2013年6月10日

見えない敵


この報道が波紋を呼んでいる。
そりゃそうだ、あってはならないことだもの。
彼の告発は真実なのか、
ならばどこまで真相を究明できるのか、
プログラムに参加したと言われる各社は完全否定しているが
たぶん、バックドアの存在は事実なんだろうと私は思っている。
トップ・シークレットが暴露されて
はい、間違いありません。などと答えるバカは居ない。

インターネットは管理する側(或いは体制側にとって)
個人の情報を収集・蓄積するツールとして最適のものだろう。
接続履歴だけで個々の思想までもが分かってしまうくらいだから
アメリカの大統領選挙などでも特定のプログラムが大活躍したと言われている。

日々、何気なく利用するインターネット。
各社のサーバーには膨大なデータが集約される。
仮にそこにはバックドアが無かったとしても
我々の情報は選別されカテゴリー別に分類されている筈だ。
国家がそれを無断で利用したとしたなら
令状もなく家宅捜索を行うことと同じであり、それは非難されて当然だろう。
けれどそれは、明るみにさえならなければ私たちには知る由も無いし
ハッキングによって物理的な損害が生じるような事案でなければ
多くの者はさほどの関心を示さないのが現実かも知れない。
むしろそれが怖い。

データとしての痕跡を残す情報や通信の手段が無数にある現代、
私の感覚としては、個人情報は漏洩して当たり前だと思っている。
インターネットが鉄壁の如く堅牢で閉ざされたものだなんて
それを信じる者の方がどうかしているとさえ思ってしまう。
無言のままキーを叩く行為で秘密性は担保されてると安心することなく
巨大なデータベースが、個人の全てを記録しているという現実に気付くべきだろう。

趣味や性格、家族構成や居住地、果ては思想に至るまで
私たちは自らの手によって情報を提供しているのだということを念頭に
インターネットを利用して頂きたいと思うのである。
それくらい、私たちは裸体を曝け出しているのだから。

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