これは75年頃かな。
栄養のある飯が喰えるようになったので若干太っている。
場所と時期は不明ながら、おふくろ・実の姉・カミさんとのレアーなスナップ。
私が被っているのは、いったい何だろね?(苦笑)
レコード盤を買い漁っていたせいで、あっという間に千枚以上のコレクションとなった。
決まった収入が無く、パンと即席ラーメンしか喰えなかった人間が
定職に就いて毎月纏まった額の収入を手にするようになった途端
それまでの鬱憤を晴らすかのように物を買うようになってしまったからなのか
とにかくレコードの数は増え続け、床が抜ける心配までしなければならないほど
家の中はレコード盤を収納するラックで占領されていた。
そうなると、満足の行く音で聴きたくなるのは当然の流れで
マニアとまでは行かなかったが、オーディオにも結構な額の投資をした。
スピーカーはJBL 4311A、いわゆるスタジオモニターの定番と言われた名器であり
アコースティック楽器とボーカルの色艶は、これが一番よく表現してくれた。
ウーハーが上、ミドルとハイが下にマウントされた「逆さ構造」は
当時のスタジオでは天井近くにセットされることが多かったためのアイディア。
この斬新なデザインにも一目惚れしたわけだが、実にいい音で鳴ってくれていた。
レンジは狭いんだけど、音楽は周波数では語れないということを実証したようなもの。
日本人には絶対に作れない種類のモデルだね。
ターンテーブルはDENONのDP-3000だった。
業務用機器を数多く世に出していた日本コロンビアの大ヒット作。
デカイんだけど、無駄に大きくはないのであって
その安定性と洗練されたプロポーションは、レコード盤を乗せる楽しみを呼び起こしてくれる。
私はこれに、同じくDENONのDL-103というMCカートリッジを装着して
昇圧トランスを介してマランツのアンプに通して聴いていたが、
トム・ウエイツの枯れた声も、ジェームス・テイラーの蓄膿気味な声も
はたまたダニー・クーチのホットなギターも、すべてのニュアンスが伝わって来たものだ。
とは言え、やがてCDが台頭してアナログディスクの時代が終焉を迎えた頃
わずか100枚ほどのディスクを残してオーディオ製品も全部売り払ってしまったので
残念ながら今は当時の音に触れることができない。
数年前にハードオフで安いターンテーブルとアンプだけは手に入れたから
残っているレコード盤に針を落とすことはできるんだが
機会があればJBLの4311を再び鳴らしてみたいとは思っている。
悠々自適の隠居生活(年金生活?)になったらね(笑)
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