2012年2月21日
薀蓄を語る
今宵もまたFE-103のチープな音を楽しんでおります。
70年代の音楽を聴くにはJBLかALTEC、はたまたFostexのいずれかでなければ!
そう頑なに思うようになってしまいました。
昨夜のJ.J.CALEとの相性にも素晴らしいものがありましたが、
72年にジョン・サイモンのプロデュースで作られたこのアルバムも抜群の音質で鳴ってくれます。
まるでウッドストックの空気が伝わって来るようです。
代表曲である「スモール・タウン・トーク」は文句なしの名曲ですが、
今まであまり興味を示すことがなかった曲も素敵な雰囲気に包まれていることに
改めて気付かされるあたりがFE-103のおかげなのかも知れませんね。
とにもかくにも、フルレンジ1発が醸し出す音は
多少レンジが狭かろうが、上から下までどの帯域もとてもスムーズです。
2発3発のユニットを繋げた時のクロスする帯域のピークやディップが無いからでしょうね。
特にこの10Cmという非力に感じてしまうほどの小口径が実にいい!
大昔に20Cmのユニットを1発で鳴らしたことがありますが、
口径がデカイだけあって中高域はツイーターを追加しないと篭った音になってしまいました。
その点、10Cmという小ささは周波数特性的には有利に働くのでして
妙に強調されるところも無くフラットな特性のまま鳴ってくれるのです。
FE-103についてあれこれ想いを馳せているうちに
その昔、奇抜なアイディアで名作を多数世にだした長岡鉄男氏が設計した作品の中から
バックロードホーンを横向きにした形状のスパイラルホーンを思い出しました。
内部の構造はこんな感じです。
横に渦巻いているので当然箱の厚みは薄くなり、バッフル面が広くなります。
これを天井近くの高い位置にセットして、部屋そのものがホーンの延長となるように
そんなアイディアから生まれた形状なのです。
私の部屋、床に関してはかなり手狭になってますから、これを作ってみたくなりました。
旧い家なので、長押から天井までは60Cmほどの十分なクリアランスがあります。
長押に乗せる形で壁面に固定すれば吊り下げよりも良い結果が得られそうなので
昔のスタジオ・モニターみたいに高い位置にセットしてみようかなと。
さすがにこれのキットは無さそうなので、ラワン合板を切って自作するか
どなたかがヤフオクで売りに出しているのを見つけるしかないですけどね。
ディスクはライ・クーダーの「紫の峡谷」に変わっておりますが、
ライが弾くスライドの音が生々しくてびっくりします。
ちょっと歪ませたギターのリフも、とてもリアルに聴こえてついニヤッとしてしまいそう。
飲みながら聴くには最高です。
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