2019年5月31日

匠の技


友人の紹介と協力で、ヴィンテ―ジオ―ディオの修理と調整を行うショップへ断線したシェルを持参した。店主はハンダにかけては超一流の腕と技を持つ方のようで、古いリ―ド線を外し、ピンに残ったハンダをバキュ―ムで綺麗に取り除き、PCOCC無酸素銅のリ―ド線を新たに装着して頂いた。さすが見事な仕上がりである。蘇ったオリジナルのヘッドシェル、大事にしなくっちゃね。明日、カ―トリッジを取り付けて、YP-400に戻してあげる予定。嬉しい!

2019年5月30日

シェル施術


ト―タルバランスが絶妙な仕上がりなので
オリジナルのパ―ツがひとつ欠けても成り立たない
そんな気にさせてしまうのがYP-400の不思議です。

欠かせない物なのに不注意で断線したヘッドシェル
念願叶い、ようやく修理の運びとなりました。
とあるリペアショップへ持ち込み
その場で匠の技による施術を受けます。

その後、旧知の友と飲みながら
辛辣なクソ談議に花を咲かせる予定なり。
クソだよクソ、いったい何発のクソが飛び交うことか
楽しみです。

2019年5月29日

怒りの朝

いつもと変わらぬ朝に
穏やかな日常が始まる朝に
包丁二本振り回して
無防備な人たちを襲うなんて
抵抗できない子供たちを襲うなんて
ましてや事の挙句に自害するだなんて
おまえいったい何のつもりだ
死にたいと思っていたのなら
はなから一人で勝手に死んじまえ!!

朝からの
やり場のない怒りが
夜になっても治まらない
こんな輩が
まだまだ大勢いる筈だ
けれど
それを見極められないほど
みんな同じ顔して生きているから
防ぎようなんてありゃしない
大切な家族を 友人を 知人を
守りたくても守りきれない
それが恐怖となって
警戒心ばかりが先立ち
人間関係はぎくしゃくしてしまう

そんなギスギスした社会は嫌だ
朗らかでいたいと思うのは罪なのか
馬鹿と指差されてもいいから
僕は呑気に空を見上げていたい
子供たちもそうであってほしいと
願ってはいるのだが
何をどうしていいものやら
皆目見当もつかないところで
またぞろ怒りが込み上げてくるのだ

こんちくしょうめ!!

2019年5月28日

コマンダ―・コディ


ふと思い立ち、
「コマンダ―・コディ カントリ―・カサノヴァ」でググってみると
このBlog「かずら的日常」の幾日か分の画像が出て来た。
面白いもんだね。

このアルバムを初めて聴いたのは二十歳の頃、47年くらい前。
所用で帯広に戻ったとき、サウンド・コーナーの店内に流れていて
店主・知魅さんに「これ、いかすだろ」と言われたのが最初の出会いだった。
その当時はカントリー・ミュージックをさほど好きじゃなかったこともあり
「ふ~ん」と、軽く聞き流していたのだが
その後10年以上が経過してから、無性に聴きたくなって購入した次第。
なんていうか、艶っぽくて粘り気の強い音が印象的だったもんでね。

けれど、その昔に知魅さんの店で耳にした時の音とは違っていた。
そこが音楽の摩訶不思議なところであり
その場の空気感みたいなものがイメージとして強く残っていると
記憶とは全く違う音色で聴こえてしまうんだろうね。
「もっと柔らかで艶っぽい音だったよなあ・・」
ビクター盤はビクターのオーディオで鳴らさないとダメなのかなあ。
真剣にそう思ったくらい、まるで違う音。
と言うのも、彼の店にはビクターのコンポが置いてあったし
今思えば真空管が増幅する温かな音のせいもあったんだろうな。
アンプを替えてもモニターを替えても、未だに当時の新鮮さが蘇ることは無い。
だけど、大好きなアルバム。思い出のアルバム。
今でも大切にしてて、ときおり無性に聴きたくなるアルバムだ。

