2013年8月31日

もしかすると恩師


ジジイなもんで、テレビはNHKしか見てないばかりか
敢えて番組表をチェックすることすらありませんから、
いきなり飛び出す音や映像に身を乗り出すことが時折あります。
(要は点けっ放し状態、いけませんねぇ)

今夜はベンチャーズの懐かしい音が流れて来ました。
好きとか嫌いとかの問題ではなく、
もろにリアルタイムでブームに遭遇した私にとっては
何やら甘酸っぱい少年時代の思い出が蘇って参りました。
当時の少年たち、ほぼ全員がエレキに目覚めるきっかけとなったのは
紛れも無く彼らの登場だったんですからね。

エレキ=モズライト、
フェンダーでもギブソンでもなく、この時代はこの構図が絶対のものでもありました。
マイナー基調のサウンドと共に、美しい曲線を描くモズライトのデザインもまた
あの頃の日本人の好みだったのかも知れません。
国内の各メーカーで、コピーモデルが沢山作られていたほどです。
もちろん私も、テスコのミディアムサイズを頑張って手に入れたんですが
1万円を切るような安物だったので、ピックアップが1弦の音を拾ってくれないという
とても切なく恥ずかしい思い出があるのです(笑)
60年代の安価な国産モデルには、よく見られた現象ではありますが
友人が持っていた1万8千円ほどの全音のコピーモデルはいい音がしてたので
とっても悔しい思いをしながら羨ましく眺めておりました。

そんなギター少年たちの憧れの眼差しを尻目に
かのベンチャーズ、後年はフェンダーを多用するようになりましたが
ノーキー・エドワーズが加入した初期のモズライトのトーンが
聴き慣れているせいか、リスナーとしてはそれが今でも一番しっくりきます。

そしてそして最も重要なことは
猫も杓子も夢中になったあのエレキ・ムーブメントが無ければ
片田舎の中学生であった私がギターに触れることは無かったと思うんです。
つまりそれは、その後アコギに持ち替え歌うことにもならなかったということで
そう考えると、ベンチャーズは「人生の恩師」であるとも言えるわけでして
感慨深く今夜の映像と音を楽しんでいた八月最後の夜なのでありました。

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