2014年3月30日

松島や ああ 松島や 松島や


あらあ?
昨晩気分を害して
しばらくは静観するのだと腹を決め
完全にスルーしてた専用スタンド付きのSX-3Ⅱ、
なんと7千円で落ちてるじゃありませんか。
どうせいつものように値がつり上げられて、
1万5千円くらいのバトルになるだろうと予測して手を出さなかったのに
くっそー!なんか悔しい。
ま、世の中ってこんなもんですよね。
ご縁が無かったということで・・(長女の口癖)


今日は旧いタカミネが嫁いで行きました。
白髭のブローカーを経由せず直接販売でのやり取りです。
先方も喜んでくださったようで、安心してます。
楽器は使われてなんぼ、きっと幸せな余生を過ごすことでしょう。
Mさん、お買い上げありがとうございました!

さて、持病の再発。
叱られそうでまだカミさんに話してません。
だからあのとき手術しとけばよかったんだよー!
そう言われるに決まってますもん。

明日は年度末の31日、増税前日、週明けの月曜日と
さまざまな条件が重なる慌しいほど嫌になる日ですが
休みを頂いて午後から松島病院へ行こうかと思っております。
たぶん手術の予約を勧められるんだろうなあ・・

松島や ああ 松島や 松島や

*

2014年3月29日

僕は若干怒っています



終わっちまいましたね。
想像してた通りの
絵に描いたような「はっぴいえんど」

なんで豚が宙を舞うのかね~?
と不思議に思っていたら
今週のタイトルが「とんだごちそう」だったというお粗末。
しょーもない駄洒落でした。
大塚商会のCMみたいなもんですな。

ちなみに毎回、大阪制作の朝ドラは金を掛けません。
スタジオセットと申し訳程度のロケ。
本局、東京制作と比べると雲泥の差は歴然ですが
金掛けずに作るんが朝ドラじゃあー!みたいな
浪花の魂を感じてしまいます。
そこがまたおもろい。

それはともかく全150話、
半年間よくもまあ飽きずに観てしまったものです。
朝ドラと大河、これは中毒性があるようで
観始めると毎回欠かさず観ないと気が済まなくなってしまいます。
あ、朝鮮王朝時代を描いた(長い長い)韓国ドラマもそうですね。
いったい何なのでしょう、この毒は。

来週から始まる東京制作の「花子とアン」
きっとこれも観ちゃうんだろうなあ。
「赤毛のアン」をもう一度読まなくっちゃ!
と、カミさん今から張り切ってますから。
テレビと食卓、今も昔も日本的家族円満の構図。
そこに朝ドラと大河は欠かせないのです。


今夜、「花子とアン」の特番が組まれてましたけど
山梨の畑作地に作られたオープンセット、見事ですね~
さすが本局、セットとキャスティングに金掛けてます。
第1週の視聴率でコケたら大変!心配になってしまいましたが
ナレーションに美輪明宏を起用したり
あの手この手で視聴者の心に揺さぶりをかけているようです。

特番を観てて思いました。
NHKもプロモーションが上手くなったもんですわ。



話変わって・・
3年ぶりに覗いてみたヤフオク、内容が貧困ですねぇ。
引越しシーズンだというのに良い出物がありません。
おまけに出品者のほとんどが業者ってえのもつまらない。
体裁も悪く難ありの商品が、誇らしげにヴィンテージとして出品され
僕の相場感覚と大きな隔たりがあるのも腹立たしいのです。
良心的で内容をよく把握している「個人」は何処へ行っちゃったんでしょ。

僕が探していたのはビクターの旧いスピーカーなんですが
程度が悪くても安い物があればと思ってたんです。
それで目ぼしい物があったんで一度だけ入札しました。
すぐにとあるIDが高値更新して、やがて値段がつり上がり
僕は数回入札を繰り返した時点で価格に納得が行かず撤退、
その方が落札したところまで確認しました。

ところがそのID、僕が求めていた製品の全てに入札してました。
やり口を見てみると全て同じパターンで
最初に出品価格で入札後、誰かが高値更新した直後から入札を繰り返し
終了時間のちょっと前で撤収する極めてあくどいやり方です。
価格を上げるのが目的の業者でしょう、評価は千件ほどに達するIDです。
(僕と競り合ったときは自分が落札してしまう格好悪さでしたが)笑
こいつが毎回登場して場の雰囲気を乱しているのを見ると
それだけでうんざりしてしまうので暫く静観することにしました。
増税後の、駆け込み需要が治まった頃にでも探してみることにします。
ハードオフ緑園店のオーディオ製品が充実してるので
そのうち(ひょっこり)出物が見つかるかも知れませんしね。

胡散臭いIDはe90*****、評価719です。
ビクターSX-3の出品には必ず入札してきますが、
おそらく他でも暗躍していることでしょう。
見掛けたらご注意を!!
aki*****、djo*****、この辺りも要注意願います。

廃品から漁ってきたようなガラクタジャンク品がヴィンテージだなんて
ふざけるんじゃねーっつうの!
戦後の闇市じゃないんだぞー!!

と、僕は若干怒っているのです。

*

2014年3月28日

家人から苦情あり



トラッドのオムニバス盤を聴いていたら
隣室で寝ていたカミさんから
もう少し小さくしてくれと苦情が来た。

はてな?いつもと同じくらいで
そんなに大きな音は出してなかったつもりだけど。
フィドルの周波数帯に刺激成分があったのかしら。

家人からの苦情は初めてのこと。
ちょっと面食らう。
まあ、以前の家とは違い
薄い壁一枚で隣り合わせているんだからね。
お互い気を付けなきゃ。

だが待てよ。
これから導入予定の(ちょいと)大きめブックシェルフ、
SX-3クラスの25Cmウーハーに黄色信号か?