こんなことを思い出してしまうのも、アナログ盤ならではのこと。
音溝に刻まれているのは音だけじゃなく遠い昔の記憶。
空の色、街の景色、風の匂い、
そこに若かりし頃の僕と彼の姿が重なると
なんだかもう、甘酸っぱい(笑)

*注 2014年3月20日のBlogの本文を転載・編集しました。

2019年5月27日

三方六


ふるさと帯広で38.8度を記録した。
僕が暮らしていた50年ほど前なら有り得ない気温だ。
真夏でも平均25度前後、30度まで上がることは滅多になかったし
農業に深刻な影響を及ぼす「冷夏」の肌寒い記憶しか残っていない。
心配になって実家へ電話してみると
姉曰く、風があるんで室内はさほど暑くはないそうだ。
少しだけ安心したけれど
北海道の場合、夜になると15度前後まで気温が下がる。
真夏だってそうだ、夕暮れ以降は肌寒くなる。
おそらく今夜も、日中との気温差は20度以上になるだろうから
高齢の母親のことが心配になってしまう。
わずか50年ほどの間に、何がどうなってしまったんだろう。

数年前、イヌイットの興味深い話をWEBで見かけた。
星の位置が、依然と比べ微妙にずれているらしい。
地球の傾き角度が変化したことを窺わせる貴重な言葉だ。
異常気象の要因は温暖化だけじゃないだろう。
やはり自転軸がずれ始めているのかもしれない。

画像は朝ドラの「なつぞら」に登場する菓子店、
雪月のモデルとなった柳月の銘菓、三方六だ。
白樺の木をあしらったバウムク―ヘンはしっとりとして旨い。
久しく食べてないな。

2019年5月26日

オ―トチェンジャ―


米国盤の2枚組のアルバムは、1面の裏が3面、2面の裏が4面となっていて、3枚組だと3面の裏が6面、という具合に作られている。これは当時の米国のプレ―ヤ―のほとんどがオ―トチェンジャ―システムだったからだ。その仕組みは、センタ―スピンドルに最初から複数枚のディスクをセットして、それを順番に落として行き、落ち切ると今度はそれを重ねたまま逆さまにセットして裏側を再生するという、丁寧すぎるくらいにレコ―ド盤を扱う我が国の国民性からすると、あまりにも荒っぽく感じてしまうほどの構造だった。傷が付かないよう、指紋が付いたりしないようにと、腫れ物に触るように慎重に手に取っていた我が国の風習とは大きな違いだ。

それは音作りにも同じことが言え、アメリカではラジオ(カ―ラジオ)や安価なステレオ装置でも最良の音が聴こえるように製作されている。日本と明らかに違うのはカッティングレベルで、アメリカ盤は音圧があるのに比べ、日本盤となると均一で端正でおとなしく聴こえるほど音圧は低い。聴感上の周波数帯域もアメリカ盤は良い意味でのドンシャリ感が強い。あの広大な土地でヒット曲を生み出すのは大変なことだ。車の中であれ家の中であれ、聴く者にガツ―ン!と感じさせなきゃだめだってことを、でっかい国の製作者は思っていたに違いない。とにかく当たれば稼ぎはデカい。音楽産業は一種のギャンブルでもある。ゆえにレコ―ド盤は消耗品、聴く側にとっても細やかに扱う必要は無くなるわけだ。我が国の場合は、その販売価格ゆえ(再販制度で定価販売のみだった)高価な趣向品として大切に扱わざるを得なかったのと、70年代から80年代にかけてのオ―ディオブ―ムや(機材までもが高級趣向)広帯域で盤面の品質管理を重視したプレス工程などによって
肝心の音そのものが、端正でつまらないものになってしまったのである。音を楽しみたい僕は、もちろんアメリカ盤を好んで聴いた。

