2012年2月14日
ナロー・レンジの音が好き
この無骨な形の箱、バックロードホーンと言います。
フォステックスからキットで販売されていたBK-20というモデルで
その大きさもさることながら、確か1本が20Kgほどの重量だったと記憶してますが
友人と秋葉原から家まで運び、手にマメを作りながら組み立てたのは35年ほど前でしょうか。
これにFE-203という当時定番のダブル・コーンのフルレンジ・ユニットを組み込んで
ご近所から苦情が殺到するほどの大音量でレコードを掛けていた頃が懐かしく思えます。
スコーンと抜けて音離れが良いせいで、とても爽快な気分になるんですもん(笑)
さすがにデジタルに移行してからというもの、最近では見かけなくなってしまいましたが
敢えて今、この無駄に思えるくらいの図体のこいつを鳴らしてみたい欲望に駆られています。
アナログ盤を心地好く鳴らすためには、こういう大仕掛けが必要なのでして
小さなしょぼいスピーカーでは鳴らしきれない音というのがあるのです。
私が組み立てた物は引越しの折に友人に譲ってしまったので手元にはありませんし、
今さらここまで大型の物を置くスペースも無いので、もう少し小型の物がいいですね。
ネットで探してみると・・ありました。長谷弘工業(株)バックロードホーン自作キット
http://www.spnet.ne.jp/~hasehiro/product/backroadhorn.html
この中の16Cmユニットをマウントするくらいの物が手ごろな感じですが
FOSTEXのFE-163を入れた姿を想像するとワクワクしますねぇ。
往年のFOSTEX FE-163、いい感じでしょ。写真を見てるだけでもうっとりしてしまいます。
現在はモデルも変わってしまい、高級な外観で高価な物になってしまったようですが
何とか探し出して当時のナローレンジで「紙臭い音」に浸ってみたいものです。
これ、ボーカルやアコースティック楽器を鳴らすにはとっても優れてるんですよ。
そしてアナログ盤に付き物の「パチッ!」というスクラッチ・ノイズ、
このノイズ音の抜けが良い物ほど音楽の表現力には適していた気がします。
コーン紙が軽い方がレスポンスも良かったんでしょうね、きっと。
あー欲しくなっちまったなあ。
しかしながら、後悔先に立たずとよく言いますが
およそ千枚ほどあったアナログ・ディスクのほとんどを手放してしまったことが悔やまれます。
手元に残っているのはわずか百枚足らず、名盤と呼ばれた物は全て金に変わってしまいました。
1枚で7万円の値段が付いた物もありましたが、もちろんその金が残っているわけもなく
お恥ずかしい限りです。とほほ。
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