2013年8月14日

お門違いも甚だしい

たとえば末期癌の人間が
もう先は無いんだからと
己の意思で煙草を吸い
酒を飲んだとしよう。

仮にそれがTVのドキュメンタリー番組で
その光景が全国に放映されたとして
喫煙を助長する内容だと苦情が来るだろうか。

生から見放された一人の人間の生き様に
口を挟める者が居たとしたなら
それこそが善意を装う偽善者に違いない。

映画や小説、歴史上の人物の写真や肖像画には
煙草をくゆらす姿や情景が描写されることがよくある。
表現の形として、そこに「煙草」が必要なことは多々あるのだし
芸術の正当性として、とやかく言われる筋合いのものでは決してない。

明治、大正、昭和にかけてのこの国の動乱期、
その歴史の中の人間を描くときに
もくもくと煙を吐く者たちの姿には、むしろ必然を感じる。
それが当たり前の時代だったのだから。

「風立ちぬ」の喫煙描写に物言いをつけた日本禁煙学会というNPO法人、
彼らの要望書を目にしてとても不愉快な気分になった。
お節介も甚だしいし、苦情を趣味とするクレーマーと何ら変わりない。
ホームページも覗いてみたが、今どきこんな悪趣味なデザインがあるのかと驚き
中身は自己満足と揚げ足取りの文字で埋め尽くされていた。

こんな輩に芸術を語る資格など全く無い。



要望書 http://www.nosmoke55.jp/action/1308kazetatinu.pdf

日本禁煙学会HP http://www.nosmoke55.jp/

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