ちなみにレコ―ド盤の大敵は静電気、あのパチパチ音だ。日本盤の(緻密に刻まれた美しいほどの)細い音溝はノイズに弱い。カッティングレベルが低いのでノイズに負けてしまうのだ。なのに(盤面に擦り傷が生じないようにと)内袋は柔らかなポリ製だ。何度か出し入れするうちに、静電気が生じてしまうような素材を使うところに矛盾がある。それに引き換え、アメリカ盤は潔いほど硬めの紙で作られている。むろん静電気は起こりにくい。そこへ無造作に出し入れする国民性なのだから、音溝も盤面も、まずは丈夫でなきゃだめなのだ。アメリカ盤の音溝が太くて深いのは、そんな必然性があったからで、少々手荒に扱ったとしても、耐久性は十分だ。おまけに指紋も付きにくい(仮に付いたとしても目立たないような)盤面だった。雑に扱われることを前提に作られていたのだからね。

そんな厳ついアメリカ盤であっても、日本人は(まるで作法のように)丁寧に扱う。裏表をひっくり返すことだって面倒とは思わない。むろん僕もそうである。

2019年5月25日

NAGAOKAの歴史


懐かしさというよりも、今なお当時のままの姿形で販売されていたことに驚いて買ってしまった。アマゾンで871円だったが、パッケ―ジには(今どき珍しく)定価¥1200と記されていた。確か40数年前は¥600程度だったと思うので、ラ―メンや煙草、公共交通の運賃などに比べると、当時とさほど変わってないという印象が強い。趣味趣向品の中では極めて異例なことではないだろうか。
ナガオカの歴史は、時計部品の製造から始まり、やがてレコ―ド針の製造販売メ―カ―として一時代を築いたわけで、アナログ全盛期の頃は、どこのレコ―ド店に行っても交換針の陳列ケ―スが必ず置かれていた。それがデジタル化によって市場から姿を消し、会社の業績も著しく悪化したであろうに、こうして今も健在なのは嬉しい限りだ。
NAGAOKAの歴史 https://www.nagaoka.co.jp/profile/history.html

ただし、当時の僕はナガオカ製品を使ったことがほとんど無いのだ。レコ―ド針は海外製の純正品を購入、クリ―ナ―はもっぱらディスクプリ―ナ―を愛用、レコ―ドスプレ―は甘ったるい臭いを撒き散らすだけで効果が無い、云々の理由からである。ナガオカさん、すみませんでした。

2019年5月24日

乱高下


昨夜、高値に驚いた猫さんのご飯。
今朝になったら874円に下落していた。
なんだよ、この乱高下。
とか言いながら
何食わぬ顔で注文したさ。
アマゾンプライム
相変わらずスリリングだわ。
ま、これもまた楽しみのひとつ。

2019年5月23日

アマゾンあるある


うちの猫さんはこれが好きだ。
他の銘柄だとあまり食べない。
アイムスのチキンじゃないとだめ。
味なのか、ブランドなのか、
何がいいのかはわからない。
なので在庫を切らすことはままならず
そろそろ買っておかないとなあ・・と
いつものようにアマゾンを開く。
昨夜見たときは800円を切っていたので
よ―し、今が買い時だ。
明晩他の物と一緒に注文しよう。
なんとなく安心して寝た。

そして今夜、
仕事場から戻って開いてみると
げっっ!!1269円に値上がりしていた。
その差450円ほど。
これ、アマゾンあるあるで
日用品は価格変動が結構激しいのだ。
酷いときには1800円くらいまで上がってしまう。
それは百も承知だから安い時を狙って買っていた。
(過去の最安値は698円だったと思う)
なのに、なんてこったい!
油断なのか、気の緩みなのか
今夜はひたすら後悔してる。
今月いっぱいはウォッチしなきゃ・・(涙)


2019年5月22日

交換針


数年前からアナログディスクの需要が高まり
関連商品の売り上げも急速に伸びているというのに
MM型カ―トリッジの老舗であるSHUREは昨年
突然カ―トリッジの生産を打ち切ってしまった。
もはや商品は市場に残っているものだけで
交換針に至っても状況はまったく同じなので
販売価格が高騰する困った事態になっている。

