2014年6月23日

おあずけ



何事も計画通りには行かないものです。
それが悪巧みともなると、余計にそうなのかも知れませんね。

退院後二度目の診察。
術後からはセーフティゾーンの三週間を経過した今日でしたから
経過良好であったこともあり、てっきり全てが許されるものだと思っていたのです。

今夜のBlogは、およそ一ヶ月ぶりに飲む缶ビールの味を書き記す。
朝からそう決めていたのは皮算用に終わり
診察した医者からは「もう少し辛抱なさい」と、意外な言葉を掛けられた次第。
(朝、冷蔵庫を開けてみるとカミさんがビールを冷やしていてくれたというのに・・です。)

それどころか、患部に少々の不具合が露見して
処置室に移された僕はズシンと重い痛みを抱えたまま帰宅することになってしまいました。
そう、ヒリヒリとかチクチクとかではなくて
ケツに不快感を覚えるほどの、何とも表現し難い鈍痛です。
これはちょっとキツかった。
まな板の上で体が硬直して血圧が上がるのが自分でもわかったくらいでしたからね。

予定していた明後日からの社会復帰に黄色信号です。
明日の様子を見ながら決めることにしましょう。
痛みや出血があるようなら車もNGなので。

ああ・・イメージだけが先走り、
晩酌を楽しみにしていた脳味噌をリセットするのはとても困難なことでありまして
ひたすら喉が「ビールを流し込め」と、無情にも僕に訴えかけています。

また今夜も、水でごめんね。


欲望を掻き消すために何かしなくちゃ。
食後、以前から気になっていたヘッドシェルとトーンアームの関係を考察。
ジョイント部がしっくり行ってなかったので重量級のオーディオクラフト製に替えてみました。

これ、コネクト部分のロックピンが上下に2本あるゴツイ構造で
アームに隙間無くがっちり結合するように作られているんです。
(通常の)上部に1本だけピンがあるタイプだと
締め付けた際にヘッドシェルが微妙に上向きとなり
アームとのジョイント下部に僅かな隙間が生じ易くなってしまうわけでして
この隙間というかガタというかが、カートリッジの微弱な信号に影響を与えるのです。

ま、わかる人にだけわかって頂けたらいいだけの薀蓄ですけど。

上方向への傾きが改善され、この作戦は好結果でした。
若干ですが、音も締まった気がします。
ただ、酒が飲めない悔しさを紛らわす為だけだったとしたなら
そんな虚しいことはありませんけどね。

喉の渇きが癒えない夜です。

*

2014年6月21日

グッバイ・イエロー・ブリック・ロード



宇宙の旅から帰って参りました。
大気圏再突入の衝撃で、顔が歪んでしまったようですが
あと数日で元通りの清々しい面立ちに戻ることでしょう。

帰還してからの自宅での静養は、
毎日暇を持て余すようなとても贅沢な時間を過ごし
おもむろに出掛ける散歩だけが唯一の楽しみとなりました。

とは言え、体が心配なので遠くまでは行けず
この機会に足を運びたい場所も数々あったのですが
ネット上で娑婆の様子を窺うだけの日々となってしまったことが残念です。

おまけに・・
医者に言われた通り、禁酒は未だに続けているもので
仮に何処かへ顔を出せたとしても
一緒に飲めない苦痛に苛まれるのは嫌ですからね。

あともう少しの辛抱です。
月曜に二度目の診察を受け、問題が無ければ飲ませて頂きます。
そして地球の重力にも慣れてきたことですから
週の半ばくらいには社会復帰しようかと思っているのですが
果たしてその行く末がどうなりますことやら。


昨日は遊歩道をのんびりと歩き
衰えた足の筋力を取り戻すかのようにハードオフまで行ってみました。
レコード棚が整理され品数が激減していたのが悔しい気分。
百円のお得な洋盤はほとんど買い漁られてしまったようです。

手ぶらで帰るのも癪に障るのでエルトン・ジョンの米MCA盤を買ってしまいました。
「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード」
国内盤だとジャケットのイラストの色合いがボケてしまっているので
これはやはり米国盤に軍配が上がるのです。



