昨日の湘南台で
とある若いシンガーの歌を聴きたくて会いに行った。
「若い」とは言っても
もう三十代後半のその男の名前は以前から知っていた。
けれど何故か一度も顔を合わせたことがなく
生の歌声を聴くのも、もちろん初めてだったのだ。
本人はどうとも思ってないようだが
70年代から現在に至るまで
ずっと歌い続けている僕の好きなシンガーの長男坊である。
そんな男の歌を初めて聴いた。
時代は変われど
あの当時の何かを受け継いでいるかのように思えるほど
懐かしくもあり、反面新鮮な響きを伴って
僕の耳に、心に、届いた。
言葉の呼吸感が
親父さんによく似ていたので
わけもなく嬉しくなってしまい、
歌い終えてから
「親父さんのこと、思い出しちゃったよ」
そう声を掛けると
「そう?」と、少しだけ笑っていた。
たぶん、彼にとってはどうでもいいことなんだろうな。
あの人を食ったようなぶっきらぼうさが憎めない。
また聴きたい。
僕がそんな風に思えるシンガーは少ないのだが
また聴いてみたい。
また会いに行こう。
・・実はちょっとだけ嫉妬しているのだ。
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