幸い互換性のある交換針の場合は
製造中止となった品番の物も含め
現在も他のメ―カ―が製造していて
SHUREに関しては日本精機宝石工業株式会社の
JICOという交換針がポピュラ―だ。
アマゾンでも売られていて案外と安い。
ところが細かく調べていくと
カンチレバ―にテンションワイヤ―が無かったり
オリジナルの仕様とは違う部分が見受けられ
音質も大きく変わってしまう不安もあり
M-75Bの今後のために買っておくには度胸がいる。

う―ん・・と、しばし躊躇っていたら
正規品を大量に仕入れた業者さんを発見した。
在庫は相当な数のようで
40個50個のまとめ買いも可のようだ。
おまけにJICOより格段に安い。
これは買うしかあるまいと
試しに1個、早速注文してみた。

2019年5月21日

シェルの不思議


ヘッドシェルって
どれもこれも艶消しなのは何故なんだろ?
ト-ンア―ムはみんな光沢があるのに
先っちょだけがマット仕上げになっている。
艶やかな物もひとつくらい有っていいよね。
古めかしいデザインのシェルならなおさらだ。
僕なら欲しいな。


憧れのオルトフォンSPU、
この武骨な体と控え気味の光沢が大好きだ。
一度は使ってみたい、そうは思っても
昇圧トランス内蔵の、この重量を支えるには
やわなア―ムにサブウエイトを付けるくらいじゃ駄目だ。
やはり同社のRMG-309にマウントしたい。
(YP-400と同じくJ字型の往年の名機である)


そしてタ―ンテ―ブルはガラ―ドの401、
このラインナップじゃなければ納得が行かないという
永遠の憧れと頑なな拘り。


けれど総額〇十万円となると
さすがに阿保らしくなってすぐに諦めがつく。
夢、と言っていいほどの憧れは
儚いものである。

2019年5月20日

ゴジラ


アマゾンプライムにゴジラの全作品が加わっていたので
早速一作目から観始めることにした。
1954年の封切り、僕が生まれた2年後といえば
「戦後」とはいっても、まだあちこちに
戦争の記憶や癒すことのできない傷や痛みが残っていた頃だ。
母親に連れられ、帯広の街へ出掛けると
白衣を着た帰還兵が義手や義足をあからさまに見せつけながら
街角でハモニカを吹いて日銭を稼ぐ光景を
その悲しい音色と共に、今でもはっきりと覚えている。
そんな時代に作られた作品に、圧倒されるだけだ。
そんな時代に作られた作品だからこそ
どこか暗く、重く、もの悲しい。
放射能の恐ろしさと核開発競争の愚かさを
ゴジラの身を纏い我が国は世界に問うたわけで
戦争を体験した先人たちの真っ当な主張は
現代に生きる我々の心にも容赦なく突き刺さる。
はっぴいえんど、とは行かないところに
ゴジラの本質と日本人の血が、垣間見える。
そんな気がするのだ。


2019年5月19日

ハンダの匠


この美しいオリジナルのヘッドシェル、
不注意から断線させてしまったのだが
某リペアショップの「ハンダの匠」に
修理して頂けることになった。
ありがたいことである。

50年前のクラシカルな造作というだけで
音響特性的にど―たらこ―たら言う人もいる。
けれどYP-400は、これでなくちゃいけないのだ。
アナログは相性、それに勝る結果はない。
そして視覚に訴えかけてくる姿形も
アナログの醍醐味なのだから。

2019年5月18日

ダイヤト―ン

遅ればせのGWもどきというか
月曜から金曜まで、のんびりと五連休を過ごした。
とてもタイムリ-なことに
火曜にはヤフオクで落としたYAMAHA YP-400が届き
連休の間はアナログディスクをかけ捲ってしまったが
いい物を手に入れた喜びで至極の時間を堪能できたと思う。
明日の土曜からまた仕事なのが憂鬱ではあるが・・


