2014年3月24日

鳥を喰らう



一年ぶりに訪れた聖マリアンナ病院、
スタッフの顔ぶれも変わっていて少々困惑。
おまけに連休明けの月曜で外来が混んでいたせいで
10時に予約の受付を済ませたというのに
検査と診察が終わって外へ出たのは15時を過ぎていました。
待ち時間の長かったことと言ったら・・
けれども僕は何事も「待てる」人間なので
イラつくこともなく淡々と時を過ごしていたのでありました。
相変わらずお行儀の良いことで。

病院から駅へと続く路は桜並木なのでして
例年だと今頃は蕾が膨らみ始めている頃合なんでしょうけど
気温の低い今年は未だその兆しがありませんでした。
此処へ来るのがもう1週間遅けりゃなあ・・
春の訪れを告げる満開の桜、間もなくですね。

一度帰宅して家の掃除を終えてから
ずっと気になっていたあの店を覗いてみました。
行きたい行きたいと思いつつ、引越し荷物の片付けやら
設備担当としての業務やらに終われ、なかなか行く機会がなかったのです。


鳥正、この町でたった1軒の呑み処。
マスウェル・ヒルの閑静な町並みには不似合いな佇まいであります。
しかも駅の真ん前、夕方になるとお惣菜を買いに来た客の高級車が
ハザードを点けて何台も店の前に停まっています。
その光景を見ているだけでも、なんだか楽しくなるのです。

立ち飲みの入口は裏口のような店の脇。
中は思ったより広くて、他に客が一人しか居なかったこともあり
ちょっと落ち着かない僕は焼酎を一杯と串を3本頂いて
そそくさと金を払い早々に退散してしまいました。
案外と小心者なんですよ、実は(笑)

それと、僕が入る直前に入って行ったオヤジが
いい店だあ、旨い、云々と
店の人間に矢継ぎ早に話し掛けてる内容が鬱陶しくて
会話に交わりたくなかったこともあります。

うるせえなあオヤジ、男は黙って飲まんかい!

鳥正、緑園都市駅前店。
僕の家から徒歩3分てぇのが癖になりそうな予感。
休日の夕方はここだな。

*

2014年3月23日

ビクターを欲する年頃、なのか?



やはり、スピーカーを新調しようかと思います。
25Cmウーハーとドームツイーターの2Wayで構成された
アナログ時代に一世を風靡したビクターのSX-3にしようかと。
当時は爆発的に売れたせいで、オークションの玉数も多く
おまけに価格が安いところも魅力です。
引越し前に不要な物を処分してきたおかげで
僕のガサツだった部屋にも少しだけ余裕ができたので
これくらいのサイズなら無理なく置けそうなものですから。
(例の)「老人性可聴高域減衰症対策です」笑

このモデルの音はよく知っています。
ナローレンジで嫌な音は一切出さず、とても艶やかに鳴ってくれるんです。
同世代であるYAMAHA NS-1000Mの硬質な音とは異なり、
最盛期のビクター製品らしい、柔らかで優しい耳当たりが特徴です。
アナログ盤を再生するには、とても適した音質ですし
中低域が太いのでアンプ側で高域を持ち上げても嫌味じゃないでしょう。

それに・・
これはその昔、御大が愛用していたモデルでもあるのです。


ナイアガラ・ムーン、オリジナル盤の裏ジャケにそれは写っています。
ちょっと嬉しいじゃないですか。
鼻を利かせて、安くて程度の良い物を探してみます。
目標、送料込みで諭吉1枚!
消費税が上がる前に頑張って手に入れる所存です。

若い頃は粋がって
やれJBLだ、ALTECだ、タンノイだ、などと息巻き
国産、しかもビクターなんてダサーイ!と思っていた自分、如何なる変化なのでしょうか。
これも高齢化のせい?(汗)

さて、明日は5年前に手術した眼球のチェックで聖マリまで。
予約はしてあるものの春先のこの時期ですから
外来は相当混んでいるんでしょうね。
朝から夕方までの長丁場、覚悟して出掛けます。

