2013年7月21日

敵タナトスを想起せよ


投票率52.49%(朝日新聞中間集計)の数字を残して
選挙フェスという祭りは終わった。
心の中には勝ちも負けも無く
はたまた喜びも虚しさも無く
淡々とTVの開票速報を見ている自分が居た。
三宅洋平クンの言葉を借りるまでもなく
これは戦いではないんだ、そう言い聞かせているかのようだった。

3.11以降、この国の民は明らかに変わろうとしている。
何が間違いで何が正しいか、明確な答を誰もが持ち得たことで
それが人を動かし国を動かす大きな力になろうとしているからだ。
仮に今回の選挙結果がどうであれ、
問題を提起して己の言葉で語り始める若者たちの登場は
この国の先が見えない未来にも一筋の光となってくれる筈だ。

投票所へ行こうとしない多くの若者たちを責める気持ちは無い。
この国の将来がどうなっても良いのか、などと
良識者ぶって声を荒げるつもりも毛頭無い。
棄権も白票も、それはそれでひとつの意思表示なのだから。

でもね、心の奥で燃え上がるアンチテーゼだけは忘れないで。
おかしいだろ、なんか変だろ、その気持ちさえあればいい。
いつかそれを表現できるようになるまで
火を絶やさずに現実を見つめていてほしいんだ。

数千人の機動隊と放水車、群衆に水平撃ちされる催涙弾。
応戦する投石と火炎瓶は東京の街を戦場と化しながら
国家権力という強大な「敵」と対峙していた60年代とは違い
右も左も無くなってしまった現代に「敵」を明確に探し出すのは難しいことだ。
おまけに70年代以降は皆が優しい顔に変わってしまい、
いったい誰が悪党なのかも分からなくなってしまった。

60年代後半から、ソニーがトリニトロンで飛躍的に業績を伸ばしたのは
アメリカの戦闘機のモニターとして採用され、その性能が認められたからなのさ。
そう、ベトナム戦争に加担していたと言ってもいい。
「ソニーのテレビは血を映す」反戦集会には替え歌で歌われていたくらいだ。
その後ウォークマンのヒットなどでより巨大化して行った経緯がある。
他にも恩恵に与った企業は幾つもあるくらい、戦争や紛争は商売として儲かるのだ。
それが戦争の親玉という奴、銭儲けには貪欲な奴らだ。

今はどうだ、戦争が無いので今度は原発を売り歩いてる。
被爆国であり、未曾有の事故の収束も出来ない状態であるにも関わらず
世界中に放射能の危険を撒き散らす魂胆かい。
その受注益で経済再生だ?なんてこったい、恥ずかしくて世界に顔向けできないよ。
おかしいだろ?なんか変だろ?
この国を動かしているのは政治家じゃなく、奴ら死の商人たちなんだよ。

そんな見えない敵が居ることを、頭の片隅にでもいいから覚えておいて。
そしていつか、声に出して、行動してほしい。
そう思うんだ。



敵タナトスを想起せよ


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