現在の我が家のモニタ―スピ―カ―は
YP-400の少し前に発売されたダイヤト-ンのDS-251だ。
2年ほど前、近所のハ-ドオフで購入した。
過去にはいわゆる名機と呼ばれていた物なのだが
僕は当時から、あまり関心を抱くことのなかったモデルである。
いや、好きではなかった、と言う方が正しいのかもしれない。
では何故に買ってしまったのか、
やたらと綺麗なのに1万円を切っていたことと
当時はやかましく感じた高域の刺々しさが
この年齢に至ると(聴感の衰えで)
ちょうどいいバランスに聴こえるのでは、という直感からだった。
発売から50年、エ-ジングも十分にされてるだろうと
更に値切った挙句、車に積み込み持ち帰った次第。



ご覧の通り、これまたニアミントと言えそうなほど
エンクロ―ジャ―もサランネットも
肝心のユニットまでもが、驚くほど綺麗な状態で
そして音の方も狙い通り、しゃくれた感の広域は影を潜め
穏やかで繊細な音に変貌していた。
アルニコマグネットのウ―ハ―も、質量ともに申し分なく
バランスよく張り出す音に小躍りした記憶がある。

これが今でも、よく鳴ってくれているので
新たに加わったYP-400が本領発揮できるんだろうね。
70年代の音楽は、やはり同時代に生まれた機材で聴くのがいい。
アナログは、単なる懐古趣味で楽しむものではない。
「マッチング」を模索することから始めなきゃ。
人間の交わりや関りも実は同じ「そこから」なんだと思う。
奥は、深いものさ。

2019年5月17日

ナガオカの功績



50年ほど前からずっと愛用しているディスク・プリ-ナ-という製品、同世代の方ならきっとご存じのことでしょうね。中の芯棒を水で浸して使う、当時としては画期的なレコ-ドクリ-ナ-でした。盤面を回転させながら埃を拭き取るので、僕のような無精者でも面倒臭くなく忘れることなく使うことが出来る優れものです。そんな長年の相棒でしたが、この度やって来たYP-400には使えないのです。何故かというと、YP-400はPLAYボタンを押さないと回転が始まらず、なおかつア-ムリフタ-も下りてしまうからなんです。他社の一般的なオ-トシステムの場合だと、ア-ムを手動でタ-ンテ-ブル側に移動するだけで回り始めますけど、ヤマハの機種だけはその動作を採用してません。なんらかの拘り、なんでしょうかね?唯一不便に思えたのはこの部分です。

そんなわけで代替のクリ―ナ-を探してみると・・
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00IRRKBYI?pf_rd_p=3d322af3-60ce-4778-b834-9b7ade73f617&pf_rd_r=8DVW1AGXW75MMH0A4MVF
ナガオカのこれ、まだ製造販売されてるんですね!びっくりしました。おまけに50年ほど前とまったく同じ色形、仕様変更もされてません。何も変わらぬどころか価格もほとんど当時のまま!ほんと驚きました。交換針に留まらず、ベルトドイブ用のベルトを各種各サイズ、1500円程度で現在も販売している会社ですからねえ。アナログファンには欠かせない存在です。

(追記)
微妙に仕様変更されてました。オリジナルの品番は113でしたが、116を経て現行モデルは118。フェルト部分の毛足の長さや材質に変更があるそうです。


2019年5月16日

不覚にも・・


やっちまいました。
YP-400の素敵さを際立たせていた顔の一部、
オリジナルのシェルが使えなくなるという
不覚にもそんなミスを犯してしまったのです。
悲観・・

事の発端は
カ-トリッジのリ-ド線が細すぎるし
44年も経過してるんだし
硬化してるし
こりゃあ微弱電流の妨げになるだろうと
いつものように交換作業を始めたのです。

