歌を忘れたわけではないが
或る日、思ったわけですよ。
己のことをミュ―ジッシャンなどと
如何にも聴こえのいい肩書きを口にしつつも
なあんてこたぁない、
今やその姿になるのは一年365日の間の
僅か2日か3日だけという体たらく。
「これじゃ偉そに言えるわきゃないよ
わかっちゃいるけどやめられない」
ス―ダラ節の如き、ダメダメ男なのであります。
けれど、人様の前で歌うからには
お店のチャ―ジや演者としてのギャラを
お客様から戴かねばなりません。
否応なしに頂戴するそれに見合う内容で
歌いきらなければならないのです。
お金を戴くからには
演じる側は「プロ」でなくちゃいけません。
いつもそう思ってますから
ライブ前の緊張感は計り知れないものがあります。
圧し潰されそうになるくらい
不安感でいっぱいになる気弱さを跳ね除ける
その体力と気力を維持できないところに
やはり年齢的な老いを感じずにはいられないのです。
やってよかった、いい夜だったと
ライブ後には幸福感に浸ることがあっても
演じる前には精神的な疲労が募るばかりなのです。
ちょっと前までは、その落差がスリリングで
或る意味、楽しく感じたこともありましたけど
心の余裕のキャパシティは
歳と共に狭くなってしまうものなのかもしれません。
なので、
今は歌えません。
歌いたく、ありません。
あしからず。
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