帰宅して、部屋の灯りを点けるとドキッとした。
真正面の目の先に、見慣れない顔がある。
しかも色合いからして、すこぶるヴィンテージ風なのだ。
誰だ、おまえ。
何のことはない、
昨日お化粧してあげたスタッフォード嬢だった。
見違えるほどに、いい色いい身体つきになっていて
いったい誰なのかを理解できるまでに
おそらく数秒は掛かったことであろう。
立ち尽くし、暫し見とれる。
無骨ではあるが美しいその姿は、南部の小娘に似て愛らしい。
苦労をかけたが、これからはパチモンなどとは言わせないからな。
黙って俺について来い。
決め台詞を吐いてはみたものの
抽選結果は懐を温めてはくれなかった。
愛にも金が掛かるっていうのにさ。
・・寒い夜だわね。
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