2013年5月12日

押し花電報


母親に感謝して日頃の労をねぎらう。
照れ臭くてふだんは口にすることができくなても
今日だけは胸を張って言葉にする。
一年に一度とは言え、そんな日があるのは素敵なことです。

私は毎年、田舎で暮らす母親に電報を送っています。
押し花がデザインされた(一番安い)500円の台紙に
思い付いたわずか数行の言葉を添えて。
花も品物も無い質素なそれを、母親はとても喜んでくれるのです。
始めてからもう十数年続いていると思いますが
今でもその全てを大切に保管していると聞きます。

なので文面には気を遣います。
なにぶんアドリブ好きな私ですから
直前に思い付いた言葉を並べているだけなので
下手をすると以前に送ったものと全く同じ内容になってしまいますからね。

文字数からして、言ってみればメールみたいなものですけど
90を過ぎた老婆に電子端末は使いこなせるわけもなく
この極めてアナログな電報というツールがとても重宝なんです。
(数年前に携帯電話を持たせましたが、すぐに解約してしまいました)

そして今年もまた、喜んでもらえたようです。




さて、物流の私の仕事場。
ギフトの配達がピークを迎える今日は覚悟して仕事と向き合いました。
案の定、途轍もない電話の数。
問い合わせやら、催促やら、苦情やら、取りきれないほどでした。
さすがに一日を終えると疲労困憊ですが
心の準備をしていたせいか精神的な疲れはさほど感じていません。
全ての母親に感謝の念を抱くべき日に、こちらがカリカリしてちゃいけませんから
努めて冷静に、ソフトな応対を心掛けました(私、役者ですから!)笑

そんな多忙な日に、何故か出勤者が通常の半分くらいしか居らず
伽藍としたコールセンターを少数精鋭で乗り切った母親オペレーターの皆さまにも
感謝せずにはいられない日となってしまいました。

みんな、今日はよう働いた!
自分を含め、よう頑張った!!

その大変な思いをした(母親)オペレーターたちに
居合わせた上司や社員の口から「ありがとう、ご苦労さま」の言葉が
何ひとつ無かったことが残念でなりません。
私が責任ある立場に居たとしたなら、たぶんそうしたと思うのですが・・

母親に贈る言葉もそうなのですが
ちょっとした気遣い、声掛けというのが大切なんです。
それを怠る、そこに気付かぬ企業はダメですね。
労使の信頼関係が揺らぎます。

パソコンをじっと見つめるだけで物言わぬ社員よ、
肝に銘じなさい!

・・と、
年老いた古い人間は思うのでした。

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