10月8日、僕は67歳になりました。心も体も、まだまだ若いぞと思ってはみても、煙草を咥えた己の顔には、そこかしこに老いた姿を感じてしまいます。
8日生まれだからなのでしょうか、体の根幹には8ビ―トが刻まれ、僕の日常はそのリズムに同期しながらの淡々としたものです。敢えてメリハリは求めず、降りかかる災いや試練を受け入れ、難しいことは考えないようにしながら、テンポとノリを楽しみながら生きています。陳腐にも思えるそんな日常ですが、当たり前の暮らしの大切さを教えてくれたのは、3.11の出来事だったと思います。以来僕は、何事にも妙に優しくなったような気がします。もちろん己にも。
非正規ながらミュ―ジシャンを自称する僕にとって、歌うことは非日常の何物でもありません。けれどそれが心地好いのは、現実の暮らしから逃れたいわけでもなく、見えない何かと対峙する緊張感でもなく、ただひたすらに日常の延長にある「非日常」との境目を、ちょっと超えた辺りを楽しんでいるからなのだと思います。老いてもなお、音楽には貪欲ですが、あまりガツガツせずにこれからも生きて行きたいものです。
毎年の恒例となっているバ―スデ―ライブ、今回は取りやめと相成りましたが、希少な「かずら元年ファン」の皆さま、絶滅危惧種の僕を見守って頂けたなら幸いです。どうかこれからも宜しくお願い致します。
最後になりましたが、お祝いのメッセを数多く戴きましたことに感謝します。クソジジイはまだまだ健在です。味噌と糞は一緒にしてもいいほど大切なものだとわかっている皆さま、ありがとうございました。