2012年3月5日

0と1の魔法


もしかすると・・
開封しただけで、一度も聴いてなかったかも知れません。
2007年の10月に発売された3枚組のDYLAN [Limited Edition]
布製のクラシックな箱に収められたリマスターのベスト盤です。
装丁も素晴らしいし、ジャケットやライナーの写真もいいし
(今さら)へえ~と、感嘆している自分に呆れています。

オーラトーンがどうだこうだと書き記しておきながら
実は私、家で音楽を聴くことはごく稀なのであります。
年に一度くらいだけ無性に聴きたくなって、数日間に手持ちのアルバムを一気に掛け
そしてまた一年くらい全く聴かない状態が続くような、そんな暮らしぶりなのです。
そんなわけですから、このアルバムのように持っていることを忘れている物も多々あります。
ちなみにこれはどこに埋もれていたかというと、
ブルースハープを数本入れたケースの「台」になっていました。
今夜ふと、はて?あの赤い箱は何だったかしら?と思いながら上の物をどかしてみて
4年半ほど眠ったままだったことに気付いたのでした。

これも今さらですが、対訳は中川五郎氏の手によるものでした。
後で老眼鏡を掛け、じっくり読んでみたいと思います。
それにしてもデジタルのリマスターって、素晴らしく艶やかな良い音になりますね。
DISC ONEの声もギターも、とってもリアルに聴こえます。
アナログの時代はマスターテープの音質とカッティング技術に頼らざるを得なかったものですが、
現代はデジタル処理を施すことによって、後からどうにでも加工できるんですからねぇ。
たかが数字の0と1の組み合わせで、いったい何ができるって言うんだい!!などと、
日頃はややデジタルに対する反骨精神みたいなものを抱いてはおりますが
このように60年代初期の音を生々しく感じるほどに聴いてしまうと
(ちょっとだけ)デジタルの罠に溺れてみたくなってしまいます(笑)

でもねえ、その0と1を読み取れなくなってしまったら
目の前に有っても一切のデータが取り出せなくなるようなことは困りものです。
パソコンのハードディスクにも同じようなことが言えますし、
ちょっとしたトラブルでデータを失ってしまうような事故は頻繁に耳にします。
それも原因が全く分からないまま。
けれどアナログであれば、レコード盤もテープも「目の前に有れば」何とかなります。
しかもお金をかけずに自分の手で。
この差は比較にならないほど大きいのです。

リスナーに手間を取らせない諸々のデジタル技術が、
自分で何とかしようという発想と行為を奪ってしまいました。
便利になったとは言え、あらゆる局面で己が行動を起こす意志が希薄になってしまったような
そう思う私は大袈裟に考えすぎなんでしょうかね?

ああ、やめたやめた。
私が何を言ったところで、価値感てぇやつは複雑すぎるのですから。
最後に、今夜もボロボロのFE-103は絶好調なのであります。
わ、今「JUST LIKE A WOMAN」!



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