私と同世代の方であれば、深夜のラジオ放送から流れて来たS&Gの「サウンド・オブ・サイレンス」に似たギターフレーズで始まるスキャットが清々しく聴こえた思い出があることだろう。
その「夜明けのスキャット」を歌った由紀さおりのニューアルバム「1969」が、アメリカで大ヒットしているらしい。iTunesのDL数ではジャズ部門で堂々の第一位と聞くと何だか嬉しくなってくる。
そもそもはアメリカのオレゴン州で94年に結成され、その後脚光を浴びた13人編成のオーケストラ、ピンク・マルティーニが2007年にリリースしたアルバムの中で由紀さおりの「タ・ヤ・タン」をカバーしたことから始まる(このオーケストラにはチャイナ・フォーブスという女性ボーカルが居て、歌姫を擁した往年のスタイルが受け継がれていることでも評判となった)
この歌姫が流暢な日本語で歌っているのだが、いかにも日本的なフレーズを白人のプレーヤーが演奏していても不思議と違和感がまるで無い。
リーダーでピアニストのトーマス・M・ローダーデールが、アメリカの中古レコード店で由紀さおりの古いアルバムを見つけたのがきっかけだと言う。
ジャズ、映画音楽、ラテン、フレンチ・ポップス、イタリアン・ポップス、そして日本の歌謡曲と、世界中の美しいメロディを発見、カヴァーしてきた彼の触覚とアレンジが素晴らしいではないか。
今年10月のロイヤル・アルバート・ホールでのライブには、ゲストとして由紀さおりが登場し「夜明けのスキャット」他4曲を歌い、アンコールの「マシュケナダ」では観客がスタンディングオベーションで賞賛した模様が彼女のオフィシャルサイトに記されている。http://www.emimusic.jp/pmsy1969/
由紀さおりのニューアルバム「1969」はピンク・マルティーニとのコラボレーションで構成され、
そのタイトル通り、69年当時にヒットした国内外の名曲で埋め尽くされている。
その中から、いしだあゆみのヒット曲「ブルーライト・ヨコハマ」を聴いてみよう。
ラテン系の味付けもまたよし。
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