2015年1月6日

カット盤



他よりも安くていい物を手に入れたいという願望は
金銭的な理由と相まって二十代の頃から現在まで変わってません。
その昔、レコードのほとんどは米国盤、それもカット盤を好んで買い漁っていました。
だって安かったんですもん。それで諦めはつきます。

もしもご存じない方がいらっしゃるといけないので簡単に説明すると・・

在庫整理などで通常価格より安く卸す場合にジャケットを切って
通常商品との見分けが付きやすくしたのがカット盤と言われる物です。
日本のように再販制度の無い米国ならではのやり方でして
ジャケットの角をざっくり切った物や、パンチ穴がレーベルを貫通している物まで
様々な形状の穴やカットが容赦なくジャケットに刻まれていました。
レコードを消耗品と捉えるアメリカ人のやることは大胆不敵ですよね。

30Cmのアートと称されるジャケットが切られているなんて
ちょっと悲しい気もするんですけど、安さには代えられません。
中身は同じなんだからと自分に言い聞かせ納得してました。
過日ヤフオクで入手したこのオーリアンズも、左上の角が見事にカットされてますけど
中身良ければそれで善し、なのです。

そもそもレコード盤を神経質なくらい丁寧に扱うのは日本人くらいなものでしょうね。
やれ指紋が付かないようにとか、埃が付かないようにとか
欧米に比べて価格が高いせいもあるのかも知れませんが
音楽を楽しむより、そっちの方に神経を尖らせている人が多い(多かった)のです。

ただし、それは国内盤の性質からも起因してるのだと思います。
米国盤と比較すると、音溝が繊細でとても綺麗な盤面に仕上られていて
僅かな埃や擦り傷、指紋や汚れが付いてしまうと目立つんです。
その点、米国盤はラフな作りでして、表面もザラッとした感触ですから
埃や指紋が目立つということはほとんどありません。
おまけにカッティング・レベルが高いので音溝も太いですからね。

趣味嗜好品と捉える日本と、消耗品と捉えるアメリカと
その国民性の違いが如実に表れているのがレコード盤なのであります。
当時は高額で高級品だったという我が国の事情もあるんでしょうけどね。
それ故、今さら限定販売の高いアルバムが発売されることにムカッとするんです。

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