2019年5月15日

SHUREのカモメマ-ク


発売当時のYAMAHA YP-400には、SHURE M75B Type2が標準でマウントされていた。エントリ―モデルとして誰もが使ったことがあるであろうM44Gの上級モデルである。音質は44Gほどのクセはなく、ドンシャリ感が無いのでオ-ルマイティに使うことが出来る。今回落札した個体にも、当時のままオリジナルのシェルにはこれが付いていた。古い代物だし、愛用のカ-トリッジに交換しようと思っていたのだが、鳴らしてみるとこれが案外といい。44年前の製品だ、針は何度か交換してるだろうが、カモメマ-クのボディは紛れもなく発売当時の物だった。ところがカンチレバ-のテンションも十分で、歪も無く自然な音調がとてもいいではないか。見た目的にも付属のオリジナルシェルによく似合っている。現在でも正規品の交換針が残っているようだし、しばらくはこのまま使ってみることにしよう。


ちなみにこのYP-400はセミオ-ト、機構はサブモ-タ-による駆動ではなく、スイッチを押すと機械的にギアが動いてア-ムを上下するという極めてクラシックなスタイル。ア-ムを盤面へ持って行きPLAYボタンを押すとリフタ-が降り、OFFを押すか最終円まで行くとア-ムレストに戻って来る仕組みだ。ギアが動くので作動時の動作音はちょっと大きいけれども、UP・DOWN時はミュ―トが掛かるので、スピ―カ-からのノイズは発生しないという親切設計なのである。セミオ-トとはいえ、ア-ムが自動的に戻って来てくれるのは、酒飲みにとってはありがたいことである。

それにしても、昨日からいったい何枚のアルバムを聴いてることだろう。楽しいのだ、ディスクをセットしてPLAYボタンを押すのが、実に楽しいのだ。まさに音を楽しむ状態、これは久しぶりの(懐かしい)感覚だ。DENONの引き締まった音とは明らかに異なり、ふっくらとしていて温かい。これはおそらく、耳では検知できない微妙な音の揺れと、箱型のボディが音を膨らませているせいなんじゃないかと思う。僕が求めていたのはこの音で、ゆえに旧いベルトドライブを探すきっかけにもなったのだ。振動対策として箱型から重くて堅い積層合板やレジンコンクリ-トの素材を使うようになってからのモデルだとこうは行かない筈だ。その辺りが、周波数特性だけを見て、音の楽しみ方を知らない技術者のつまらなさでもあるわけで、アナログが衰退して行ったのも、そんなところに原因はある。巨大なインシュレ-タ-が取り付けられた20Kgほどもあるプレ-ヤ-が、必ずしもいい音を出すとは限らない。箱型のYP-400はわずか8Kg、周波数特性では劣っていても、音を楽しく優しく表現してくれる。


このモデルの特異なテ-ブルマットの形状についても語っておこう。レコ-ド盤が面接触ではなく点接触するよう突起が設けられている。クリ―ナ-を押し当てるとわかるのだが、盤面がスリップせずマットに密着している。ほとんどのディスクは歪んでいたり反っていたりフラットではないので、平面のマットでは隙間があちこちに生じてしまう。それを解消してくれるこの形状が、ふっくらとしてはいても分離がよく締まった音に繋がっているのだと思う。44年も経過してるのに、ゴムが硬化しておらず突起がひとつとして欠けてないことも驚きだ。こまめにメンテしていたであろう前オ-ナ-には頭が下がる。そして感謝しかない。

4極シンクロナスモ-タ-


幸せというか、愉快というか
嬉しさというか、興奮というべきか
今日の僕は、夜になっても喜びでいっぱいだ。
いい物を手に入れた誇らしさを
まだまだ誰かに語りたくって
先ほどの続きを、気を静めながら
アナログオ-ディオの歴史を交えながら
再び書かせて頂くとしよう。

70年代の後半になる頃、
レコ-ドプレ-ヤ-はそれまでのACモ-タ-から
サ-ボ回路やクォ-ツロックの普及によって
DCモ-タ-に淘汰されていったわけで
いつしかACモ-タ-はオ-ディオ界から姿を消した。
その最たる要因は、タ-ンテ-ブルのスピンドルを
モ-タ-に直結したダイレクトドライブの登場だ。
ベルトやリムを介さずに軸そのもので回すという方式は
たとえそれがトルクの弱いDCモ-タ-であったとしても
機械的な動作音が発生する回転系を持たない構造から
あたかも静寂性に優れSN比がアップするような
そんな迷信にも似た理屈を業界は大衆に吹聴していった。
おそらくそれは、厄介な構造の動作(回転)計算や
部品の製造コストを抑えるためでもあったのだろう。
何がいけないのか、まるでわからないまま
レコ-ドプレ-ヤ-はダイレクトドライブだけになった。

