この時期になると無性に聴きたくなってしまうのがこれ。
「RCAブルースの古典」と、矢吹申彦さんがジャケットを手掛けた「続・RCAブルースの古典」
どちらもRCAビクターからリリースされた3枚組のオムニバス・アルバムである。
中村とうよう、日暮泰文、鈴木啓志のお三方がライナーを書いていて
その分厚い解説を読みながら耳を傾けるのもアナログ盤の醍醐味。
ただしディスクが計6枚、裏表12面もあるのでなかなか聴くことができない代物なのだ。
それでも寒くなって来るとアナログ盤が恋しくなり、何故か真っ先にこれを聴きたくなる。
酒を飲んでディスクをひっくり返したり、針を降ろしたりするのは危険が伴うものだが
我慢できず深夜に掛け始めてしまい、機材や盤面を傷めることはなかったとしても
そのまま眠ってしまって、朝までプチンプチンと回りっ放しだったこともある。
けどだからと言って、これがCDでは味気ないのだ。
紙ジャケットから漂う黴の臭いを嗅ぎながら、
或いはピックアップが微かに上下に揺れるのを横目で見ながら、
拘りではないが、そうして相対するのがブルースには似合っている。
もちろん酒も欠かせない。
ただ、私の手元にはこの2巻と数枚のアナログ盤しかブルースの音源は残っていない。
それが残念だ。
戦前、アメリカ各地に居た無名のブルースマンの演奏を
フィールド・レコーディングで収録していたヤズーというレーベル、
若い頃はそのアルバムを見つける度に買い集めていたものだったが
全て売り払い、今じゃ1枚も残っちゃいないのだ。
・・おおブルースの神よ、お許しください。
おっといけない、ブルー(ズ)と表記しなければ
西荻窪の店の女将に叱られてしまうな(笑)
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