シュアーM44G、
その昔はMM型カートリッジのローコストモデルでありながら
輪郭がはっきりしていて尚且つ馬力を感じる太い音だったので
多くのロックやジャズ・ファンに愛用されていたものです。
70年代当時は赤と黒のこんなチープな紙箱で売られてました。
最上級機V15TypeⅢのようなゴージャスなケースではない簡素さが
贅沢を求めない庶民の心を捉えていたような気もします。
僕が愛用していた30年ほど前の44Gが(ようやく)退役することになり
先日アマゾンから届いた代替機も、こんなパッケージなんだろうと思っていたら・・
なんと、こんな大袈裟な器に入っていたのでありました。
往年のバタ臭さも無く、都会的でお洒落な装いに変貌していて唖然。
しかも、クラブ/パーティー用と明記されてるじゃありませんか。
DJ御用達のモデルとなった昨今の現状では、これもやむを得ないことなんでしょうけど
おいおい貴様、スタイラス・ガードまで付けられて、いったい何様のつもりだい。
仲の良かった旧い友人が、急に遠い存在になってしまったような
そんな甘酸っぱい寂しさが込み上げてきました。
シュアーさん、僕は紙箱のままでよかったんですよ。
こんな標本みたいなパッケージ、やめてください。
おまけに僕は律儀に入れ物を残しておく性格なんですから
不必要に大きすぎるのは場所を取って困るんです。
いったい、いつからこんなことになってしまったんでしょうね。
とは言いながら、キャップを外すと「アメリカ」の香りが。
昔、アナログの米国盤のシールを切って内袋を取り出した時と同じ紙の臭いです。
長い時間を掛けて船に揺られやって来た、ちょっと黴臭さに似たあれ。
(わかるかなあ・・)
懐かしい気分に浸りながらよく見ると、メキシコ工場産でした。
Tex-Mexのこれもまた良し、テキーラ!!
ところで、退役した爺さんはカモメ・ビンテージと呼ばれ
カモメのマークが付いた物はオークションでも高値で売買されてるそうな。
僕のはスタイラス・ガードが追加される以前の初期型なんですけど
どれくらいの値段で売れるものなんでしょうかね?
ほら、前から見るとスタイラス・ノブの左右の形がシンメトリーじゃないでしょ。
SHUREのロゴも現行モデルとは異なります。これがオリジナルなんです。
USA M44G、これも諭吉1枚くらいにならないかしらね。
駅前の鳥正で立ち飲み5~6回できるんだけどなあ~♪(期待)
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