ところが
ア-ム側のピンが抜けないのです。
かってえ―なあ!固着しちゃったのかなあ?
ピンセットで強く引っ張ってみると
なんと、ハンダ付けされていたのです。
聞いてないよ―!!と心で叫びましたが
時すでに遅し。
無理やり引っ剝された青のリ-ド線が
ピンセットの先で死に絶えておりました。


やや特異な形状のシェルではありましたけど
まさか、ここがハンダ付けされてるなんて。
ねえ・・(涙)
どなたかにお願いして直して頂くまでの間、
陳腐なシェルで我慢することにします。
けど、見てやってください。
なんだかつまんない顔になっちゃったでしょ。


実は、その急を要したシェル交換
このオ-ディオテクニカに行き着くまで
あれこれとっかえひっかえの
大変な作業となってしまいました。
オリジナルが中途半端な重量だったもんで
標準的な物では軽すぎて
ゴツイ形状の物では重すぎて
それを何度か繰り返した挙句にようやく・・

その惨状がこの画像でして
素人のやっつけ仕事には
落とし穴があちこちに潜んでいるという
見本のようなお粗末クンでした。


リタに慰めてもらってます。
泣かないぞ-!

2019年5月15日

SHUREのカモメマ-ク


発売当時のYAMAHA YP-400には、SHURE M75B Type2が標準でマウントされていた。エントリ―モデルとして誰もが使ったことがあるであろうM44Gの上級モデルである。音質は44Gほどのクセはなく、ドンシャリ感が無いのでオ-ルマイティに使うことが出来る。今回落札した個体にも、当時のままオリジナルのシェルにはこれが付いていた。古い代物だし、愛用のカ-トリッジに交換しようと思っていたのだが、鳴らしてみるとこれが案外といい。44年前の製品だ、針は何度か交換してるだろうが、カモメマ-クのボディは紛れもなく発売当時の物だった。ところがカンチレバ-のテンションも十分で、歪も無く自然な音調がとてもいいではないか。見た目的にも付属のオリジナルシェルによく似合っている。現在でも正規品の交換針が残っているようだし、しばらくはこのまま使ってみることにしよう。


ちなみにこのYP-400はセミオ-ト、機構はサブモ-タ-による駆動ではなく、スイッチを押すと機械的にギアが動いてア-ムを上下するという極めてクラシックなスタイル。ア-ムを盤面へ持って行きPLAYボタンを押すとリフタ-が降り、OFFを押すか最終円まで行くとア-ムレストに戻って来る仕組みだ。ギアが動くので作動時の動作音はちょっと大きいけれども、UP・DOWN時はミュ―トが掛かるので、スピ―カ-からのノイズは発生しないという親切設計なのである。セミオ-トとはいえ、ア-ムが自動的に戻って来てくれるのは、酒飲みにとってはありがたいことである。

それにしても、昨日からいったい何枚のアルバムを聴いてることだろう。楽しいのだ、ディスクをセットしてPLAYボタンを押すのが、実に楽しいのだ。まさに音を楽しむ状態、これは久しぶりの(懐かしい)感覚だ。DENONの引き締まった音とは明らかに異なり、ふっくらとしていて温かい。これはおそらく、耳では検知できない微妙な音の揺れと、箱型のボディが音を膨らませているせいなんじゃないかと思う。僕が求めていたのはこの音で、ゆえに旧いベルトドライブを探すきっかけにもなったのだ。振動対策として箱型から重くて堅い積層合板やレジンコンクリ-トの素材を使うようになってからのモデルだとこうは行かない筈だ。その辺りが、周波数特性だけを見て、音の楽しみ方を知らない技術者のつまらなさでもあるわけで、アナログが衰退して行ったのも、そんなところに原因はある。巨大なインシュレ-タ-が取り付けられた20Kgほどもあるプレ-ヤ-が、必ずしもいい音を出すとは限らない。箱型のYP-400はわずか8Kg、周波数特性では劣っていても、音を楽しく優しく表現してくれる。