ならば壁の向こう側の
カミさんの頭があるであろう位置から
できるだけ離れた場所にスピーカーをセットしなければならぬ。

となると、
今パソコンに向かって座っているすぐ脇に
でーん!とスピーカーが鎮座するわけだ。
左Chと僕との距離、わずか30Cmほどの超至近距離!
そんなセッティング、昔ならプライドが許さなかったけれど
高音質を求めない今の僕には「あり」かも知れない。
果たして結末は如何に・・

*

2014年3月27日

8%のイライラは10%で解消される不思議



震災、大雪、増税・・
この国の庶民は事あるごとに
買い溜め買い占めに走るのが好きなようだ。
メディアに煽られ踊らされ
きっと必要のない物まで買い漁っているんだろうな。
スーパーの売り場は品薄品切れ、
値上がりを見込む悪徳業者は売り惜しみ、
ここぞとばかりに「増税前の今がチャンス!」と叫ぶ店もある。
とんだ好景気もあったもんだ。

とりあえず3%だけ上げて
様子を見ながら残りの2%を上げるだなんて
ケツの穴の小さいセコイやり方だわ。
ひと思いに、いっぺんに5%上げちゃいなさいよ!
なぜ二度に分けて増税するのか
そこの2%の差に何があるのか
僕にはさっぱりわからないのだ。
計算が厄介になるだけじゃないか。
もしや企業が便乗値上げを2回できるから?

そう言えば、
消費税を初めて導入したときも当初は3%だった。
それが間もなく5%に上がり現在に至ってる。
となると、
3という数字は様子を見るための最小数字なのかしらね。
顔色見ながら5に上げる、もはや定着した感のある卑劣な戦術。

算術が苦手なせいもあるけれど
外税表示の商品に8%の消費税を加えると
その品物がいったい幾らになるのか
瞬時に割り出し判断するのはとてもムズカシイ。
端数の金額がムズムズ蠢く虫のようで気色が悪くなる。

そこで僕は気がついた。
3%と8%、この数字には巧みな策略が潜んでいるのだ。
増税の苦痛よりも不愉快な計算の煩雑さ、
庶民はまずそこに苛々を募らせる。
なのでそれが切りの良い10%になった暁には
ああ~すっきりした!と、すんなり受け入れてしまうマジック。
こりゃ笑っちゃうくらいの巧妙さだわね。

思い出してごらんなさい、過去もそうだった。
3%の時代は外税、5%になると全てが内税に変わった歴史。
8%のイライラは、10%に引き上げられると解消されるものなのよ。
税金そのものが目に入らなければ
値上げなのか増税なのか、判断つかない不思議なマジック。
上手い!・・憎いやり方だよね。

そんなことを思いつつ
今夜の僕は30年代のカーターファミリーを聴いている。

*

2014年3月26日

オークション考



昨夜ドキドキしながら3年ぶりに入札したブツは
画像を見る限りあまり良い状態ではなかったもので
2回だけ対抗馬と張り合いましたが最終的には撤収しました。
商品の程度によってはもう少し乗せられたんですけど
あれに5千円以上支払うのは危険な気がしたんでね。
予算は諭吉1枚!と意気込んでいながら
結局はケチの極みが勝ったようであります。

入札をしているうちに、少しだけ以前の感覚が戻ってきました。
タイミングと金額設定、これが一番重要なんですよね。
何気なく、さり気なく、何かのついでみたいに入力するのがポイント。
熱くなるのは禁物、相手の思う壺に嵌り
まんまと餌食になってしまいます。
ネットの世界で顔は見えないとしても
やはり勝負事はポーカーフェイスでなくちゃいけません。

即決価格を表示している出品者は良心的ですよね。
幾ら欲しいのか解るのはありがたいことですし、
その金額設定で人間の善し悪しが判断できます。
けれど不思議なのは、その設定が安いと入札者が少ないこと。
場合によっては数日経過しても誰も入れてません。
僕が見る限り、程度も良く相場より安価に思える物が
「手付かず」で残っているのは何故なんでしょ?
オークションというゲーム感覚、またはギャンブル性を求めているのでしょうかねぇ。
ちょこまかとあちこちに顔を出すそんな輩が鬱陶しいんで
僕は即決価格を提示している出品者を選ぶことが多くなります。

さて、次なる「良品」を探しに行くとしましょうか。

*

2014年3月25日

やふおく



滅多に利用しないヤフオク、
およそ3年ぶりに入札しちまったぜ。
ケチな金額とは言え、あードキドキした。
しかも自動入札のシステムが変わってしまったようで
ちょっとだけ面食らったわ。

もちろん深追いはしないよ、大人なんだから。
金額が上がりすぎたら即撤収の腹積もり。
欲しいーっ!!みたいな欲望は無く
これくらいで落とせたらいいなあ~と、楽天的な振る舞いに終始する所存。

今回の出品者が千葉なので
落札できたら車で引き取りに行こうかしら。
時間と金が勿体ないって?
素人がヤワな梱包した挙句、破損事故で揉めるのやだもん。
メーカー箱が無い場合は手渡しが一番安全なのだ。

とは言っても・・千葉かあ。遠いな。
ガソリン代と高速代で軽く送料を上回っちまう。
おまけに一日仕事となるのは明白。
この労力と出費を嫌って誰もが宅配業者を利用するわけだが
近場ならやはり自分が動かなくっちゃね。

ま、運良く落札できたらの話である。

*

2014年3月24日

鳥を喰らう



一年ぶりに訪れた聖マリアンナ病院、
スタッフの顔ぶれも変わっていて少々困惑。
おまけに連休明けの月曜で外来が混んでいたせいで
10時に予約の受付を済ませたというのに
検査と診察が終わって外へ出たのは15時を過ぎていました。
待ち時間の長かったことと言ったら・・
けれども僕は何事も「待てる」人間なので
イラつくこともなく淡々と時を過ごしていたのでありました。
相変わらずお行儀の良いことで。

