再生機材がオーディオ製品ではなくても広がりのある音が楽しめます。
ただし、これもいわゆる「癖」の部類。
私のようにレンジの狭い旧い機材でアナログ感を楽しむ者にとっては
それが弊害となり逆効果になってしまうような音源が多々あるのです。
しかしながら私が聴きたいと思うミュージシャンやアルバムの殆どが
レアな物まで網羅されていて月額¥980というお得感が先立ちまして
多少のことには目をつぶりながら毎日活用させて頂いてます。
これを45年前のアンプ、OTTO DCA-301で再生してみました。
如何に高音質を謳うハイレゾ音源であっても
旧型アンプの再生帯域は現行モデルより遥かに狭いわけですから
音の面で恩恵にあずかることはないだろうと思いましたが
空間系の細めの音がアンプ側の音質と相まって
意外なほどバランス良く鳴ってくれました。
というより、出て来る音は完全にDCA-301が支配しています。
これは癖の強いアンプの本領発揮といったところでしょうか。
仮に以前利用していたAmazon musicだったとしたなら
おそらく中低域がダブついてしまっただろうと思います。
タイムリーにApple musicに替えたのが良い結果となったようです。
よし、合格!
前回、アナログ盤の再生で課題となったカートリッジ問題。
SHUREのMMカートリッジとフォノ・イコライザの相性が悪く
そこにアンプ固有の音質が重なりザラついてしまったものですから
長らく仕舞い込んだままだった旧いMCカートリッジに登場して頂きました。
1982年製DENON DL-103GOLD、40歳の老練です。
カンチレバーさえヘタってなければ十分活躍してくれるだろうと
まるで根拠のない思い込みと期待だけで事を進めることに。
ただし、DCA-301にはMCの増幅回路がありませんから
これまた倉庫の奥から旧い昇圧トランスを引っ張り出してきたのです。
1982年製SONY HA-T10、端子間に直結できる優れ物で
小ぶりですが正真正銘のステップアップトランスなんです。
けれど実は私、こちらを使うのは初めてでして
果たして問題なく作動してくれるのかが最大の心配事でした。
が!期せずして結成された40歳の老練コンビ、
結線を終えた時点でハムノイズは出てません。
これは行けるかも・・いざ、レコード盤スタート!
おお!ノイズも無く微弱なMCカートリッジ出力を増幅して
全く飽和することなくアンプへ信号を送り込んでくれてます。
インピーダンスのマッチングもいいのでDL-103との相性も抜群です。
やるじゃないかHA-T10クン!見直したぜ!
とは言っても、最大の問題点は40年を経過したDL-103の劣化状況。
喜んでばかりはいられません。
盤が回り始めて暫くは針先のトレース状態に神経を集中させました。
幸いなことに足腰は弱ってないようで完璧に音を拾っています。
心配していた歪みや嫌な音が出てないどころか
不安を吹き飛ばしてくれるように音溝をトレースしてくれてます。
なんじゃこの40歳コンビは!?すげえじゃないか!!
そしてそして、MCカートリッジに変えたことでザラ付きも無くなり
中高域の荒さや派手さを抑え込むことにも成功しました。
これなら楽器やジャンルに関わらずオールマイティに再生できそうです。
いやあ、やはりアナログは楽しい!奥が深くて達成感があります。
嬉しさのあまり、アルバム10枚ほど立て続けに掛けてしまいました。
(続く)