2022年4月5日

おいしゅうなれ、おいしゅうなれ

 

書かずにいられません。

初回から最終週に至る全てが神回です。

これほど丁寧に作り上げられた朝ドラがあったでしょうか。

何処を切り取っても無駄が無いどころか

伏線としてあちこちに散りばめられたピースを

順々に繋ぎ合わせて回収してゆく藤本マジックは

こう来たかあ!と唸らせてしまうほど

精密で巧みな脚本に仕上げられています。

たとえば生きるか死ぬかの瀬戸際であっても

決して重くならず、どろどろした感触を抱かせないのも

藤本作品の特筆すべき点ではなかったでしょうか。

これはある意味、三谷幸喜さんの作風にも似ています。


そして毎回感心するのが現場の熱量。

役者さんの技量やセンス、カメラワークはもとより

先の展望を予感させる小物類をチラつかせるショットなど

どれも上手すぎて、数え上げたらキリがありません。

キャスティングも見事な人選だったと思います。

ここにも全く無駄が感じられず、ちょい役の登場人物に至るまで

ストーリーの核として成り立たせる手法はまさに神業です。

画面の中で、全員が意味を持ってそこに映し出されているわけで

もはやこれは朝ドラの範疇では語れないほどの名作と言えるでしょう。

三部作の途中から出演している深津絵里さんは素敵でした。

ただ一人オーディションではなくオファーだったそうですが

おそらく藤本有紀さんの意向なのでしょう。

彼女の存在が、中盤から現在に至るまでの軸となっています。

川栄李奈さんがのびのびと演技できるのも

母親としての彼女あってのことだと思います。


総じて、この作品のキャスティングは実に素晴らしい!

バイプレーヤーの全てが物語のツボに嵌まってます。

そう、誰しもが物語のピースとなって

家族の百年の営みを壮大に表現してくれたのです。

本当に、名作だと思います。

あと三話で終わってしまうのはとても残念ですが

半年間、いいものを見せて頂いたことに感謝します。

朝ドラ好きの私にとって、忘れられない作品となりました。

ありがとう、藤本さん。

ありがとう、全ての役者さん。

ありがとう、現場のスタッフ。

ありがとう、NHK大阪局。


ちなみに・・

豆腐屋のスーパーきぬちゃん、どうしてるかなあ。




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