2015年12月31日

行く年に想ふ



日付変わって大晦日となりました。
2015年を振り返ってみると
個人的には未年の双子の女子孫が誕生したことが
なんと言っても一番のニュースです。
生まれてから六ヶ月が過ぎましたが
すでに寝返り、ハイハイなど
二人が競い合うように上達しています。
間もなく掴まり立ちも会得してしまうでしょう。
いやはや、幼子の成長の速さは驚くばかりです。

政治の世界では
戦後70年となる今年を起点として
大きな変貌を目論む輩が目立つようになったことも
或る意味象徴的な出来事でした。
来年度の防衛費予算案は5兆円、過去最高額です。
戦後がいつまで戦後であり続けられるのか
そんなことを危惧してしまうほど
キナ臭さが充満した一年でもあったわけです。
けれどもひとつの光明として
多くの若者たちが声を上げ始めるきっかけにもなりました。
それだけでも、僕は嬉しく思えて仕方ないのです。

嘘八百並べ立てて招致した東京五輪。
国民のほとんどが望んでもいないビッグイベントは
利権に群がるハイエナ共の企みの中で
その後数々の事件や問題を露呈し続けています。
甘い汁、全てが二重三重に毟り取られている我々の税金です。

そしていったい誰が必要としてるであろうリニア中央新幹線。
強力な電磁波を撒き散らしながら疾走する電車のコースは山間部、
膨大なトンネルを掘った後の残土の行き場も無いと聞けば
中国での出来事を冷ややかに見ることもできません。

公共事業に於ける甘い汁や天下り、
恩恵に授かるのは決して庶民ではないのです。
それどころか、更なる増税を持ってその資源にしようとは
恐るべき悪徳・悪政としか言いようがありません。
選挙対策の軽減税率論議も茶番です。
高級食材や高級嗜好品の税率を上げれば済むことなのに
安酒を含め、庶民が買い求める必需な品々が標的にされるだけで
これじゃあまともな暮らしを維持することなど出来やしないのです。

嗚呼・・
それでもやがて、年は明けて行くのです。
自虐的に言うならば
この「否応無し」にやって来る新年てやつが心地好くも感じるのです。
様々な出来事を羅列してみると、とんでもない一年ではありましたが
天下泰平の日本国民は新年を迎えるその瞬間に
さらりとそれらを水に流してしまえるほど温厚なのであります。
わずか一日を跨ぐだけで(過去の)恨み辛みは忘れ
新たにそこから何かを始めようと模索する
そんな国民性が素敵なのだと、僕は思えるのです。
国の形が大きく変わった明治の維新や戦後の急速な復興は
日本だからこそ成し得た奇跡なのではないでしょうか。
或る意味「能天気」な国民性ではあっても
柔軟とも言えるその姿勢は、僕は好きです。愛してます。
反面、事を間違えるとそれが如何に危険であるかも解っています。
流れに乗ってしまうと、止まらなくなる国民性でもありますから。

つまりは、流行に敏感なわけで
大きなうねりには逆らえないのです。
遠い将来を考えることが出来ない猫と同じように
或いは考えたとしてもすぐに気を紛らしたりしてしまう
日本人のその資質が僕は大好きなのです。
遠い昔に陸続きだったことを彷彿とさせる大陸性の大らかさ、
小さな島国ではありながら「両生類」の強かさを兼ね備えていることを
僕は誇りだと感じてしまうのです。



年の終わりの徒然なる回想録、
長くなってしまいましたが
どちら様も良い年をお迎えください。
お世話になった皆様方に
心から感謝致します。

鼠に先を越され
猫年の干支を失った呑気な猫も
そのように申しております。
明日からは猿の時代、
猿の惑星とならぬことを祈るばかりです。

*

0 件のコメント:

コメントを投稿