このモデルの特異なテ-ブルマットの形状についても語っておこう。レコ-ド盤が面接触ではなく点接触するよう突起が設けられている。クリ―ナ-を押し当てるとわかるのだが、盤面がスリップせずマットに密着している。ほとんどのディスクは歪んでいたり反っていたりフラットではないので、平面のマットでは隙間があちこちに生じてしまう。それを解消してくれるこの形状が、ふっくらとしてはいても分離がよく締まった音に繋がっているのだと思う。44年も経過してるのに、ゴムが硬化しておらず突起がひとつとして欠けてないことも驚きだ。こまめにメンテしていたであろう前オ-ナ-には頭が下がる。そして感謝しかない。

4極シンクロナスモ-タ-


幸せというか、愉快というか
嬉しさというか、興奮というべきか
今日の僕は、夜になっても喜びでいっぱいだ。
いい物を手に入れた誇らしさを
まだまだ誰かに語りたくって
先ほどの続きを、気を静めながら
アナログオ-ディオの歴史を交えながら
再び書かせて頂くとしよう。

70年代の後半になる頃、
レコ-ドプレ-ヤ-はそれまでのACモ-タ-から
サ-ボ回路やクォ-ツロックの普及によって
DCモ-タ-に淘汰されていったわけで
いつしかACモ-タ-はオ-ディオ界から姿を消した。
その最たる要因は、タ-ンテ-ブルのスピンドルを
モ-タ-に直結したダイレクトドライブの登場だ。
ベルトやリムを介さずに軸そのもので回すという方式は
たとえそれがトルクの弱いDCモ-タ-であったとしても
機械的な動作音が発生する回転系を持たない構造から
あたかも静寂性に優れSN比がアップするような
そんな迷信にも似た理屈を業界は大衆に吹聴していった。
おそらくそれは、厄介な構造の動作(回転)計算や
部品の製造コストを抑えるためでもあったのだろう。
何がいけないのか、まるでわからないまま
レコ-ドプレ-ヤ-はダイレクトドライブだけになった。

過去に主流であったベルトドライブのほとんどは
4極シンクロナスモ-タ-が使われていて
電気の周波数に同期して回転する優れものだった。
なので電圧変動に左右されず定速で回ることが出来たのだ。
交流電源だからといって、振動やノイズが出ることもない。
それがベルトを介してタ-ンテ-ブルを回したとしても
よほど粗悪な設計や製造がされてない限り
ダイレクトドライブに劣ることは無いだろうと思う。
ところがモ-タ-のゴロやら振動の影響とやらで
著しく音質が損なわれるような悪い噂ばかりが巷に溢れ
あっという間にDCモ-タ-に取って代わられたわけだ。
それはアナログディスクやカセットテ-プと同じくらいに
一瞬と思えるほどの僅かな月日で消えうせた。
オ-ディオの世界とは、なんと恐ろしいものであろう。

その死滅したACモ-タ-で動く古のYP-400は
回転も滑らかで、嫌な音も振動さえも発しはしない。
軸ではなくタ-ンテ-ブルの外周を回す構造は
むしろ安定した回転を生み出しているのかもしれない。
ベルトドライブの大きな利点は、
センタ―スピンドルをボディに固定することによって
回転軸にブレが生じない強固な構造だ。
たぶんそれがレコ-ド盤面の振動を抑える効果もある。
その結果、音の立ち上がりや分離が良くなり
低域に至っては締まって聴こえるのだと思う。
モ-タ-の回転軸をスピンドルにするなど以ての外、
ヤワなDCモ-タ-ならなおさらだ。
これを読んだ諸君よ、騙されたと思って
4極シンクロナスモ-タ-のベルトドライブ機を
機会があったら試してみてくれたまえ。
僕の言ってることが戯言ではないと実感できる筈だから。
カタログデ-タではなく、聴感を重んじる。
それによってアナログの素晴らしさを
改めて感じ、大切にしようではないか。

長くなってしまったので今日はここまで。
まだまだ語りたいことが山ほどあるので
この題材についてはしばらく続ける予定なり。
朝ドラのエンドロ-ルを真似て言うなら
「かずらよ、明日に続けよ!」

