2011年7月26日

大鹿歌舞伎

長野県下伊那郡の北東、静岡との県境に大鹿村という人口わずか1200人ほどの村が在る。ここで300年の歴史を刻む(地芝居)歌舞伎が、村民の手によって年2回公演が行われていることを知って驚いた。役者もスタッフも全員が村民、毎回居住者の3割が何らかの形で関わっているらしいのだ。
そもそもは見よう見まねで始まったのだが、村の文化として受け継がれ、幕末から明治にかけての歌舞伎上演の禁令を掻い潜り、暮らしの一部として現在に至っている。
神社の境内にゴザを敷き、皆が酒を飲みながら観劇を楽しむといった風情も田舎ならではであるが、回り舞台まで完備された大きなステージは本格的なもの。なんでも、竹下政権が1988年に大盤振る舞いした「ふるさと創生事業」に於ける1億円の交付金の内、村民の総意で3000万円を費やして衣装を大量に購入した経緯もあるとか。いやあ、スゴイ村があるもんだ。


その大鹿歌舞伎を題材にした映画「大鹿村騒動記」が封切られている。つい先日亡くなられた原田芳雄が主演で、脇を固める俳優陣も個性派揃いで面白そう。主題歌は忌野清志郎の「太陽の当たる場所」だ。次の休日にでも劇場に足を運んでみるとしよう。そして10月には村へ出向いて、生の歌舞伎を楽しんでみようかしら。山に囲まれた小さな村の風景も素敵だ。

大鹿村公式サイト http://www.vill.ooshika.nagano.jp/
大鹿村騒動記公式サイト http://ohshika-movie.com/index.html


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