2013年12月16日

黄昏



いつもの時間に屋上へ出てみると
数本の細長い雲が空の一点に向って真っ直ぐに伸びていた。
Twitterを覗くと、友人は羽根ペンのようだと評していたが上手い表現だ。

青と橙と白が織り成す夕暮れ時の自然のキャンバスは
今日も雄大で美しく、思わず見とれてしまったけれど
もしやこれは地震雲なのでは?素人考えでそんなことも頭を過ぎった。
幸い今日一日は何事も無かったけれど
ここ最近は関東一円で地震が頻発している。
小笠原諸島の西之島近くに出現した新しい島を巡っては
その火山活動が富士山噴火の前兆であると言う学者まで居る。
そんなことを思い浮かべながら富士山の方角から伸びる雲を見ていても
自然災害の残酷さとは裏腹な美しさに目を見張ってしまうから不思議だ。

太古の昔から自然界はありのままに蠢いているだけなのであって
時としてそれは我々の営みに甚大な被害を与えてしまうが
そこには善も悪も無く、ただただ「自然」の成り行きでしかないのである。
破壊や殺戮は人間の悪だが、自然界が牙を剥いて襲い掛かって来たとしても
そこには物理的な正当性しかないのだと思う。

この先何が起きたとしても、決して地球を恨んだりしちゃいけないよ。
今日の空はそう語りかけているようにも見えた。


そして今日の黄昏時の富士を取り巻く風景も
穏やかで実に美しいものだった。
空を見上げ、遠くの山々を望み
荒んだ心は、日に一度は洗い流さなくてはね。

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