2012年11月23日

abkco(アブコ)の謎


デッカ時代のストーンズのアルバムは今でもLP盤でほとんど持っています。好きでしたから。けれど今では針を通すことが無くなってしまいました。だって片面が終わるのがあっという間で掛け替えるのが忙しないんですもの。
そこで今夜は廉価盤の宝庫アブコからリリースされていた2枚組のアルバムを引っ張り出してみました。初期から「山羊の頭のスープ」あたりまでのヒット曲を集めた内容の物ですが、このチープ感がムンムンしたジャケットが嫌いで一度も掛けたことの無かった代物です。おまけに1枚目のA面には9曲も収められているもんですから、細い音溝がレーベルのすぐ近くまで無理やり刻まれていて音が悪いやらダイナミック・レンジが乏しいやらで、レコードの質としては最低に近いものであることが私を遠ざけていた理由でもあるのでした。
でもね、ジャケットの品が悪かろうが音が悪かろうが、曲数が多いんなら掛け替えの手間も省けるってことですから、こうしてパソコンに向かいながらでも気兼ね無く聴いてられるんじゃないかと思い、今夜初めて中身を取り出してみた次第なのであります。が、笑っちゃうほど音質は悪いです。圧縮のし過ぎなのか、音圧がワウっぽく変動するほどに。

アブコという会社は謎が多くて、いったいどうやって版権を手に入れたんだろうと不思議に思うようなアーティストのベスト盤を安価で数多くリリースしていました。当然マスターはオリジナルじゃないんでしょうけど、カッティングの粗悪さは相当なものです。そんなこのアルバムですが、日本ではRVCから(まともな価格で)販売されていたというのが驚きでもあります。お?B面の「黒くぬれ!」から突然音質が良くなりました(笑)

ふと中を覗いてみると、ライナーノートを今は亡き中村とうよう氏が書いていました。呟きにも似た短い文章ですが、ストーンズを己の座標軸と表現するあたりは流石ですね。


さてさて2枚目にしてみましたが、この盤の音は明らかに変ですな。コンプ掛け過ぎのワウッた音だけじゃなく、時折回転が落ちたようなピッチの変化まで生じます。いわゆる回転ムラ的な音、あーなんだか気持悪くなってきました。悪酔いしそうなので他のディスクと取り替えることにしましょう。聴きたいときは手間暇を惜しまずにオリジナル盤で聴け!ってことかもですね。教訓になりました。

それにしても、当時こんな粗悪品を正価で販売したRVCに苦情は無かったのかしら?私は白ラベルのサンプル盤だったので被害はありませんでしたけど・・

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