2013年12月19日

12月の雨の日


昨日の夜、雪にならなかったのは良かったけれど
強い北風が吹く今夜の雨は、とても冷たくひどい降りだった。
車に乗っていても、ワイパー越しに見える街並みが
暗く憂鬱に震えているような、そんな夜だ。
凍えた手で傘を差し、背を丸めて道行く人は
諦めにも似た閉塞感に満ちているようで
横断歩道を渡るどの顔にも笑みは無かった。

いつの間にか、本格的な冬になってしまった。
気がつけば12月も半分以上が過ぎ
あと十日と少しで年が明けようとしているほどだ。
この加速度は、いったい何だろう。
新年を迎えても、元日がただ365分の1日であるかのように
祝う間もなく、いとも簡単に通り過ぎて行ってしまうことを憂うのは
果たして私だけなのだろうか。

年を越し、冬を越す覚悟というやつが
都会を棲家にしていると、どんどん希薄になってひ弱になって行く。
それが情けない。



季節がら、はっぴいえんどの「12月の雨の日」を
71年の中津川フォーク・ジャンボリーのライブ音源で。
鈴木茂のギターはこの頃が一番いいし、
大瀧詠一のリッケンバッカーの刻みも必聴ものだと思う。

嗚呼・・けれどこれを聴いたとて
冬を越す覚悟など決められるわけもなく
流れる人並みを僕は見てる、だけなのである。

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