2017年4月15日

業を煮やして



地元のハ―ドオフ、時間があるときは定点観測的に足を運んで掘り出し物を探します。1ヶ月ほど前から気になっていたのは往年のプリメインアンプSONY TA-F5、かなり綺麗な状態で価格も相場より安い¥10800だというのに、一向に売れる気配が無いのです。なので今日、業を煮やして?陳列棚からレジに持って行きました。
「これ、戴きます」気の良さそうなスタッフ(たぶん店長)がお相手してくれたので、毎回のお約束として「少しだけお安くなりませんか?」低姿勢でお願いすると、即答で「気持ちだけ・・」と言いながら2000円も引いてくれたのです。「それじゃ税金分だけ・・」と言われるのがオチだと思っていたのに、感激の税込¥8640!!これは嬉しい誤算でした。


帰宅して改めてチェックしましたけど、前面・天板・底板、果てはリアパネルの端子類までピッカピカで、中の基板やパ―ツ類も非常に綺麗です。やったあ―!!フォノアンプに重点を置いている時代の製品ですから、アナログ盤の音も申し分ありません。しかもボリュ―ムはクリック・ストップの4連という、これまた指先の懐かしい感触がたまらぬ逸品です。クリアだけど繊細な中高域と、分厚いんだけど明確な低域、音の纏め方も素晴らしいですね。


実はこのアンプ、パルス電源という近年のDCアンプの草分け的な存在で、当時としては革新的な技術だったのですよ。天板を外すとこんな具合で、見慣れた大型のトランスやコンデンサ―は一切無く、代わりにシ―ルドされた電源部が鎮座しているのです。このせいなのかどうかは定かじゃありませんが、聴感上の歪感が少なくてS/N比も良さそうな気がします。いい買い物でした。店長さん、ありがとう!

TA-F5参考文献 http://knisi2001.web.fc2.com/ta-f5.html


いい買い物といえば、アンプを車に積んでから再度お店に戻りアナログ盤の餌箱を漁ってみると・・加川良の「親愛なるQに捧ぐ」URCオリジナル盤の見開きダブルジャケットが¥500で売られてました。いつもは百円の盤しか買わない僕も、安いんで思わず買ってしまいました。オ―プンリ―ルがデザインされた内袋も、勿論ちゃんと入ってましたから、これまた超・買い得!と言えるでしょうね。けれど二匹目のドジョウ狙いの「アウト・オブ・マインド」は有りませんでした。ま、いっか。


2017年4月10日

フィ―ルド・オブ・ドリ―ムス



アマゾン・ビデオのプライム見放題のリストの中に
「フィ―ルド・オブ・ドリ―ムス」が有ったので
懐かしくなりつい見入ってしまった。
ちょっと冷えてきた深夜、心も体もほんのりと温まる。
トウモロコシ畑の向こう側、
見える者には見えるなら、僕も見てみたい。

思えば、僕と親父の関係も疎遠だった。
65年も生きてきた僕の人生の中で
彼と接したり語らったり、何かを共有したことなんて
ただの一度も無かったのだから。
悔やむわけじゃないけれど、そんなことを想い浮かべる夜。


2017年4月9日

もう50年ほど前の話




僕のステ―ジデビュ―は中二の頃のエレキバンドで
御多分に漏れずベンチャ―ズのコピ―から始まり、
やがてインストバンドが廃れてくると
GSの物真似へと移行して行ったのだった。

物真似、というのは
当時のGSがカバ―していた海外の曲を
彼らのフィルタ―を通して(二次的に)知ることとなり
原曲を聴かずして、それをまたコピ―していたことが滑稽に思い
敢えて自虐的にそう表現してみた次第。

その後、高一の文化祭でアコギに持ち替え
ジャックスの「からっぽの世界」を歌ったのが
(いわゆる)ソロ・デビュ―というものであろうか。
https://www.youtube.com/watch?v=dauJ6xN7TWU

そして1年後に
初めてのオリジナル曲「小春日和」を
ライトミュ―ジック・コンテスト(後のポプコン)のステ―ジで
田舎の高校生は歌うこととなったのだ。

もう50年ほど前の話。


2017年4月7日

ラグビ―ナンバ―



神奈川県自動車会議所と軽自動車検査協会神奈川事務所の外観。
赤レンガを模した建屋のデザインはまあまあだが
名称が古めかしいところがお役所的であり
旧体然とした我が国の自動車行政を感じずにはいられない。

左側の自動車会議所はナンバ―交付や軽自動車税の納付窓口で
右側の検査協会は軽自動車の車検場なのである。
これらをひとつに集約できそうなものだけれど
敢えて別の組織として運営するあたりに「旨味」があるのだろうね。
ちなみに自動車会議所は社団法人、
自動車検査協会は特別民間法人、だそうである。