値段は¥300、2枚組なのですが
ジャケットの構造上、おそらく1枚物と勘違いしてるのでしょう。
この店ではよくあることです。
(困ったことに、どうやらプライスは徐々に¥300へと移行している模様)

前回パスしたアーネスト・タブが残っていたので
ついでにこれも買って帰りました。
元々が廉価盤ですけど、百円ならまあいいでしょう。


帰宅してから、この店で購入したアルバム全ての値札シールを剥がしました。
なんたってレコード盤はジャンク扱いですから
ジャケットの表に容赦なくシールが貼られているのです。

その数およそ30数枚、根気良く爪の先でシールを剥がし
残った糊はギターの指板メンテに使うオレンジオイルで落とすという作業でして
時間がたっぷりとある今じゃなければ決して出来ない「内職」なのです。


結果、ジャンク品が見違えるほどの顔立ちとなり
肩は凝りましたけど、その出来栄えに満足した夕暮れ時でありました。

グッバイ・イエロー・ブリック・ロード、
邦題では「黄昏のレンガ路」と訳されていましたが
実際には煌びやかな芸能界を揶揄した内容です。
僕はと言えば、その邦題のように
黄昏のレンガ路を後にしなければならない頃なのですよね。

ああ・・一杯やりたい。


2014年5月31日

ごきげんよう、さようなら



五月も今日で終わりです。
月が変わった早々に
僕の松島ツアーが始まります。

明日は一日休みを取って
身の回りを整理したり
ツアーに必要な物を揃えたり
あれこれ準備しなければなりません。

覚悟は決めたんですけど
逃げ出したい気持ちでいっぱいです。
ケツから血ぃ流して横たわるなんて
僕の美徳に反しますもの。

入院や手術を数多く経験して
その都度に「今度はいったいどんなことされるんだあ~?」と
好奇心を掻き立てるマゾッ気のある僕ではありますが
今回ばかりは恐怖心が先走っております。

元の体に
元の生活に
果たして戻れるのでしょうか。
先の不安を掻き消すために
今夜はたらふく飲んで寝てやろうと思います。

月曜の朝
キャリングバッグをゴロゴロと引っ張り
松島へと向う僕の姿を見掛けたなら
友よこの先に幸あれと
どうか祈ってくださいませ。

未知の世界。
宇宙に例えるなら何万光年も先への旅です。
しばらくは音信も途絶えることでしょう。

やがて大気圏を付き抜け
運良く地球に生還することが出来ましたら
ヒューストンからの呼び掛けに応答致します。

それまでの間
かずら的日常は更新されませんのであしからず。
本日をもちまして一時休載させて頂きます。

ごきげんよう、さようなら。

*

2014年5月30日

ぱるぴてーしょん



昨日からショッポー吸ってます。
ひょんなことからホープライトの味が良いことに気が付き
期間限定のサワーレッドを街角のタバコ屋で見掛けたもので
いったいどんな味なのか気になり買ってしまったのです。
なんと、この小箱がうじゃうじゃと20個も入ったカートンで。
タバコ屋の店主曰く、これはバラ売りできないんですよ~
少々カチンときたものの、欲望を抑えられずに購入したという顛末。
感想としては・・
甘さよりもスパイシーな味が勝っているかも。
他の方も、昔のチェリーに似た味だと仰っておりました。
レギュラー商品のライトの方がアメスピに似てマイルドな気がしますがね。

買ってしまった以上、残りの18個をせっせと吸います。
節煙して一日一個、三日で三個、18日目で無くなる勘定。
しかしながら、月曜から入院する我が身でありますから
しばらくは煙草も吸えないんで減らないんでしょうけどね。

世界禁煙デーを翌日に控えた「煙草ネタ」でした。

煙草といえば・・
NHK朝ドラ「花子とアン」で葉山蓮子が嫁いだ先の九州の石炭王、
嘉納伝助さんが毎回登場する度に煙草を吸ってくれます。
映画やテレビの喫煙シーンに食って掛かる団体が多い昨今、
朝の連続ドラマで堂々と紫煙をくゆらす演出が嬉しく思えます。
あの時代や、ふとした感情を描くには、やはり欠かせないものですからね。

