2014年5月28日

カチマイ事件、その後



予想していた通り、
新聞を見たおふくろから早朝に電話がありました。
なんたって実名で載っていたわけですから
昨日の夜に従兄弟からも実家に電話が掛かって来たそうな。
たぶん親戚一堂、皆さんびっくりしているんでしょうね。
カチマイ事件です。
(注:十勝毎日新聞の略。地元ではカチマイと呼ばれている)

おふくろは大正10年生まれ、今年で93歳になります。
この写真は親父の三回忌で帰省した3年前の物で
目や耳、足腰はずいぶん衰えてしまいましたけど
頭もしっかりしていて、僕の姉と二人で元気に暮らしているようです。
今でも電話の受け答えがとても明確なのが凄いことだと思います。

今朝の電話でこう言われました。
「まだまだ知らないことがあるんだねえ・・」と。

家を出てからの数年間の出来事を
おふくろには全く話してなかったことに気付かされました。
たぶん新聞に書かれていたことのどれもが
40年以上経過した今になって初めて知る結果となったのでしょう。
なんだか申し訳ない気持ちにはなりましたけど、
親子の関係に於いては今も昔もこんなものなんだと思います。
僕だって、自分の子供たちが見聞きしたことの多くは知らないのですから。

すいぶんと時間が経過してしまいましたが
こうして記憶の空白を埋めることが出来たことは良かったと思います。
思えば、今こうして再び歌っていることでさえ
おふくろにはきちんと話してなかったのですから
間接的にでも過去の一時期と現在の姿を伝えられたのは
ある意味、親孝行であったのかも知れません。

故郷の新聞に実名で載せられることには
その反響や影響を思うと当初は抵抗もありました。
けれど、当時の僕を知っている人々やお世話になった方々へ
今も元気にやっていることを伝えたいという願望が勝ってしまったのです。
帰って田舎で暮らしたい、そこまで考えることは無いにしても
少しずつではありますが、故郷の方を向く機会が増えて来たような気がします。

これをきっかけにして、
消息を絶った旧い友人や知人と再会できれば素敵ですよね。
皆、どんなふうに歳を取ったのか。
そんな期待を寄せるのも、実は自分が高齢社会の入口に立っているからなのでしょう。
一体どんな展開が待ち受けているのか、ちょっとワクワクしています。

退院後の体調にもよりますけど
秋口頃、帯広の町の何処かで歌えたらなと思っています。
もしもその時期にイベントを計画されている方が居ましたらお知らせください。
けれど決して「凱旋」などといった仰々しいものではありません。
単純に其処で歌いたい、それだけですからね。

今朝のおふくろ、何を思ったのか面白い言い方をしてました。
「事件や事故じゃないんだから、胸張って堂々としてなさい」
はて?どのような意味が込められているのでしょう。
確かに、犯罪者としてではなかったのは幸いですが・・(笑)

*

2014年5月27日

まだ先はあるのです


今日、5月27日付けの十勝毎日新聞に
僕の紹介記事が掲載されました。

故郷の地方紙ですが、
或る日東京支社の方から取材申込みがあり
迷った挙句お受けして
5時間ほど飲みながら、取りとめもなく語り合った顛末です。

取材する方もされる方も、長い時間飲んでいたので
酔いがまわった後半はぐっちゃぐちゃでしたけど
さすがプロの仕事ですね、要点を押さえて上手く纏めてあります。

ただ・・

この二段抜きの枠の中に、僕の人生が要約されているようで
なんと小っぽけでつまらぬものかと思ってしまいました。

なので、
この先のことがぎっしりと書き加えられるように
生きてみようかと思います。

かずら元年、ブイブイと
まだまだ行くのだ。


これを見た田舎のおふくろ、
びっくりして朝っぱらから電話して来るんだろうなあ。
なんたって、地元ではほとんどの家庭で読まれてる新聞ですからね。

実名報道の是非を問う!