病院から駅へと続く路は桜並木なのでして
例年だと今頃は蕾が膨らみ始めている頃合なんでしょうけど
気温の低い今年は未だその兆しがありませんでした。
此処へ来るのがもう1週間遅けりゃなあ・・
春の訪れを告げる満開の桜、間もなくですね。

一度帰宅して家の掃除を終えてから
ずっと気になっていたあの店を覗いてみました。
行きたい行きたいと思いつつ、引越し荷物の片付けやら
設備担当としての業務やらに終われ、なかなか行く機会がなかったのです。


鳥正、この町でたった1軒の呑み処。
マスウェル・ヒルの閑静な町並みには不似合いな佇まいであります。
しかも駅の真ん前、夕方になるとお惣菜を買いに来た客の高級車が
ハザードを点けて何台も店の前に停まっています。
その光景を見ているだけでも、なんだか楽しくなるのです。

立ち飲みの入口は裏口のような店の脇。
中は思ったより広くて、他に客が一人しか居なかったこともあり
ちょっと落ち着かない僕は焼酎を一杯と串を3本頂いて
そそくさと金を払い早々に退散してしまいました。
案外と小心者なんですよ、実は(笑)

それと、僕が入る直前に入って行ったオヤジが
いい店だあ、旨い、云々と
店の人間に矢継ぎ早に話し掛けてる内容が鬱陶しくて
会話に交わりたくなかったこともあります。

うるせえなあオヤジ、男は黙って飲まんかい!

鳥正、緑園都市駅前店。
僕の家から徒歩3分てぇのが癖になりそうな予感。
休日の夕方はここだな。

*

2014年3月23日

ビクターを欲する年頃、なのか?



やはり、スピーカーを新調しようかと思います。
25Cmウーハーとドームツイーターの2Wayで構成された
アナログ時代に一世を風靡したビクターのSX-3にしようかと。
当時は爆発的に売れたせいで、オークションの玉数も多く
おまけに価格が安いところも魅力です。
引越し前に不要な物を処分してきたおかげで
僕のガサツだった部屋にも少しだけ余裕ができたので
これくらいのサイズなら無理なく置けそうなものですから。
(例の)「老人性可聴高域減衰症対策です」笑

このモデルの音はよく知っています。
ナローレンジで嫌な音は一切出さず、とても艶やかに鳴ってくれるんです。
同世代であるYAMAHA NS-1000Mの硬質な音とは異なり、
最盛期のビクター製品らしい、柔らかで優しい耳当たりが特徴です。
アナログ盤を再生するには、とても適した音質ですし
中低域が太いのでアンプ側で高域を持ち上げても嫌味じゃないでしょう。

それに・・
これはその昔、御大が愛用していたモデルでもあるのです。


ナイアガラ・ムーン、オリジナル盤の裏ジャケにそれは写っています。
ちょっと嬉しいじゃないですか。
鼻を利かせて、安くて程度の良い物を探してみます。
目標、送料込みで諭吉1枚!
消費税が上がる前に頑張って手に入れる所存です。

若い頃は粋がって
やれJBLだ、ALTECだ、タンノイだ、などと息巻き
国産、しかもビクターなんてダサーイ!と思っていた自分、如何なる変化なのでしょうか。
これも高齢化のせい?(汗)

さて、明日は5年前に手術した眼球のチェックで聖マリまで。
予約はしてあるものの春先のこの時期ですから
外来は相当混んでいるんでしょうね。
朝から夕方までの長丁場、覚悟して出掛けます。

*

2014年3月22日

空中バレー



ぽつん、と言えば
これに勝るものはないですね。
ニルソンの「空中バレー」

けど、針を降ろしてから
しまった!と、思ってしまいました。
「リトル・カウボーイ」
まるで大瀧さんが歌っているかのようで。

ま、しゃあないわな。

それにしても
この時代のRCA盤の音はいいですね。
声も弦も、とっても艶やか。
ニルソンの曲調にもよく合ってます。

そうこうしてるうちに
ぽつん、の代表曲「ワン」が始まりました。
波打つようなファルセットがたまりません。

タップで始まり、タップで終わる
僕の大切な一枚です。


はて?やはり耳の老齢化なんでしょうか。
高域が物足りなく聴こえて仕方ありません。
往年のアルテックやコーラルのように
スコーンと抜ける音のスピーカーが欲しくなりました。
スクラッチノイズが「プチッ」ではなく
威勢よく「パチッ!」と鳴ってくれる爽快感、
わかるかなあ。

同軸2Wayのフルレンジ、安くて良い物を探してますが
ヤフオクを覗くとジャンクに近い状態でもかなりの高値でした。
根気よく探してみましょ。

*

2014年3月21日

ぽつんと



今夜は何を思ったか、リトルフィート三昧です。
しかもCD。
アナログ盤を掛ける気力がありませんでした。

御大のお別れ会があった日ですから
ナイアガラムーンを聴くのが自然なのかも知れませんけど
僕は昨年のあの日以来、彼のアルバムは一度も掛けていません。
懐かしんだり、偲んだりするような
そんな心の整理はまだ当分先になるでしょう。

旧友岸本哲、布谷さん、そして大瀧さんが
続けざまに世を去ったことは
同世代である僕に、今でも重く圧し掛かっています。

お別れ会の画像に、
はっぴいえんど時代に愛用したリッケンバッカーが写ってました。
ぽつんと。
福生のスタジオを訪ねたときも
伽藍としたそこにあれは置かれてました。
ぽつんと。

