ハンボーキ。
嫌な響きの12月がやって来た。
そう聞くだけでゾッとするような
忙しさや慌しさが大嫌いな私にとっての天敵襲来。
サンタが町にやって来るならまだしも
忙殺されそうなハンボーキなんて来てほしくない。
仕事場に人が溢れ、鳴り止まぬ電話。
商売繁盛の賑やかさではなく、不平不満と苦情の嵐が吹き荒れる
この妙にピリピリした空気は何度経験しても体に合わない。
やだやだ。
とは言っても明日は休み。
ポンタ(お腹にいるときからの娘の赤子の愛称)に会いに行ってこよう。
どろどろして小汚い現実を忘れるには
あの無垢で純粋な寝顔を見るのが一番だ。
一眼レフのバッテリーをチャージして
明日は気の済むまでシャッターを切り続けるとしよう。
開き直りではなく
ここまで来たら「爺さん」と呼ばれて結構。
俗っぽい生き方もまたいいものさ。
或る日突然、
「かずら爺さん」と名前が変わってるかも知れないぜ。
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