2012年1月15日

記念日

私事ではありますが、
小豆粥を戴く小正月の今日は結婚記念日でもあるのです。
振り返ると37年・・途轍もなく長い年月を一緒に暮らしてきたわけで
その間にお互いの嗜好性が違って行くのも仕方の無いことなのであります。

ある頃から、全く干渉し合わないようになりました。
簡単に言えば無視、口を挟むと喧嘩になってしまうので
自分にとって居心地の良い空間で、それぞれの日常を過ごすようにしています。
お互いを知り尽くしているゆえの知恵、なのでしょうか。
そんな夫婦生活です。

10年ほど前、私にとっては大変迷惑なCMがありました。
長年連れ添った奥様に、ご苦労さまと記念の指輪を贈る内容です。
それを観るたび我が女房どのは「いいなあ・・」と(こちらを見ながら)溜息をつく。
銀婚を過ぎると、記念日には宝石の名前が付いています。
それが年を重ねて行くと、ごんどん高価な物へとなって行くのですから
私の収入で買い与えられるような代物ではありません。
くっそー、ジュエリー・ショップめ!と、当時は苦々しく思ったものです。

そして30年目を迎えた2005年(30年は真珠婚というのだそうです)
ひと区切りとして何か贈らねばなあ・・と、あれこれ思いあぐねた末に
結婚を境にやめていたライブを復活させることにしたのです。
おそらく一番喜んでくれるであろう人間が、当時の苦楽を共にした女房なのですから
プレゼントとしては打って付けですし、安いコストで済むのも有り難いことでした。
2005年1月15日、三十数年ぶりのステージに上がったその日こそが
私にとっては忘れられない記念日となったわけなのです。

早いもので、あれから7年が過ぎました。
音楽を通して多くの方々と出会い、そして今の私が在ります。
あの時に歌い出さなければ、老け込むだけの人生だったかも知れません。
そう考えると、プレゼントとして思い起こすきっかけとなった女房には
やはり感謝しなければならないのでしょう。

今年は還暦を迎えます。
それでも気持ちだけは若造のままです。
しかも青い。
大人になった子供たちから、よく小言を言われます。
そんな時、私も大人にならなきゃなあ・・と、思うのですが
のらりくらりとかわすもんですから、最後は叱られるんです。
こればっかりは治りそうにありません。


(2005年冬)
いつも思うのですが、この頃の方が老けて見える気がします。
私がそう思うだけでしょうか?(笑)



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