出て目にした光景は想像を絶するものがあったことでしょう。
無言で呆然と立ち竦む大吉さんとユイちゃんの後姿に
あの日を想い出して涙した方も多かっただろうと思います。

2011年の3月11日、中継ヘリが捉えた内陸に押し寄せる巨大な津波の映像を
CG画像であるかのように、私は妙に現実離れしたものに感じながら観ていました。
あまりにもリアルすぎて頭の中が混乱していたんでしょうし、
嘘だろ、嘘だろと、目の前の光景を否定しながら観ていたからなんでしょう。
テレビのLIVE映像は、時として仮想世界のように映るものなんです。
ところが、観光協会のジオラマが滅茶苦茶に破壊されたことの方が
よりリアルにその現実が伝わって来るから不思議です。

「あの日」を迎えた北三陸市。
この先どんな悲しい便りが届くのか、しばらくは緊張から解放されそうにありません。
皆の無事を祈りつつ、身構えてテレビの前に座っていることでしょう。

嗚呼・・今週は重い。

*