こんな場所へ何をしに来たのかというと
ネットで申し込みをした図柄ナンバ―を受け取るため。
https://www.graphic-number.jp/html/GKAA0101.html

ラグビ―ワ―ルドカップの日本開催を記念した
別名「ラグビ―ナンバ―」という代物。
黄色い軽ナンバ―も白ナンバ―で発行されるというので
物珍しさから、ついつい・・

7080円の交付手数料は痛かったけれど
僕のワゴンRは、この日から白ナンバ―となったのである。

*

2017年4月5日

溜息



午後、加川良が亡くなったらしいことをネットの書き込みで見かける。
そして夕刻、それが事実であることを知った。
なんだかねえ、呆気ないもんだねえ。
・・と、溜息をついた夜。
合掌。


2017年4月3日



春・・だからというわけでもなく
Blogの模様替えをしてみました。
なんとなく、ね。

僕の実家である帯広の家に
長男一家と(ヘルパ―を兼ねた)長女が遊びに行き
存分に食べて遊んで、今夜無事に帰って来ました。
写真を見る限り、大正10年生まれで今年の冬には96歳になる母が
2年前に会った時よりもかなり老いていたことが
当たり前の事とはいえ、辛いです。
僕は親不孝なことばかりしてましたから。

話題変えます、すぱっと。

ハ―ドオフで百円で買って来たLP盤、
シンガ―ズ・アンリミテッドを聴きながら思いました。
日本コロムビアがプレスした国内盤なんですけど
刺激的な音が無くて心地好いんです。
自分でも不思議なくらい。

実は若い頃、コロムビアとポリド―ルのカッティングだけは
どうしても受け入れられなかった。
無味乾燥したコロムビアの上品すぎる綺麗な音と、
やや籠り気味で輪郭がぼやけるポリド―ルの伝統的な音。
音圧も不足したこれらの音質は大嫌いだったんです。当時は。

ついでに言うと、東芝もだめ。
たぶん、VUメ―タ―が振り切ることを恐れるような
旧い土壌で育ったエンジニアのせいだと思います。
初期イ―グルスとか、東芝時代のアイランド・レ―ベルの音質も
ワ―ナ―・パイオニアに移ってからの方が鮮明です。
アトランティック・レ―ベルだって、ポリド―ル時代よりも
ワ―ナ―・パイオニアの音の方が僕は好きです。
(個人的な見解ではありますが)

けど今はそれが、むしろ心地好く感じられるなんて
ほんとにびっくりしちゃうくらいの「己の変化」です。

分厚く、張り出しが良く
そして輪郭がはっきりした音。
この好みは今も変わっちゃいない筈なんですけど
何故か何でも受け入れられてしまう。

・・歳のせい?


*

2017年3月31日

聖マリアンナ病院にて


すっかりご無沙汰してしまいましたが
秋には65歳を迎えるかずら元年、元気に過ごしております。

先日、友人のFBでのコメント欄に於きまして
昔々、聖マリアンナ病院という歌を作ったよと書き記したことから
ふと懐かしくなってその音源を発掘致しました。
それは2005年の復活ライブに至る前の90年代の作品でありまして
引き籠り気味に自宅で8Chのマルチ・レコ―ディングしていた頃の物です。

現在の歌いっぷりと比べるなら
実に素直で、青くポップな感覚に溢れた曲調なのでして
人様にお聴かせするのが、ちょいと照れ臭い気もしますけれど
いやいや、これとてかずら元年の秘めたる一面なのだと開き直り
此処にお披露目させて頂きます。
打ち込みに勤しんだ、こんな時代もあったのです(苦笑)

時は平成、1997年の秋。リンパ腺の手術とやらで
生まれて初めて体験した病院での暮らしを歌にしたものであります。

「聖マリアンナ病院にて」
http://kazura-sound.seesaa.net/image/maria64k.mp3

夜明けと共に目を覚まして
東の空染めてく太陽に祈る
今日も一日何事もなく終わりますように
聖マリアンナ病院にて
朝焼けの眩しい窓辺に立ち
麗しき微笑を讃えしは母なるマリアンナ

ここでの暮らしにも慣れて世間話で暇潰す
訳もなく相槌打てば退屈な時間さえも苦にならない
聖マリアンナ病院にて
秋晴れの青い空を見上げ
色付いた森の中で穏やかな午後を祝うマリアンナ

無精髭伸ばし
やるせないような気だるさに
眠れぬ夜は宙を睨んで
狂おしいほどに暗い沈黙

聖マリアンナ病院にて
新しい朝を迎えるならこの身を捧げましょう
神の手に抱かれマリアンナ

どれくらいの間寝てたのか
橙色の陽は傾き
目に映る何もかもが黄昏の中で肩を寄せ合う
聖マリアンナ病院にて
夕映えの空を渡る鳥
目の前の世界中が安らぎの時を刻む
マリアンナ

*