愛煙家の一人としては、
世界喫煙デーも作ってもらいたいのですが・・
だめでしょうねえ。


昨日の餌箱漁りで大枚三百円を費やしたもう1枚はこれ、ステファン・グロスマン。
百円でいいのになあと、最後まで悩んだ末に購入したのですが
実はこれ、会計時に店員さんが数え間違いして支払額に含まれず。
つまり、サービス品と相成った次第です。
ありがとうございます、また買いに行きますから悪く思わないでください。


そして百円コーナーからはチェット・アトキンスのRCAの廉価盤。
この値段だからこそ気軽に買える一枚です。


そしてもう1枚は73年のオムニバスアルバム「ホット・メニュー」
発売当時2枚組で¥980という、メーカーの戦略商品でバカ売れした物なんですが
僕は「小馬鹿」にして見向きもしなかった代物です。
今となっては並びが楽しそうなので、40年以上経過した今回初めて手にしました。

次回の餌箱漁りは退院後の6月中旬頃の予定。
ハードオフさん、ええもん並べといてくださいね!

突然の出会いに舞い上がってしまった感のJBLにつきましては
退院した後にまだ残っていたら懐具合と相談することにしました。
売れてしまっていたなら(淡白に)ご縁が無かったということで。

歳を重ねたせいなのか
物事を冷静に考えられるようになりました。

・・いや待てよ?
もしや「ぱるぴてーしょん」の欠乏か!?

人間、トキメキを失うと老いて行くものです。
要注意!!

*

2014年5月29日

悩み多き者よ



休日恒例の地元ハードオフ詣で。
今回はいつもの百円のみならず、三百円の盤にも手を出してしまいました。
この店の値付けの基準がイマイチ明確ではないので
安いとは言っても三百円を出すのは癪に触るんですけどね。
けどまあ、とりあえずヴェロニク・サンソンのファーストをゲット。
アナログ盤は見掛けなくなったアルバムなので三百円やむなし!
盤面とラベルに少々カビは発生しているものの、まずまずの状態に一安心。


続いてはライ・クーダー「紫の峡谷」
手元にCDはありますし、ジャケットも少し傷んでいたので
うーん、うーん、と悩み抜いた挙句に購入。
(三百円ともなると心が揺らぐのですよ)
決め手はやはり見開きジャケットの醍醐味かと。


30X60Cm、レコード・ジャケットはアートなのです。
そしてトレースしてみて思ったんですが、
アナログ盤だとリプリーズのサウンドがちゃんと再現されて
やわらかで温かく、スライド・ギターにも刺々しさがありません。
やっほー!これはいい買い物でした。

それにしてもアナログ盤て不思議ですよね、
スタジオの空気感がそのまま溝に刻まれているかのようです。
最近になって世界中で見直されていることがよく理解できますし、
人類がこの素晴らしい記録媒体を葬り去らずに済んだのは
まさに不幸中の幸いとも言えるでしょう。
諸君!レコード盤を馬鹿にしちゃだめよ!!


目に付いたので、オスカー・ピーターソンも買っちゃいました。
ヴァーヴの地味~なアルバムですけど、たまにはいいもんです。
これがウエス・モンゴメリーになると更に上の値付けになるおかしな店ですから
その微妙なラインで掘り出す楽しみがハードオフの餌箱ならではのことなのです。
支離滅裂なチョイスではありますが、この続きは明晩にでも。

この店に行った折には、いつもオーディオと楽器を一通り見て回るんですが
遂に今日はマズイものを目にしてしまいました。


JBL 4311B、
マグネットがアルニコからフェライトに替わった最初のモデルです。
しかもスタジオ仕様のグレー・キャビ!
コーン焼けもセンターキャップの凹みも、ダンプ材の垂れも全く無い
すこぶるいい状態の物がヤフオクよりも安い値段で出ていたのです。
僕は30年ほど前に、この4311Bのウッド・キャビのモデルを使っていましたが
アルニコよりも若干落ち着いた音を出すフェライトの方が好きでしたから
アナログとの相性抜群なこれを目にして非常に悩んでいます。

