2013年12月29日

ニッポンよ、もっと不便になれ!



今年はちょいと働き過ぎました。
疲れきって家に戻り
いつものように遅い晩ご飯を食べてから
くぴくぴと焼酎を飲むうちに
荒んだ心がようやく和んできます。
やっぱ家はいいなあ。

昨日も今日も
物流の仕事場は苦情の嵐。
電話を取る度にボロクソ言われてしまいます。
客の罵声にじっと耐えなきゃならいなんて
因果な商売に手を染めてしまったものだと
つくずくそう思います。

業界トップの最大手ではありますが
業績と効率ばかりを追い求めるこの会社、
たぶん数年後には内部崩壊してるんじゃないでしょうか。
ブラックどころではなく、ヤクザな会社です。

ヤクザさんに失礼な物言いかも知れませんけど
社員や従業員にとってはブラック、
お客の立場から見るとぼったくりのヤクザ、みたいなもんです。
(チンピラ風情の困った客も多いんですけどね)

拡大路線ばかりじゃなく
時として事業を縮小してでも品質を高めるってことが
巨大化・肥大化した企業にはできないものなんでしょうかね?

私が在籍する会社では
新聞社に画像を添付した内部告発があり、
その後何度も大きく報道されました。
現場が悲鳴を上げている、
客の要求に対応しきれないという内容でした。

要は、現場の処理能力を超えるほどの
大量の注文を取り過ぎているんです。
それを秒刻みの生産性という数字に置き換えるだけで
曖昧な人間の作業や行動を管理しようというのが
そもそも大きな間違いなんだと思います。

客に過剰なサービスを提供し続けることによって
現場の負担は増し、やがて労働意欲が欠乏してしまい
挙句、サービスや品質の低下に繋がることを
企業のトップは最優先に考えなくてはならない筈ですが
内部告発が環境を変えてくれる一因にはなりそうにありません。

私の所に限らず
この手の企業が如何に多いことか。
今までに何度も同じようなことを書いていますが
この国、もう少し不便になってもいいんじゃないですか?
過度な便利さや手軽さは、人間を甘やかすだけです。
その「サービス」のために深夜まで働く者が居て
昼と夜がひっくり返っている者たちのための「サービス」が生まれ
首都圏は便利さに慣れ過ぎてしまいました。

人間は豊かさを求めるあまり
別の豊かさを失ってしまう愚かな生き物だ。

NHKの朝ドラで老人が呟いた言葉です。
知恵や手先の器用さがあったとしても
人間とはエゴに満ちた極めていい加減な生き物です。
己の都合しか頭にありません。
そんな危険分子に、特上の便利さを与えることは間違っています。

この国が良い方向に動くためには
少々の不便さを受け入れることができるかどうかでしょう。
我が侭な人間は何もかもを自分のライフスタイルに合わせようとしますが
果たしてそんな理不尽さは通用するのでしょうか。
それを許してしまう企業の責任は大きいと思うんです。

個々の人間、全てを満足させられるサービスなんて
そんなもの必要ありません。
不便な暮らしの中でこそ、人間は知恵を働かせるのですから
至れり尽くせりの過剰なサービスは諸悪の根源だと私は思っています。

綺麗事ばかり並べ立てる我が国の大企業よ、
損得を考えず国民に不便であることの尊さを植え付けたまえ。



2013年、今年を総括した言葉であります。
ニッポンよ、もっと不便になれ!

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