時代の波間に垣間見えるものは
いつもひっそりと佇んでいるかのようです。


今日、僕が住む家の近くで
とても綺麗な空を見ました。
思わず車を降り、車道に立つと
空いろのクレヨンが欲しくなりました。

僕はこの空の下に
ぽつんと佇んでいたのです。

*

2014年3月20日

カントリー・カサノヴァ



夜になってから気付きました。
なんと、世の中は明日から三連休とな!
明日から三連(勤)の僕としては、ちょっぴり妬んでます。

悔しいんで今夜はコマンダー・コディを掛けてみました。
「カントリー・カサノヴァ」実に楽しいアルバムです。
あれよあれよとレコード針はセンターへと駆け抜けて行き
あっちゅーまに両面とも終わってしまうのでありまして
もっと聴きたいぞー!と、毎回思ってしまう大好きな1枚なのです。
この(ありがちな)アメリカ的ダッサいジャケットがまた素晴らしいじゃありませんか。

これを初めて聴いたのは二十歳の頃、かな?
所用で田舎に戻ったとき、サウンド・コーナーの店内に流れていて
知魅さんに「これ、いかすだろ」と言われたのが最初の出会いでした。
その当時はカントリー・ミュージックをさほど聴いてなかったものですから
「ふ~ん」と、僕は軽く流してしまいましたが
その後10年以上が経過してから、無性に聴きたくなって購入した経緯があります。

でもね、その昔に知魅さんの所で耳にした時の音にはならなかったんです。
そこがアナログの摩訶不思議なところかも知れませんけど、
その場の空気感みたいなものがイメージとして強く残っているせいか
記憶とは全く違う音色がスピーカーから出て来たんです。
「もっと柔らかで艶っぽい音だったよなあ・・」
ビクターのプレスはビクターのオーディオじゃなければ合わないんじゃないかと
真剣にそう思ったくらいです。
と言うのも、彼の店にはビクターのコンポが置いてあったからなんですが
今思えば真空管が増幅する温かな音のせいもあったんでしょうね。
アンプを替えてもモニターを替えても、未だに当時の新鮮さが蘇ることはありません。

こんなことを思い出してしまうのも、アナログ盤ならではのことです。
音溝に刻まれているのは音だけじゃなく遠い昔の記憶。
それが何故なのかは、わからないままなんですけどね。


新居の設備担当として、今日もいい仕事をしました。
物干し竿に洗濯物を楽に掛けられるようカミさんから要望があったので
アイリス・オーヤマに90Cm幅のベンチを2本注文して
180Cmの縁台として使えるように組み立てたんです。
元がベンチですから、ここに腰掛けて空を見上げるのもまた良し。
実際に乗ったり座ったりしてみましたが、とてもいい按配でした。
またしても大好評!設備担当は鼻高々!!(笑)

*

2014年3月19日

サン・アンセルモの雪



この町に引っ越してから3週間が過ぎましたが
いつも仕事場へ向う途中、住宅街の一角に在るお家が気になってたんです。
今日になってその正体がようやくわかりました(遅!)

てっきり住宅だとばかり思っていたその家は
パティスリー・ラ・ベルデュールの姉妹店として7年ほど前に出来た
ル・ジャルダン・デュ・ヴェールというパンとケーキの有名店だったのです。
この佇まい、どう見ても普通の家ですよね。看板らしき物もありません。
2階が喫茶になってるようなので、お天気のいい日に散歩がてら覗いてみようかと思ってます。
実はボク、酒飲みなのに甘い物も行ける質でして・・
言ってみりゃあ昼は甘党、夜は辛党、みたいな(笑)
真夏の炎天下で飲むビールは別として、どうも昼間の酒は苦手なのです。
せめて夕暮れ時くらいにならないと酒を楽しむ気分にはなれません。
昼のスイッチ、夜のスイッチ、切り替えは肝心ですもんね!

それにしても、なんと洒落た町に越して来たものでしょう。
知らなかったんですが、駅から長い遊歩道がこの店の先辺りまで繋がっているそうです。
一度歩いて探索してみなきゃなりませんね、春の楽しみができました。


今夜は久しぶりにヴァン・モリソンを引っ張り出してみました。
「苦闘のハイウエイ」ホーチミンを描いたと言われるジャケットも秀逸で
A面1曲目の「サン・アンセルモの雪」は何度聴いてもぞくぞくするほど好きなアルバムです。
ふと黄ばんだライナーを出してみると(師匠)小倉エージ氏が書いておりました。
アナログ全盛の、良き時代でしたなあ・・

*

2014年3月18日

人間は幾つになっても興奮すべし!



なあんかヤワな印象が強すぎるんで
舌の根も乾かないうちにヘッドシェルをオーディオ・テクニカに替えてしまいました。
やはり肉厚のあるシェルに、がっちりと固定されてると安心感があります。
このタイプはカートリッジの鳴き防止と低域を締める効果がありますから
たぶん音量を上げればその変化は一目瞭然!の筈ですが
なにぶん深夜のBGMでありますから、今は違いがよくわかりませんけどね(笑)
嗚呼・・それにしても
カモメが描かれてない現行機の顔は何てのっぺらぼうなんでしょ。

初めて手にしたM44G現行モデル、ボディ形状に少々の変更があるようで
今までのセッティングだとお腹を擦ってしまうほど低くなってます。
(若干反りがある盤だと実際に擦ってました)
やむなくアームの高さを調整することにしました。


アームベースのビスを緩め、5mmほど持ち上げ再度ロック。
盤面との平衡感は多少崩れてしまいましたが仕方ありません。

シェルの交換とアーム調整、気になり始めたらすぐやらないと気が済まないので
1時間ほど何度も何度も繰り返し微調整してたもんで
さほど力も要らない作業なのに、ほんのり汗ばんでしまいました。
たぶん、ひとつの「興奮」
人間、これが無ければ駄目だと思ってます。
滴り落ちる汗に美学はあるのだ!昔からずっとそう思ってました。
いつまでもギラギラしてないとね。
(年齢的に脂汗と同化してしまうのが悔しいですが・・)

それにしてもアナログって、自分でなんとか出来ちゃうところが素晴らしい。
目で見て解り、どこをどうすれば良いのか考えられる。
得体の知れない数値だらけのデジタルとはそこが違います。
立ったり座ったり、盤面をひっくり返したりするのが面倒だと言わないで
血の通った音楽は手間隙かけて楽しみましょうぞ!