・・うそうそ、僕が許可したのです。
もう逃げ隠れしません(笑)

*

2014年5月22日

Fishin’



昨晩から、こればかり聴いております。
肩の力が抜けたこのユルさが、実にいいのです。

Gotta put on my travelin' shoes

一緒に口ずさみながら
体が小刻みに揺れてます。

キャプリコーン・スタジオって、独特のサウンドですね。
マーシャル・タッカーあたりも聴きたくなりました。

色褪せて文字も薄れたライナーをよく見ると
増渕さんが書いていました。

ところで・・
人間、悟りを開くと
釣りに興じるものなのでしょうか。

だとしたなら
僕はまだまだです。

*

2014年5月21日

百円は素敵だ!



雨が午後から小降りになったので
散歩がてら駅前の郵便局で用を足し
そのまま徒歩でパティスリー・ラ・ベルデュールまで行ってみました。
ぽつんと住宅街に佇むその店は、評判通りとてもいい雰囲気で
長女のために小さなバースデーケーキを買ってみましたが
お値段も手頃で(というか、むしろ安いかも)美味しい物が手に入りました。
ご近所に、これまた良きお店発見です。


そんなわけで(一日遅れの)はっぴいばあすでい。
ローソクは下一桁の数字です(笑)

ちなみに、先日ポンタを連れて行ったパン屋さんは姉妹店で
ル・ジャルダン・デュ・ヴェールというお店なんですが
覚え難くていつも名前を忘れてしまいます。
居酒屋と違ってお洒落な名前は難しい!(汗)

いったん家に戻り、ちょっとひと休みしてから
餌箱を漁りに日が暮れてから再び徒歩でハードオフへと向いました。
今度は片道20分、爺さん元気な足取りです。

日頃の運動不足解消のために黙々と歩く姿を
神様はしっかりと見てくれているんですね。
ご褒美に思いの他たくさんの品々を用意してくれておりました。
今日の百円コーナー、過去最高の大漁です。


まず目に飛び込んで来たのがエルヴィン・ビショップの「レット・イット・フロー」
数枚パタパタしてるとロリー・ギャラガーとオーリンズが続けざまに出て来ました。
うひゃあ!これだけでも良い買い物であります。
無造作に床に置かれた餌箱をさらに探索して行くと・・


ジェリー・ジェフ・ウォーカーとデイヴ・メイスンのCBS盤発掘。
ジャケットに謎の落書きはあるものの、百円なら持ち帰るべきでしょうな。
床に並んだ(特設)餌箱は全部で5個、さてさて3個目は・・


おお!ジョニー・キャッシュのベスト盤ではありませぬか。
これも百円で良いのですか!?ありがたく頂戴致します。
カントリー・ジェントルメンは、いわゆる「ジャケ買い」ですな。
僕の好きな物、こんなに並べられたら否応なしですもん。
カントリー繋がりでジョン・フォガティも2枚買ってしまいました。


ついでと言っちゃあ何ですけど、
今までCCRを軽んじてきたことを反省してるものですから。

と・・本日は〆て9枚、税込み価格972円也。
実は他にも一度手に取ってから餌箱へ戻した物が数枚。
それと、三百円だからという理由だけでパスした物も数枚。
実は、その残してきた物たちのことを気に掛けてます。
連れて帰って来るべきだったかなあ・・と。

何を残してきたかは敢えて言いません。
ジジイ!なんでそれ買って来なかったんじゃい!!
そう罵られそうなので。

次に行ったとき、まだ残っていたなら引き取ってきます。

それにしても、この価格にすっかり慣れてしまったので
(普通の)中古レコード店じゃ絶対に買い物できませんよね。
タチバナレコードさん、ご無沙汰してしまってすみません。

*

2014年5月20日

さらさらと夜を浸す



雨が降り出したので
アナログ盤を聴きたくなりました。
春の雨音はスクラッチノイズに似てて
なんだか心を穏やかにしてくれます。
冬の尖った音とは違い
さらさらと夜を浸して行くようです。

先日ハードオフで見つけたキャロル・キングを掛けてますが
やはり70年代の厚みのあるディスクはいいですね。
やや篭った音と、ピークで高域が少しだけ歪む感じが好きです。
現代のデジタル音源に歪み成分は許されないでしょうけど
アナログにとってはそれが色艶にも繋がるから不思議です。
歪みと艶は紙一重、なのでしょうね。

