川上哲治さんが亡くなられた。
私が6歳のときに現役を引退されたそうなので
赤バットと称され数々の記録を塗り替えた生の姿は全く覚えてないのだが、
我が国に於ける野球の普及に貢献した功労者であることは間違いない。
V9という常勝巨人の黄金時代を築き上げた監督としての姿はよく覚えている。
長嶋や王がスターとなったその時代、川上の評価は更に上がったが
厳しい姿勢や言動から敵も多かったと聞いている。
監督を退いた後も球界(とりわけ巨人軍)の重鎮としてマスコミは見ており
1980年の長嶋監督電撃辞任も、解任の黒幕だったという説が当時は横行していた。
その後諸説が取り沙汰され真相は闇の中なのだが、
親会社読売が解任を決め、それを川上に擦り付けたというところだろう。
現在も日本球界の頂点に君臨する読売の手口はいつも汚い。
当時のオーナーであった正力享との関係が冷え切っていたせいもあり
ファンやマスコミの矛先を(悪者)川上に向けさせる策だったとしても
当の本人はそれに対して一切反論しなかったことが未だに謎である。
いずれにせよ、強大な権力の読売を去った者、追われた者、
それらの者たちが球界(或いは日本人として)の良心を持ち得ていたのだろうと
様々なニュースに触れる度、そう思えて仕方ない。
野球とプロレスの興行主が政治とも深く関わっていたという歴史。
自社のテレビと新聞を活用して原発政策を推進した故・正力松太郎、
福島の事故後も平然と原発を推し進めるナベツネこと渡邉恒雄会長。
この暗部が戦後の経済発展の影で不気味に蠢いていたのは事実であり、
我が国を誤った方向へと導いた元凶がそこにあったというのなら
国民を躍らせる、なんとも卑劣な手段ではなかろうか。
侍・川上哲治の訃報に触れ、そんな思いを強くした一日である。
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