2013年3月14日

アナグラ


都内有数の繁華街、渋谷が大きく発展して行った背景には
1928年に開業した東急東横線と地下鉄銀座線の功績があるのでしょう。
巨大化して昼夜を問わず膨大な人間が行き来する渋谷、
その混雑ぶりに今では足を踏み入れることが無くなった私ですが
70年代初頭、まだ街が閑散としていた頃の渋谷の風景は大好きでした。

神南1丁目から渋谷公会堂へと上って行く坂道がオリンピック通りと呼ばれていた時代。
公会堂の手前には旧い公団住宅が建ち、その向かい側辺りにLalaという喫茶店が在って
仲間たちと落ち合ったり何時間も語らったりする、私(たち)の格好の隠れ家でもありました。
通り沿いの店も少なかった頃ですから、日中でも道行く人影はまばら。
それが夜ともなると辺りは真っ暗になり、その寂れた風情がとても良かったのです。
(当時、私が何度か出演したジァンジァンがその通り沿いに在ったことも理由のひとつかな)

反面、道玄坂は繁華街の様相を呈してました。
百軒店(ひゃっけんだな)のギラギラした灯りやお店は新宿みたいで好きではありませんでしたが
唯一ライブハウスのB.Y.Gにだけは、お目当てのミュージシャン見たさに何度か足を運びましたし
今では伝説の店となったブラックホークには暇さえあれば通ってました。
渋谷の街が私にとって「ちょうどいいサイズ」だった、遠い昔の思い出です。

その渋谷を支えた東横線の駅が、16日からヒカリエの地下5階に移転するそうです。
ここ数日間、ホームは記念撮影をする人々で「祭り」状態だとか。
私も見納めと、地上駅の乗り納めに行きたい気もしましたが、
あのセンター街なみの人出だけはうんざりなので行きません。

穴蔵の駅なんて、
渋谷がまた嫌いになりそうです。

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