今宵のラインナップ。
ランディ・ニューマンから始まり、レナード・コーエン、ジョージ・ムラーツと続きます。
トリオ・レコードからリリースされていたジョージ・ムラーツとローランド・ハナのアルバムは
地味ながら大好きなのでして、今でもたまに聴いています。
僕の中ではジャズの名盤!スクラッチ・ノイズがあるのが惜しいんですけどね。

そろそろ鴨志田のタチバナ・レコードへ仕入れに行かなくちゃ。

*

2014年3月17日

さよならカモメさん



昨晩、ちょっと自慢げにご紹介した僕のカモメ・ビンテージ。
ヤフオクで諭吉1枚くらいにならないかしらと期待してたのに
ヘッドシェルから取り外すとき、無残にもこんな姿になってしまいました。

およそ30年間、一度も外されることが無かったせいでしょうか。
端子が酸化してリード線が抜けず、ピンセットでグイッと引っ張ると
事もあろうにカートリッジ本体がボディから抜け出てしまったわけです。
あらら・・諭吉がひらひらと空を舞って行きましたとさ。

新しいカートリッジを取り付けるにあたって、
テクニカやサエクの余っていたシェルが数個あったにも関わらず
DENONのオリジナル・シェルにマウントしたいばっかりに無理をした結果です。
そのままにしておいてあげればよかったんですよね。
後悔はしてませんけど、ちょっと残念。
カモメさんに申し訳ないことをしてしまいました。

この後どうしたかって?
元通りにはめ込んで、何事も無かったかのように仕舞いこみましたよ(笑)
けどもう使い物にはなりません。
さよならカモメさん。


リード線も駄目になってたんで、OFCのちょっと高級な物に替えて
新米のM44GをDENONのシェルに取り付けましたが
眼も指先も、すっかり老化してしまったようで
昔は苦にもならなかった細かな作業に苦労してしまいました。
老眼鏡を掛け、手元にライトを当てながら
何度もビスやナットを落としつつ、ようやく作業完了。


さすが新品の若手、音抜けが良いです。
(30歳の先代と比べるのもどうかと思いますけど・・)
まだちょっと高域が張ってますが、エージングで治まってくれるでしょう。
スタイラス・カバーはデザイン的にも必要ない気がするので、後日外しちゃいます。
このDENONの鉄板プレスのシェル、音響特性的には問題点が多いんですけど
今回はビジュアル優先で音には目をつぶってしまいました。
だって・・


ほら、このアームとターンテーブルには良くマッチしてるでしょ。
好みとしてはもうちょいとゴツイのが好きなんですけど
このアームがひ弱なもんで重たいシェルは付けられないんですよ。
アームのウエイトが後に行き過ぎるとトレースが悪くなりますからね。
薄い鉄板をプレスした軽いシェルが、このアームにはちょうどいいんです。

などなど・・
手間隙かかっても、アナログって楽しいですよね。
今夜はカモメさんを偲びつつ、いつものように焼酎で夜更かし。

いけねっ!明日の朝は資源ゴミの回収だった!
早起きせねばならんのかあ・・

*

2014年3月16日

テキーラ!!(なんのこっちゃい)



シュアーM44G、
その昔はMM型カートリッジのローコストモデルでありながら
輪郭がはっきりしていて尚且つ馬力を感じる太い音だったので
多くのロックやジャズ・ファンに愛用されていたものです。
70年代当時は赤と黒のこんなチープな紙箱で売られてました。
最上級機V15TypeⅢのようなゴージャスなケースではない簡素さが
贅沢を求めない庶民の心を捉えていたような気もします。

僕が愛用していた30年ほど前の44Gが(ようやく)退役することになり
先日アマゾンから届いた代替機も、こんなパッケージなんだろうと思っていたら・・


なんと、こんな大袈裟な器に入っていたのでありました。
往年のバタ臭さも無く、都会的でお洒落な装いに変貌していて唖然。
しかも、クラブ/パーティー用と明記されてるじゃありませんか。
DJ御用達のモデルとなった昨今の現状では、これもやむを得ないことなんでしょうけど
おいおい貴様、スタイラス・ガードまで付けられて、いったい何様のつもりだい。
仲の良かった旧い友人が、急に遠い存在になってしまったような
そんな甘酸っぱい寂しさが込み上げてきました。

シュアーさん、僕は紙箱のままでよかったんですよ。
こんな標本みたいなパッケージ、やめてください。
おまけに僕は律儀に入れ物を残しておく性格なんですから
不必要に大きすぎるのは場所を取って困るんです。
いったい、いつからこんなことになってしまったんでしょうね。

とは言いながら、キャップを外すと「アメリカ」の香りが。
昔、アナログの米国盤のシールを切って内袋を取り出した時と同じ紙の臭いです。
長い時間を掛けて船に揺られやって来た、ちょっと黴臭さに似たあれ。
(わかるかなあ・・)
懐かしい気分に浸りながらよく見ると、メキシコ工場産でした。
Tex-Mexのこれもまた良し、テキーラ!!