2019年5月14日

YAMAHA YP-400がやって来た


いやあ完動だぜ!感動!!
開けてびっくりの超美品、
おまけに動作状態まで完璧ときたもんだ。
こりゃあ正真正銘のニアミント。
笑いが止まらないっていうか
たぶん鏡を見てみたら
えげつない顔でニタニタしてるんだろなあ。


だってさあ、
ご覧になって、この美しきお姿。
J字型ア-ムのシンプルさも際立ってるでしょ。
これだよこれ、この飾り気のない風貌こそ
僕が追い求めてきたアナログプレ-ヤ-の究極の形。
すでに44年が経過している個体とは言え、
4極シンクロナスモ-タ-は静寂そのもので
ワウフラッタ-など全く無いどころか
(お手製の)ストロボスコ-プで見る限りは
縞目動かず定速回転という完璧さ。
爺さんがニヤケちゃうのもわかるっしょ!


そして前述のJ字型ト-ンア-ム、
余分な物が削ぎ落とされてるからなのか
トレ-ス良好で音の重心も低い気がする。
これはたぶん、DENONの同時代のア-ムや
ゴテゴテした一般的なS字型よりよっぽどいい。
ついでに言うとオリジナルのヘッドシェル、
いつもの僕なら絶対に替えたくなる
オマケ的要素の付属品ばかりなのだが
これはいい、かなりいい。
カ-トリッジがしっかりと固定できるよう
シェル側にネジが切ってあるのがいい。
このおかげで低域が締まって聴こえるんだろうし
なんと言っても見た目がすっきりしてる。
あくまで気分・・だがね。

嗚呼、喜びと幸福感に浸る至極の時よ。
こんなとき、決まって僕は雄弁になるのだ。

2019年5月13日

ストロボスコープ


明日届くベルトドライブ・プレーヤーのピッチを確認するためのストロボスコープ。どっかにしまい込んだまま見つからず、買うのも馬鹿らしいんでネットの画像を探してみた。あるもんだねえ、これで二千円浮いた。

2019年5月12日

花が届く


子供たちから花が届く。
今年はジャスミン、マ-ガレット、ラベンダ-、
母の日は艶やかでいい。

世のお母さま方、いつもありがとう。

アナログプレ-ヤ-数あれど


アナログプレ-ヤ-数あれど、個人的な好みとしてはガラ-ド、DENON、そしてもうひとつがナチュラルサウンドと称していた頃の70年代のYAMAHAである。現在愛用しているのはDENONのDCサ-ボによるダイレクトドライブだが、数年前からACモ-タ-を使ったベルトドライブのモデルが無性に欲しくなってきた。いわゆる4極シンクロナスモーター、やわなDCモ-タ-とは違いトルクもあり、70年代の主流がこれだったことも懐かしく思えたからだ。そこで時折、オ-クションサイトを開いては、デザインとサイズの手頃感からYAMAHAのYP400を探していた。S字ではなくすっきりした形状のJ字型ト-ンア-ムと相まって、当時のプレ-ヤ-の中では群を抜く美しさだと僕は今でも思っている。けれど発売から44年、程度の良い物は無く、ほとんどがジャンク状態だった。しかも阿保らしくなるくらい値が高い。

昨晩、久しぶりに探してみた。おおっ!完動美品、画像を見る限り確かに綺麗な状態だ。これは落とすしかなかろう!というわけでウォッチ開始。そして入札、さほど人気のある機種ではないことも幸いして、そのまま無競争で落札できた。傷なし、錆なし、変色なし、ト-ンア-ムもオリジナルのヘッドシェルもすこぶる綺麗!ケ-ブルも端子も嫌な汚れ方をしておらず、これはかなり期待できそうな一品である。

・・などと、喜び勇んで書き綴っている最中に商品発送の知らせが舞い込む。明日の午前に届く予定、楽しみだ。