2012年11月7日

ご利益


私の部屋にセットしてあるスピーカーの現在のラインナップです。
左がYAMAHAのNS-10M PRO、15年ほど前までの宅録していた時代にはリファレンス・モニターとして重宝していました。上下のバランスが良くて、あまり色付けされてない音色がリミックスには欠かせなかったので20年以上ずっと愛用していました。
その隣にあるのがオーラトーンの5C、12.5Cmのフルレンジ・ユニットが小さな密閉箱にマウントされたとても小さなスピーカーです。これも20年ほど前に購入した物ですが、レンジがあまりにも狭いためレコーディング・モニターとしては使えず、ほぼ新品の状態で仕舞い込まれていました。
それが10年ぶりくらいに引っ張り出されたのは、以前このBlogでご紹介したフォステックスのわずか10Cmのユニットが奏でるナローレンジの音が、とてもバランス良く聴こえて心地好かったからでした。小型のフルレンジっていいなあ・・そう思ったときにこの5Cのことを思い出して、夜中にガサゴソと探索して現在に至ったわけなのです。

この製品は60年代から70年代にかけて、アメリカの多くのレコーディング・スタジオで「ラジオ・モニター」としてコンソールの上に置かれていた物で、大型のモニターで音決めした後にラジオから流れる雰囲気を確認するために使われていました。ヒット曲はラジオ抜きには語れない時代でしたから、ある意味とても重要な役割を担っていたわけです。
故に帯域が極端に狭いのでして、広帯域のスピーカーと比較してしまうと安物のコンポ以下としか思えないほど貧弱な音で鳴ります。けれどそれが良いんです。近くで聴いていてもやかましくないどころか、中域が充実しているのでボーカルやアコースティック楽器が嫌味なく耳に入って来るんです。
それはCDを再生しているときもそうでしたが、今こうして5Cでアナログ・ディスクを掛けていると、そのカマボコ型の特性とのマッチングがとても良いことに改めて気付かされます。まさにAMラジオの音なんですが、ボーカルの張り出しとリアルさには驚きました。昔は素直で自然な音質だと思っていたNS-10Mでも、上と下が勝ってしまい中域がやや引っ込んで聴こえるほどで、この小さな箱から必要最低限どころか音楽の芯の部分が表現される驚きは上手く言葉に出来ません。
私が所有している5Cはオリジナルではなく80年代に仕様変更された物なので、初期のモデルよりは少々高域が伸びているせいもあるかも知れませんが、50年代から80年代にかけてのどの時代のソースに対しても気持ちの良い音を聴かせてくれます。5C、最高です!


不要になった(壊れたというのが正しいですね)テクニクスのプレーヤーを処分してもらいに再びハード・オフを訪ねた折に、レジ・カウンターの脇に大きなダンボール箱で三つ「百円均一」のLP盤が無造作に置かれているではありませんか。百円ですからロクな物は入ってないんですが、辛うじてこの2枚だけはチリチリ・ノイズを覚悟の上で買って帰って来ました。帰宅してから確認してみるとジャクソン・ブラウンはノイズも無く、ジャケットを含めかなり良い状態で、おまけに中のライナー類は新品同様でした。これは得な買い物だったようです。
実は私、ジャクソン・ブラウンはセカンド以降あまり聴いてなくて「プリテンダー」までひとっ跳びした経緯がありまして、このアルバムも一度聴いただけで手放してしまってたんですが、今日改めて掛けてみると・・いいですね、これ。ほのぼのとした作りのとても温かな音です。これもオーラトーンのご利益なんでしょうかね?


そしてもう一枚のビーチ・ボーイズ、この辺りはCDも持ってますけど百円の魅力でつい買ってしまいました。ジャケットに少々シミがあるものの盤面は綺麗でノイズもありません。リミックスされた盤ではありますが、これもやはりオーラトーンで聴くと格別な気分になりますね。けど、ひとつ疑問が・・
来日もしたことだし再び人気が上昇している今、何故に百円??そう、これがハード・オフの良いところなんです。ジャンク扱いの山の中に「お宝」が潜んでいるのですよ。万券は絶対に使いませんが、小銭で買える物は時折腰を据えて探してみることにしています。

DENONのDP-1700は今夜も快適に回ってくれて、今日もいい一日でした。明日はデスク周りの収納について考察、そして配置換えの予定です。腰、大丈夫かな?(汗)

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