ところで、退役した爺さんはカモメ・ビンテージと呼ばれ
カモメのマークが付いた物はオークションでも高値で売買されてるそうな。
僕のはスタイラス・ガードが追加される以前の初期型なんですけど
どれくらいの値段で売れるものなんでしょうかね?


ほら、前から見るとスタイラス・ノブの左右の形がシンメトリーじゃないでしょ。
SHUREのロゴも現行モデルとは異なります。これがオリジナルなんです。
USA M44G、これも諭吉1枚くらいにならないかしらね。
駅前の鳥正で立ち飲み5~6回できるんだけどなあ~♪(期待)

*

2014年3月15日

吐露の遺跡



この老舗レコード店の40数年の歴史の中で
僕は後半の20年ほどの間ここに在籍していました。
ネットの情報では2001年に破産したとありますから
私事で退職したわずか数年後の終焉だったようです。
苦楽を共にした多くの仲間たちがその後の人生をどう過ごしているのか
退職後の付き合いは一切無かったので知る由もありませんが
こうして公の場で書き記しているのですから
或る日突然、旧知の者から便りが届くかも知れません。

昨晩、その内の一人とネット上で巡り会う機会があったせいで
あれこれ昔のことを思い出してしまいました。
一番忙しかった時期は年間休日がわずか40日ほどだった年もあり、
本業のレコードの他、オーディオ製品や楽器の買取で全国を駆け回ってました。
僕は1974年頃に募集の張り紙を見て入社したのですが
当時の先代社長は頑固なほどに商売人だったこともあり
先輩諸氏には創設当初からの丁稚奉公を経て一生を捧げたような人も居たのです。
その方々はいったいどうなったのか、気になって仕方ありません。

典型的な親族会社だったせいで大きなお家騒動もありました。
次期社長ではと目されていた専務取締役が突然解雇され、
長女の亭主が若くして(僕と同世代)二代目に就任したおかげで
古株の社員が何人も首を切られ組織全体が若返ったのは僕にとって幸いでしたが
今思えばその光景は共産圏諸国の容赦ない「粛清」のように映ります。

その後店のロゴは変わり、レコード・ショップはサウンド・マーケットに表記を変えました。
輸入盤の仕入れで付き合いのあったバイヤーからシュアー製品の売込みがあり
当時は高値だったV15TypeⅢというカートリッジやダイナミック・マイクを
業界の常識を破る価格で販売して大当たりしたことも良き思い出です。
たぶんオーディオ製品に於いての並行輸入販売というのは
業界に柵の無かったこの会社だからこそ出来たことだと思いますし
その中で自由に活動させて頂けたことは大変ありがたく感じています。

歌うことを辞め、喰うための糧を求めて路頭に迷っていた次期に
その会社にお世話になってからの20年ほどは
金銭的にも精神的にも、或いは楽しく生きるためにも
僕のその後の人生に大いに貢献したのではと思っています。

ただ、そこでの仕事は毎日が忙し過ぎました。
家族、とりわけ子供が成長して行く過程にも一緒に過ごす時間が無く
接点があまりにも少なかったことを後悔して
長男が中学生になった頃、僕はその会社を後にしたのです。

一昨年の今頃の時期、たまたまBlogに同じようなことを書いてました。
http://kazura1952.blogspot.jp/2012/03/blue-note.html

滅多に書かぬ、かずら元年の過去。
吐露ついでにリンクしておきます。

*

2014年3月14日

僕のマスウェル・ヒルビリーズは何処へ行った?



この時代のキンクスが好きで、時折無性に聴きたくなってしまう。
それも何故か決まって冬が終わりを告げる今頃の季節。
邦題「この世はすべてショー・ビジネス」
タイトル通り胡散臭く、おまけにバタ臭いところがたまらない。
「セルロイド・ヒーローズ」なんて名曲もある。
これはいいアルバムだよ、うん。

実はこのディスクを棚から抜き出すときに
おや?「マスウェル・ヒルビリーズ」は何処へ行ったんだろ?
いつもそう思って隅から隅まで探してしまう。
RCAのアナログ盤で持っていた筈なのに、何処にも無いのだ。

「ショービジネス」の2枚組アナログ盤を手放したことは覚えている。
けど見開きジャケットの「マスウェル・ヒルビリーズ」はまだ在ったよなあ。
もう一度探してはみたが見つからない。はてな?

しゃあない、買うか!



今日、旧い知人からFBフレンドのリクエストが来た。
悪い輩ではなさそうだったので承認してみると
その昔、僕がとあるショップの営業部長をやっていた頃に
従業員として働いてくれていた陽気な男であることが解った。
どこの繋がりから現在の僕に辿り着いたのか知らないが
当時の記憶が一気に蘇り、とても懐かしい気分になった。
こんなことって、あるんだねえ。

いずれその男とは
数寄屋橋の思い出を肴に飲むことになるのであろう。
野坂クン、ありがとね!!

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2014年3月13日

爺さんの耳?