湿った空気にアナログの音
心地好い夜です。

*

2014年5月19日

ジロウです


スポーツで言うならメディカル・チェック、
入院前のそんな検査を一通り受けて参りました。
観念したとは言え、恐怖の手術が現実のものとなるわけで
未知なる世界に足を踏み入れてしまったことが悔やまれます。

僕の病名は「痔ろう」というやつで(ジロウという友人も居ます)
肛門三大疾患と呼ばれてまして
ちょっとだけ解説させて頂くと・・


肛門直腸周囲膿瘍という右下の状態でして
肛門小窩から菌が進入して化膿を起こし、
それが破れて管が出来た先に膿が溜まるんだそうです。
この膿が溜まると腫れて痛くなるんですが
皮膚を切って膿を出してしまえば普段は何ともありません。
ただ、一年の間にこれを二度も患ってしまうと
「今度は綺麗に治しましょうねぇ~」という医者の囁きを
黙って受け入れるしかなくなってしまったのです。

で、その手術なんですが
穴の開いた箇所と管、そして膿の溜まり場である袋、
それらをぜーんぶ取り除いてしまうそうでして
初めて聞いたときには泡を吹いて倒れそうになりましたわ。
いくら軽~い口調で言われても、
いったいどんなことするんじゃい!!と、恐怖に慄きました。

今日のエコー検査の結果、僕の管はかなり太いらしいのです。
画像を見てもデッカイ穴が開いているのが解りました。
恐る恐る医者に「太い方が手術は大変なんですよね?」そう尋ねると
あったりめえだろー!みたいな視線を投げ掛けながらも温和な口調で
「ええ、そうとも言えますね」とのこと。

・・返す言葉がありませんでした。

ケツを切られる屈辱と
術後の痛みと苦痛がどれほどのものなのか
好奇心の塊である僕はそれを体験して参ります。
6月2日入院、翌3日が手術、入院期間は十日ほど。
今の内に思う存分飲んで喰って
こぴっと治療して来る所存なり・・

痛々しい図解の後のお口直しに
三ヶ月ぶりに対面したポンタの姿をご覧に入れましょう。


病院へ向う僕と入れ替わりにやって来たポンタ、実は初来緑でありまして
転居後の我が家を訪れたのは今日が初めてなのでした。
病院から帰宅して、遊歩道を一緒に歩き
そうだ、旨いパンとケーキを買いに行こう!と目論んだのですが
無慈悲に門は閉ざされ、お店は定休日でしたとさ。
パンが大好きなポンタに顔向けできない爺さんは
こ、これが人生というものだよ。わっはっはっは。
と、力なく笑って家に帰って行ったのでした。

こやつ、ちょっと見ない間に
足が伸びて(人間の)言葉を発するようになっておりました。
僕が説教される日は近いのかも知れません。

*

2014年5月18日

嫉妬


昨日の湘南台で
とある若いシンガーの歌を聴きたくて会いに行った。

「若い」とは言っても
もう三十代後半のその男の名前は以前から知っていた。

けれど何故か一度も顔を合わせたことがなく
生の歌声を聴くのも、もちろん初めてだったのだ。

本人はどうとも思ってないようだが
70年代から現在に至るまで
ずっと歌い続けている僕の好きなシンガーの長男坊である。

そんな男の歌を初めて聴いた。
時代は変われど
あの当時の何かを受け継いでいるかのように思えるほど
懐かしくもあり、反面新鮮な響きを伴って
僕の耳に、心に、届いた。

言葉の呼吸感が
親父さんによく似ていたので
わけもなく嬉しくなってしまい、
歌い終えてから
「親父さんのこと、思い出しちゃったよ」
そう声を掛けると
「そう?」と、少しだけ笑っていた。
たぶん、彼にとってはどうでもいいことなんだろうな。
あの人を食ったようなぶっきらぼうさが憎めない。

また聴きたい。
僕がそんな風に思えるシンガーは少ないのだが

また聴いてみたい。
また会いに行こう。

・・実はちょっとだけ嫉妬しているのだ。

*