2013年2月14日

三本のパイプ(大馬鹿者の備忘録)


昨晩レッカー会社にお泊りしたKeiクン、
午後にショップへ搬送した旨の連絡がありました。
当初はディーラーで修理してもらうつもりだったんですが、
今朝ショップの担当者に連絡すると「是非うちに!」と言われ方針転換となった次第。
故障状況や修理に纏わる諸々の回答は未だ頂いてませんけど、
九分九厘オルタネーターの交換となることでしょう。
さて、Keiクンの運命は如何に!

と、至って呑気に構えてます。
今日は術後の経過を確認する眼科受診の日で休日だったから良いのですが
明日も明後日もそのまた次の日も(足の便が悪い)仕事場へ行かねばならんというのに。
電車でのんびり行くからいいやあ~こんな調子なのです。
夜にでもこちらから電話して症状や経過を聞いてみようかと思ったりもしましたが、
今回は敢えて急かさず、口を挟むこともなく、ショップの対応を見守ることにしました。
安いからと、ハイリスクな多年式の車を選んでしまったこちらにも責任はあるわけですし
お互いの責任と損得のバランスがどのような結果を生み出すのか
それを静観することにしようと、そんなところです。
ま、人はこれを「駆け引き」と呼ぶのかも知れませんけどね(笑)

でもね、こんな自分が馬鹿じゃないのかと思うのも事実です。
べらぼうな修理代金を請求されるかも知れないし、
不良箇所があちこち見付かって廃車の道を辿るかも知れないし、
車が無くてはならない生活を送る身としてはあまりにも呑気すぎます。

馬鹿なのか冒険好きなのか分かりませんけど、
何かにつけ未体験の物事に対しては、能天気にワクワクする性癖があるのです。
昨日だって、走行中にあらゆる警告ランプが点灯し始めると
不安な気持ちを押しのけて「いったい何が始まるんだあ~?」といった具合に
これから始まる得体の知れない何かを妙に期待していた節があります。
困ったなあという感覚は無く、むしろ初体験のレッカー車を呼んだことが楽しく思えたり、
深夜の国道で一人で車を押す自分があまりにも非現実的で面白かったり、
・・本物の馬鹿ですね、こりゃ。

そういえば、6年前に20tのトレーラーにがっつり追突された時も
坂道をノーブレーキで一気に下って来る大きな長い車体がルームミラーに映った瞬間、
恐怖心よりも「わ、なにこれー!!」みたいな好奇心の方が勝っていました。
分かり易く言うと、DLやDSでアトラクションを楽しんでいる時のような感覚です。
数ヶ月間、右半身が麻痺して自律神経もおかしくなってしまいましたが
そのリハビリ生活も不思議と楽しい時間に思えたり・・本格的な馬鹿でしょ。

手足の痺れがようやく癒えたかと思うと、今度は様々な病気に煩わされ
2年後には急性網膜壊死という奇病とも言える奇怪な病気を発症して
診察後に即入院、その翌日には2時間35分にも及ぶ右眼の緊急手術を受けたのでした。
失明寸前というぎりぎりのところで受けたその手術にも悲壮感はまるで無く
それどころか術前にイラストで説明された眼球に突き刺される3本の細いパイプ
(眼球内の照明、排水、治療器具を挿入するための物)を思い浮かべながら
眼球の中の水がチャプチャプする光景を見て「ミクロの決死圏みたいだ!」なあんて、
この世でこの映像を見られた人間は数えるほどしか存在しない筈だ、などと
有り得ないほど客観的な立場に居たことを考えると・・もう救いようの無い馬鹿ですよね。
アタシの頭の中の構造って、一体どうなってるんでしょうか。

今日の診察はこの時の手術の経過を診るためのものでして、もうずっと続いています。
実を言いますと、3本のパイプを突き刺す過酷な手術は二度行われました。
一度目の術後は網膜を安定させるために眼球内にシリコンを挿入させて
そのまま半年ほど経過した後、今度はそれを抜いて(本来の)水を入れるわけでして
その作業が一度目と全く同じ手順の(3本のパイプを刺す)手術となるのです。
二度目は患部の治療が無い分だけ時間短縮されますが、それでも2時間近くを要しました。
つまり、再びワクワクしながらサイケな映像を楽しんだということです。はい。

ただし、右眼は今でも霞んだままで画像も歪んで見えています。
幸い左眼が正常なので日常生活や車の運転に支障は無いのですけど
視野は狭く動体視力も衰えているので右側からの急な飛び出しには反応が遅れます。
(正面を向いている時、右側は45度くらいまでしか視界に入らないのですよ)
危険ではありますが、もう慣れましたし右側にはかなり神経を遣っています。
これはもう元通りにならないので諦めてますけどね。

三本の矢、ではなく三本のパイプで長くなってしまいましたが
己の馬鹿さ加減が面白くてつらつらと。
さあ、明日は鶴見線初乗車だ!とばかりに、
これまたワクワクしながら床に就きたいと思います。
明日は雪になるのでしょうか。

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