転居もしたことだし
20年以上前から持っていた(もっとかな?)シュアーのカートリッジを
新しい物と交換することにした。
正確には何年前の代物なのかわからないが、
今でも立派に音溝をトレースしていてくれた。
非常にデリケートなパーツなれど
落としたり曲げたりしない限りは長く使えるものなのだ。
特にこいつは頑丈で、ちょっとやそっとじゃ壊れない。

けれどヘタレていることは間違いないようで
近頃じゃ高域に曇りが生じるようになってしまった。
耐用年数を遥かに超えていることだし、現役引退はやむを得ないことだ。
ボディを残して針だけ交換しようかとも思ったのだが
現行モデルとカンチレバーの太さが変わっているらしいので断念した。

そこで過日アマゾンに注文、幸いなことに¥4800で入手できた。
成田のショップと同じ価格だが送料負担が無いので得だ。
今日になってサイトを覗いてみると¥5980に値上がりしてたので
いいタイミングで買い物が出来たようである。

ただし・・
広域が衰退して聴こえるのは、高齢化のせいかも知れないという不安。
ジジイになると可聴帯域が狭まるらしく、特に高音が聴こえ難くなるらしい。
その昔の英国LONDON盤、クラシック愛好家の爺さんたちには人気があった。
それもその筈、このレーベルは高域が強調された音作りだったのだ。
シャリシャリし過ぎていて若い頃はあまり好きな音質ではなかったけれど
今それを聴いたならちょうど良いのかも・・

やだやだ。

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2014年3月12日

iTunes復活!



夜、パソコンを立ち上げると
Appleのアップデートのお知らせが来てました。
んーと、QuickTime Playerと・・ええっ!?iTunesだあ??
以前アップデートした途端に、Windowsのパソコン内から消え失せたあいつです。
何度アンイストールを繰り返しても駄目だったあの日から
僕のパソコンにはショートカット・アイコンすら無かったのです。
ひょっこり通知が届いたということは、もしやバグが修正されたのでは・・

疑心暗鬼でインストールしてみると、お久しぶりのアイコンが表示されました。
きゃあ~一体いつ以来かしら?そしてクリックしてみると・・
おお!開いた!開いたではないか!!ちょっとだけ感動しました。
iPhoneを繋ぐと、これまたiOS7.1の更新情報が現れたので
すっかり気を良くしていた僕は、ついでにアップデートしちゃいましたとさ。

やれやれ、MicrosoftとAppleのどちらが折れて修正したのやら・・(溜息)


そうそう、旧宅に置いたままだったギターをようやく新居に運び込みました。
(実は未だに荷物が少々残っていて引渡しが終わってないのです)
新調したデスクの脇に130Cmほどの空間ができたのでケースが8本並びますが、
この他にもまだ4本が旧宅の押入れに入ったままでして、
新居に収容できない分は更なる「売り出し」に精を出さねばなりませぬ。

ここへ越して来る前に白髭氏や大阪の兄貴の協力で5本を捌き、
深夜に嫁を連れて東京の外れからやって来た男に1本譲り、
勘定してみると全部で18本も、あの家には在ったということに改めてびっくりしてます。
これからは減らすのみ、決して増やさないように心掛けましょう。


昨年衝動買いしたFenderのパーラーモデル、これ手放さなくてよかったと思います。
白髭氏が鎌倉から旧宅へ買い付け?に来た折は邪魔者扱いしてたんですが、
今日出してみると何だかとても心地好い音に感じたのでナットを調整してあげました。
小さいながらも、この部屋では十分な音量で鳴ってくれます。
しかもショートスケールで弦のテンションがベロベロなのに低域が太い!
テレキャスターと同じアッシュ材で作られたこれ、夜のお供として重宝しそうです。
(ブロンズ色がええ感じでしょ。と、今さら自慢げに言ってみる)笑

旧宅からの帰り道、新居の近くにあるハードオフに寄ってみました。
ここ、他の店舗よりもオーディオ製品が充実していて
特にアンプは質の良い物がたくさん並んでいるのです。
愛用しているプリメインが右Chからハムが出るようになってしまったんで
後釜の候補を調査してみましたが諭吉1枚でお釣りが来そうです。

この店にはアナログディスクの陳列棚もあって
大した物はありませんけど行く度に一応チェックしています。
今日も気合で全部の棚を覗いた結果、3枚だけ買って帰りました。


ウエストサイド・ストーリー、ヤードバーズ、ランディ・マイズナー、どれも1枚百円!
前回見たときには無かった物ばかり、ありがたいことです。
特にウエストサイド・ストーリーは、つい先日FBフレンド(ブラザー)のタイムラインで見かけ
懐かしさのあまり欲しくなった代物だけに百円で手に入ったことが喜びです。
(このアルバム、小学生の頃に片仮名英語で全曲覚えたんですよ)
ジャケットはボロボロ、肝心の「アメリカ」はノイズ過多ではありますが
およそ50年ほど前の思い出に浸っております。

*

2014年3月11日

ジャクソン・ブラウンを聴きながら



夢見の悪い夜だった。
数年前に他界した頑固な親父が
己の火葬について電話で業者を罵っている。
話にならん!そう言い捨てて受話器を乱暴に置いた。
おいおい、あんたはもうこの世にゃ居ないんだぜ。
何を今さら・・

そう言いかけたところでカミさんから内線の呼び出しがあった。
そうだ、今朝は資源ゴミを大量に出す日だったんだ。
寝ぼけたままの頭で集積所を何度か往復する。
いい天気だ。眩しいほどに空が青い。

ゴミを出し終え、再び布団に潜り込む。
さっきの夢の続きを見て真相を解明しなくっちゃ。
一所懸命に最後に見た光景を思い出そうとする。
けれど、夢の世界に続きなどあるわけもなく
まんまと其処へ行き着くことなど出来やしないのだから
悶々としたまま1時間ほどが過ぎた。
徒労に終わったということだ。

なんだろう、いつもと違う空気。
空気というより、得体の知れない怪しい「気」に満ちた不思議な朝。
仕事場へ向う途中では、無理やり割り込んで来る車が何台もあったり
何故こんな場所で事故が?と思えるような所で事故処理をしていたり、
人心を惑わす磁場の大きな乱れが生じた日のような
街も人も、何もかもが噛み合ってない、そんな不思議さを感じる朝だった。