うーん、うーん、うーん。
これからケツを切られる人間が
こんなの担いで家に帰って来たら
カミさんに叱られるんだろうなあ・・

うーん、うーん、うーん。
悩み多き者よ。

*

2014年5月28日

カチマイ事件、その後



予想していた通り、
新聞を見たおふくろから早朝に電話がありました。
なんたって実名で載っていたわけですから
昨日の夜に従兄弟からも実家に電話が掛かって来たそうな。
たぶん親戚一堂、皆さんびっくりしているんでしょうね。
カチマイ事件です。
(注:十勝毎日新聞の略。地元ではカチマイと呼ばれている)

おふくろは大正10年生まれ、今年で93歳になります。
この写真は親父の三回忌で帰省した3年前の物で
目や耳、足腰はずいぶん衰えてしまいましたけど
頭もしっかりしていて、僕の姉と二人で元気に暮らしているようです。
今でも電話の受け答えがとても明確なのが凄いことだと思います。

今朝の電話でこう言われました。
「まだまだ知らないことがあるんだねえ・・」と。

家を出てからの数年間の出来事を
おふくろには全く話してなかったことに気付かされました。
たぶん新聞に書かれていたことのどれもが
40年以上経過した今になって初めて知る結果となったのでしょう。
なんだか申し訳ない気持ちにはなりましたけど、
親子の関係に於いては今も昔もこんなものなんだと思います。
僕だって、自分の子供たちが見聞きしたことの多くは知らないのですから。

すいぶんと時間が経過してしまいましたが
こうして記憶の空白を埋めることが出来たことは良かったと思います。
思えば、今こうして再び歌っていることでさえ
おふくろにはきちんと話してなかったのですから
間接的にでも過去の一時期と現在の姿を伝えられたのは
ある意味、親孝行であったのかも知れません。

故郷の新聞に実名で載せられることには
その反響や影響を思うと当初は抵抗もありました。
けれど、当時の僕を知っている人々やお世話になった方々へ
今も元気にやっていることを伝えたいという願望が勝ってしまったのです。
帰って田舎で暮らしたい、そこまで考えることは無いにしても
少しずつではありますが、故郷の方を向く機会が増えて来たような気がします。

これをきっかけにして、
消息を絶った旧い友人や知人と再会できれば素敵ですよね。
皆、どんなふうに歳を取ったのか。
そんな期待を寄せるのも、実は自分が高齢社会の入口に立っているからなのでしょう。
一体どんな展開が待ち受けているのか、ちょっとワクワクしています。

退院後の体調にもよりますけど
秋口頃、帯広の町の何処かで歌えたらなと思っています。
もしもその時期にイベントを計画されている方が居ましたらお知らせください。
けれど決して「凱旋」などといった仰々しいものではありません。
単純に其処で歌いたい、それだけですからね。

今朝のおふくろ、何を思ったのか面白い言い方をしてました。
「事件や事故じゃないんだから、胸張って堂々としてなさい」
はて?どのような意味が込められているのでしょう。
確かに、犯罪者としてではなかったのは幸いですが・・(笑)

*

2014年5月27日

まだ先はあるのです


今日、5月27日付けの十勝毎日新聞に
僕の紹介記事が掲載されました。

故郷の地方紙ですが、
或る日東京支社の方から取材申込みがあり
迷った挙句お受けして
5時間ほど飲みながら、取りとめもなく語り合った顛末です。

取材する方もされる方も、長い時間飲んでいたので
酔いがまわった後半はぐっちゃぐちゃでしたけど
さすがプロの仕事ですね、要点を押さえて上手く纏めてあります。

ただ・・

この二段抜きの枠の中に、僕の人生が要約されているようで
なんと小っぽけでつまらぬものかと思ってしまいました。

なので、
この先のことがぎっしりと書き加えられるように
生きてみようかと思います。

かずら元年、ブイブイと
まだまだ行くのだ。


これを見た田舎のおふくろ、
びっくりして朝っぱらから電話して来るんだろうなあ。
なんたって、地元ではほとんどの家庭で読まれてる新聞ですからね。

実名報道の是非を問う!

・・うそうそ、僕が許可したのです。
もう逃げ隠れしません(笑)

*