*

2014年3月22日

空中バレー



ぽつん、と言えば
これに勝るものはないですね。
ニルソンの「空中バレー」

けど、針を降ろしてから
しまった!と、思ってしまいました。
「リトル・カウボーイ」
まるで大瀧さんが歌っているかのようで。

ま、しゃあないわな。

それにしても
この時代のRCA盤の音はいいですね。
声も弦も、とっても艶やか。
ニルソンの曲調にもよく合ってます。

そうこうしてるうちに
ぽつん、の代表曲「ワン」が始まりました。
波打つようなファルセットがたまりません。

タップで始まり、タップで終わる
僕の大切な一枚です。


はて?やはり耳の老齢化なんでしょうか。
高域が物足りなく聴こえて仕方ありません。
往年のアルテックやコーラルのように
スコーンと抜ける音のスピーカーが欲しくなりました。
スクラッチノイズが「プチッ」ではなく
威勢よく「パチッ!」と鳴ってくれる爽快感、
わかるかなあ。

同軸2Wayのフルレンジ、安くて良い物を探してますが
ヤフオクを覗くとジャンクに近い状態でもかなりの高値でした。
根気よく探してみましょ。

*

2014年3月21日

ぽつんと



今夜は何を思ったか、リトルフィート三昧です。
しかもCD。
アナログ盤を掛ける気力がありませんでした。

御大のお別れ会があった日ですから
ナイアガラムーンを聴くのが自然なのかも知れませんけど
僕は昨年のあの日以来、彼のアルバムは一度も掛けていません。
懐かしんだり、偲んだりするような
そんな心の整理はまだ当分先になるでしょう。

旧友岸本哲、布谷さん、そして大瀧さんが
続けざまに世を去ったことは
同世代である僕に、今でも重く圧し掛かっています。

お別れ会の画像に、
はっぴいえんど時代に愛用したリッケンバッカーが写ってました。
ぽつんと。
福生のスタジオを訪ねたときも
伽藍としたそこにあれは置かれてました。
ぽつんと。

時代の波間に垣間見えるものは
いつもひっそりと佇んでいるかのようです。


今日、僕が住む家の近くで
とても綺麗な空を見ました。
思わず車を降り、車道に立つと
空いろのクレヨンが欲しくなりました。

僕はこの空の下に
ぽつんと佇んでいたのです。

*

2014年3月20日

カントリー・カサノヴァ



夜になってから気付きました。
なんと、世の中は明日から三連休とな!
明日から三連(勤)の僕としては、ちょっぴり妬んでます。

悔しいんで今夜はコマンダー・コディを掛けてみました。
「カントリー・カサノヴァ」実に楽しいアルバムです。
あれよあれよとレコード針はセンターへと駆け抜けて行き
あっちゅーまに両面とも終わってしまうのでありまして
もっと聴きたいぞー!と、毎回思ってしまう大好きな1枚なのです。
この(ありがちな)アメリカ的ダッサいジャケットがまた素晴らしいじゃありませんか。

これを初めて聴いたのは二十歳の頃、かな?
所用で田舎に戻ったとき、サウンド・コーナーの店内に流れていて
知魅さんに「これ、いかすだろ」と言われたのが最初の出会いでした。
その当時はカントリー・ミュージックをさほど聴いてなかったものですから
「ふ~ん」と、僕は軽く流してしまいましたが
その後10年以上が経過してから、無性に聴きたくなって購入した経緯があります。

でもね、その昔に知魅さんの所で耳にした時の音にはならなかったんです。
そこがアナログの摩訶不思議なところかも知れませんけど、
その場の空気感みたいなものがイメージとして強く残っているせいか
記憶とは全く違う音色がスピーカーから出て来たんです。
「もっと柔らかで艶っぽい音だったよなあ・・」
ビクターのプレスはビクターのオーディオじゃなければ合わないんじゃないかと
真剣にそう思ったくらいです。
と言うのも、彼の店にはビクターのコンポが置いてあったからなんですが
今思えば真空管が増幅する温かな音のせいもあったんでしょうね。
アンプを替えてもモニターを替えても、未だに当時の新鮮さが蘇ることはありません。

こんなことを思い出してしまうのも、アナログ盤ならではのことです。
音溝に刻まれているのは音だけじゃなく遠い昔の記憶。
それが何故なのかは、わからないままなんですけどね。


新居の設備担当として、今日もいい仕事をしました。
物干し竿に洗濯物を楽に掛けられるようカミさんから要望があったので
アイリス・オーヤマに90Cm幅のベンチを2本注文して
180Cmの縁台として使えるように組み立てたんです。
元がベンチですから、ここに腰掛けて空を見上げるのもまた良し。
実際に乗ったり座ったりしてみましたが、とてもいい按配でした。
またしても大好評!設備担当は鼻高々!!(笑)

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2014年3月19日

サン・アンセルモの雪



この町に引っ越してから3週間が過ぎましたが
いつも仕事場へ向う途中、住宅街の一角に在るお家が気になってたんです。
今日になってその正体がようやくわかりました(遅!)

