ひとり、またひとりと、天に召されて行く。
WEBニュースで訃報を目にする度、
またか・・と思いつつ、いつもの日常に戻ってしまう。
否応なしに。
情報は日に何度も何度も更新され
その度に、また何処かで誰かが亡くなっている。
何事にも留まってはいられないほどのスピードで
慌ただしく、一日が過ぎて行く儚さ。
つい、無口になってしまう。
わははと大笑いしながら、気心知れた連中と
酒を呑み交わす日は戻って来るのだろうか。
ふと、旧いギターケースを開けてみた。
ポリッシュとオレンジオイルで丹念に磨き上げ
弦を張り替えると、あの日あの時の思い出が蘇る。
そんな魔法が、唯一今の私を癒してくれる。
ハードケースのバックルをカシャリと外す音が
大切なものを封印してくれていたかのように聞こえるのは
先を急ぎすぎた私の、後ろめたさなのかもしれない。
そう思ってはみても
今日というやつは、生真面目に時を刻むものだから
間もなく日付が変わり、明日というやつがやって来るのだ。
これもまた、否応なしに。