これ、誰??・・みたいな。
紛れも無く、私だ。70年代の私の姿だ。
確かに今見ると、自分でも可笑しくはなるがね。
さて、今夜はもう少し遡った時代の(モノを絡めた)話。
NEUMANN ( ノイマン ) U87Ai
スタジオレコーディングに於けるコンデンサーマイクの定番と言われ、
60年代後半以降はボーカル録りに欠かせないものとなった歴史的名器だ。
顔が隠れてしまうほどに大きなその姿。
けれど無駄に大きなわけではなく、メッシュと円筒形のボディ・デザインは芸術的でもあり
私はそのプロポーションの素晴らしさに、いつも溜め息をついていた。
(私だけではなく、今なお羨望の目で見つめる若いミュージシャンもたくさん居るくらいだ)
当時のアルバムジャケットやミュージシャンの写真にこれが写っていることも多かったので
北海道の片田舎に住んでいた「かずら少年」は大いに憧れの目で見ていたものだ。
スタジオに入ったらこれで録りたい、これと撮りたい、と。
何事も形から入る、私ならではの発想だが
その願望は、案外と簡単に実現してしまった。
72年、キャニオン・レコード発足に向けて秘密裏に動き始めていたニッポン放送。
そこで専属アーティストを物色していたプロデューサーを紹介され、
デモ・レコーディングに訪れたスタジオに「憧れの」ノイマンがセットされていたのだ。
しかも贅沢なことにボーカルとギター用に2本も!!
写真を見て頂くと分かるように、現在とはマイクセッティングが大きく違っている。
向きや角度は異様に思えるくらいだろうけど、
モノラルのラジオ放送局では、音の定位を考えるとこれが一般的だったんだろうな。
その時の結果は・・
初っ端は女性がいいんだよね、誰か知らない?みたいな話になって
なら最初からそう言やぁいいじゃねーかと思いながらも、友人を一人紹介はしたが、
デビューを飾ったのはヤマハの社長が強く推した同郷の中島みゆきだった。
業界てぇのはそんなもんさ。いつの時代も力を持つ者が支配する。
家賃4500円の四畳半一間に住み、飯を喰う金にも困っていたあの時代に
憧れの高級マイクと一緒に写真に収まった私にとっては
間違いなく「お宝映像」だと思うんだがね(笑)
収録された1/2インチのモノラル・テープ、それをコピーしてもらった1/4インチ・テープ、
何処に行っちゃったのかな。。
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