てっきり住宅だとばかり思っていたその家は
パティスリー・ラ・ベルデュールの姉妹店として7年ほど前に出来た
ル・ジャルダン・デュ・ヴェールというパンとケーキの有名店だったのです。
この佇まい、どう見ても普通の家ですよね。看板らしき物もありません。
2階が喫茶になってるようなので、お天気のいい日に散歩がてら覗いてみようかと思ってます。
実はボク、酒飲みなのに甘い物も行ける質でして・・
言ってみりゃあ昼は甘党、夜は辛党、みたいな(笑)
真夏の炎天下で飲むビールは別として、どうも昼間の酒は苦手なのです。
せめて夕暮れ時くらいにならないと酒を楽しむ気分にはなれません。
昼のスイッチ、夜のスイッチ、切り替えは肝心ですもんね!

それにしても、なんと洒落た町に越して来たものでしょう。
知らなかったんですが、駅から長い遊歩道がこの店の先辺りまで繋がっているそうです。
一度歩いて探索してみなきゃなりませんね、春の楽しみができました。


今夜は久しぶりにヴァン・モリソンを引っ張り出してみました。
「苦闘のハイウエイ」ホーチミンを描いたと言われるジャケットも秀逸で
A面1曲目の「サン・アンセルモの雪」は何度聴いてもぞくぞくするほど好きなアルバムです。
ふと黄ばんだライナーを出してみると(師匠)小倉エージ氏が書いておりました。
アナログ全盛の、良き時代でしたなあ・・

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2014年3月18日

人間は幾つになっても興奮すべし!



なあんかヤワな印象が強すぎるんで
舌の根も乾かないうちにヘッドシェルをオーディオ・テクニカに替えてしまいました。
やはり肉厚のあるシェルに、がっちりと固定されてると安心感があります。
このタイプはカートリッジの鳴き防止と低域を締める効果がありますから
たぶん音量を上げればその変化は一目瞭然!の筈ですが
なにぶん深夜のBGMでありますから、今は違いがよくわかりませんけどね(笑)
嗚呼・・それにしても
カモメが描かれてない現行機の顔は何てのっぺらぼうなんでしょ。

初めて手にしたM44G現行モデル、ボディ形状に少々の変更があるようで
今までのセッティングだとお腹を擦ってしまうほど低くなってます。
(若干反りがある盤だと実際に擦ってました)
やむなくアームの高さを調整することにしました。


アームベースのビスを緩め、5mmほど持ち上げ再度ロック。
盤面との平衡感は多少崩れてしまいましたが仕方ありません。

シェルの交換とアーム調整、気になり始めたらすぐやらないと気が済まないので
1時間ほど何度も何度も繰り返し微調整してたもんで
さほど力も要らない作業なのに、ほんのり汗ばんでしまいました。
たぶん、ひとつの「興奮」
人間、これが無ければ駄目だと思ってます。
滴り落ちる汗に美学はあるのだ!昔からずっとそう思ってました。
いつまでもギラギラしてないとね。
(年齢的に脂汗と同化してしまうのが悔しいですが・・)

それにしてもアナログって、自分でなんとか出来ちゃうところが素晴らしい。
目で見て解り、どこをどうすれば良いのか考えられる。
得体の知れない数値だらけのデジタルとはそこが違います。
立ったり座ったり、盤面をひっくり返したりするのが面倒だと言わないで
血の通った音楽は手間隙かけて楽しみましょうぞ!


今宵のラインナップ。
ランディ・ニューマンから始まり、レナード・コーエン、ジョージ・ムラーツと続きます。
トリオ・レコードからリリースされていたジョージ・ムラーツとローランド・ハナのアルバムは
地味ながら大好きなのでして、今でもたまに聴いています。
僕の中ではジャズの名盤!スクラッチ・ノイズがあるのが惜しいんですけどね。

そろそろ鴨志田のタチバナ・レコードへ仕入れに行かなくちゃ。

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