これが3.11なのか。
3年目にして初めて感じる異様な感覚に
身の危険を思わずにいられなくなった。
平穏さを装う裏側で何かが蠢いているような
その正体がわからないことほど恐ろしいものはない。

それでも今日は、何事も無く一日が終わった。
束の間の安堵感、けれど体は緊張したままだ。
したたかに酔いながら頭の中はふにゃふにゃになって行く。
ジャクソン・ブラウンを聴きながら3年目の3.11を見送る。

そんな夜だった。

*

2014年3月10日

忘却


仕事帰り、セブンイレブンに寄ってPB焼酎を買って来た。
巷の噂では芋職人が案外と旨いらしいんだが高いので
サトウキビ糖蜜、2.7Lで¥1280という安い物にした。
酒は安酒が旨いものなんだよ、うん。
とは言えお湯で割ってみたけれど、可もなく不可もなく味はよくわからない。
まあ、焼酎ってぇのはこんなもんさね。
出しゃばらず控えめに、己の存在を主張しないところがいいのだよ。
奥ゆかしいねえ。

三月も中旬だというのに
列島各地から今日も降雪のニュースが届く。
3年前の今頃も寒かったよなあと思い出すその先に
テレビが映し出した恐ろしい光景の記憶が鮮烈に蘇る。
或る日突然、日常の全てを押し流されてしまったり
住み慣れた土地を不条理に追われることもなかった僕ら。
痛みの伴わない記憶は、あらかた消去されちまってる。
それが怖い。

天災という名目で、誰も責任を問わないのがこの国のやり方らしい。
ニュース番組の特集を観ながらそう感じた。
戦後と同じだ。
投げ出された国民は泣き寝入りするか
或いは気丈に己の力で立ち上がらなければならないなんて
恥ずかしいくらい文明国家とは程遠い現実が未だにある。

この国は忘却の上に成り立っているようだ。
その国家が踏み潰した大地の下に、物言わぬ温厚な国民が居る。
いつの時代も、そうして歴史を刻んできたのが
ニッポンという国なのだ。


今夜も冷える。
冬が再びやって来たかのような
北風が冷たい一日だった。

灯油ストーブかエアコンが無ければ凌げなかった前の家とは違い
このシンプルな電気ストーブで僕の部屋は十分に温まる。
ありがたいことだが、
東電に貢いでいることを思うと後ろめたい気分になってしまう。


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2014年3月9日

ちびちびと・・



昨日買い物へ出掛けた後に
何か買い忘れた物があるような気がしていたが
冬の夜のお供、芋焼酎を買い損なっていた。
あらら・・あと一杯分くらいしか残ってないじゃないか。
コンビニまで3分なれど、寒い深夜に外へ出るのは嫌だ。
こんなとき、人は何故ちびちびと大事そうに飲むのでしょう?

そういえば、二十歳頃の貧しかった時代
腹いっぱいになるほどの食事とは無縁だったから
できるだけよく噛み、長い時間を掛けてゆっくり食べたものだった。
あれと同じ感覚なのだろうか。

ま、どうでもいいさね。
今夜はナッシュヴィル・スカイラインから始まった。
コロムビアの真っ赤なレーベルが好き。

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2014年3月8日

朝がカーテンの隙間から漏れ・・



11年の時を過ごした南本宿の豪華庭園付き戸建てを離れ
猫の額ほどの庭がある緑園都市のテラスハウスへ越して来ました。
慌しく重労働だった転居から十日が過ぎ、室内の整理もほぼ終わった折に
いいタイミングでインターネットも昨日ようやく繋がりましたので
ご挨拶方々、久しぶりのBlog更新にてお知らせさせて頂きます。

今宵のお供はニルソン「夜のシュミルソン」
このスタンダードなストリングスの音が、とても心地好く部屋に響いています。
音量は控えめ過ぎるほどに小さく、左右を縮めた音源はモノラルに近い状態ですが
これぞBGM!といった按配です。


モニタースピーカーはJBL 4312M。
箱はコンパクトですけど、とても厚みのある音で鳴ってくれてます。
深夜に音量を上げられないときなど、これは重宝ですね。
パソコンやオーディオ機材をセットしたデスクに座ると音源は左方向からになりますが
こんなセッティングにはモノラル音源がとてもいいんです。
(以前はスピーカーの中央に居なければ納得できなかったんですけど・・)笑


深夜の定位置はこんな感じです。
デスク側が北、右手が東、相変わらずの北部屋が僕の隠れ家ですが
窓が2面にあるのはいいもんですね、東の窓から差し込む朝の陽射しは格別!
「朝がカーテンの隙間から漏れ 横たわる君を優しく包む・・」みたいな、
密かにゆでめんの世界を満喫しております。

狭いながらも楽しい我が家とはよく言ったもので
建屋も敷地も大きかった以前の住まいに比べると不便を感じることもありますけど
逆にその凝縮された空間が心地好く思えるから不思議です。
しかもそんなに良い造りではないであろう2X4のこの家、
機密性が高いようで気温の低い日でも室内は暖かいのです。
北向きの僕の部屋でも800Wの安い電気ストーブで十分に温まります。
高騰の灯油不要!これはかなり有り難い話ですよね。
(南本宿の家は寒かったからなあ・・)


南向きの1階のリビングには間口2.7mの大きなサッシがあるもんで
猫もお昼寝の場所としては快適なようで(毎日)寝てばかりいます。
ただし引越し当日のドタバタ以来、知らない人間の出入りには神経過敏になってしまい
今でも見知らぬ人間の来訪には神経を研ぎ澄まし警戒しているようです。
人間も猫も、ここ数日で平穏を取り戻しつつあるとは思いますがね。

かずら的日常、新天地で再起動です。
2週間のご無沙汰でしたが、これからもご贔屓に。

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