過去に主流であったベルトドライブのほとんどは
4極シンクロナスモ-タ-が使われていて
電気の周波数に同期して回転する優れものだった。
なので電圧変動に左右されず定速で回ることが出来たのだ。
交流電源だからといって、振動やノイズが出ることもない。
それがベルトを介してタ-ンテ-ブルを回したとしても
よほど粗悪な設計や製造がされてない限り
ダイレクトドライブに劣ることは無いだろうと思う。
ところがモ-タ-のゴロやら振動の影響とやらで
著しく音質が損なわれるような悪い噂ばかりが巷に溢れ
あっという間にDCモ-タ-に取って代わられたわけだ。
それはアナログディスクやカセットテ-プと同じくらいに
一瞬と思えるほどの僅かな月日で消えうせた。
オ-ディオの世界とは、なんと恐ろしいものであろう。

その死滅したACモ-タ-で動く古のYP-400は
回転も滑らかで、嫌な音も振動さえも発しはしない。
軸ではなくタ-ンテ-ブルの外周を回す構造は
むしろ安定した回転を生み出しているのかもしれない。
ベルトドライブの大きな利点は、
センタ―スピンドルをボディに固定することによって
回転軸にブレが生じない強固な構造だ。
たぶんそれがレコ-ド盤面の振動を抑える効果もある。
その結果、音の立ち上がりや分離が良くなり
低域に至っては締まって聴こえるのだと思う。
モ-タ-の回転軸をスピンドルにするなど以ての外、
ヤワなDCモ-タ-ならなおさらだ。
これを読んだ諸君よ、騙されたと思って
4極シンクロナスモ-タ-のベルトドライブ機を
機会があったら試してみてくれたまえ。
僕の言ってることが戯言ではないと実感できる筈だから。
カタログデ-タではなく、聴感を重んじる。
それによってアナログの素晴らしさを
改めて感じ、大切にしようではないか。

長くなってしまったので今日はここまで。
まだまだ語りたいことが山ほどあるので
この題材についてはしばらく続ける予定なり。
朝ドラのエンドロ-ルを真似て言うなら
「かずらよ、明日に続けよ!」

2019年5月14日

YAMAHA YP-400がやって来た


いやあ完動だぜ!感動!!
開けてびっくりの超美品、
おまけに動作状態まで完璧ときたもんだ。
こりゃあ正真正銘のニアミント。
笑いが止まらないっていうか
たぶん鏡を見てみたら
えげつない顔でニタニタしてるんだろなあ。


だってさあ、
ご覧になって、この美しきお姿。
J字型ア-ムのシンプルさも際立ってるでしょ。
これだよこれ、この飾り気のない風貌こそ
僕が追い求めてきたアナログプレ-ヤ-の究極の形。
すでに44年が経過している個体とは言え、
4極シンクロナスモ-タ-は静寂そのもので
ワウフラッタ-など全く無いどころか
(お手製の)ストロボスコ-プで見る限りは
縞目動かず定速回転という完璧さ。
爺さんがニヤケちゃうのもわかるっしょ!


そして前述のJ字型ト-ンア-ム、
余分な物が削ぎ落とされてるからなのか
トレ-ス良好で音の重心も低い気がする。
これはたぶん、DENONの同時代のア-ムや
ゴテゴテした一般的なS字型よりよっぽどいい。
ついでに言うとオリジナルのヘッドシェル、
いつもの僕なら絶対に替えたくなる
オマケ的要素の付属品ばかりなのだが
これはいい、かなりいい。
カ-トリッジがしっかりと固定できるよう
シェル側にネジが切ってあるのがいい。
このおかげで低域が締まって聴こえるんだろうし
なんと言っても見た目がすっきりしてる。
あくまで気分・・だがね。

嗚呼、喜びと幸福感に浸る至極の時よ。
こんなとき、決まって僕は雄弁になるのだ。

2019年5月13日

ストロボスコープ


明日届くベルトドライブ・プレーヤーのピッチを確認するためのストロボスコープ。どっかにしまい込んだまま見つからず、買うのも馬鹿らしいんでネットの画像を探してみた。あるもんだねえ、これで二千円浮いた。

2019年5月12日

花が届く


子供たちから花が届く。
今年はジャスミン、マ-ガレット、ラベンダ-、
母の日は艶やかでいい。

世のお母さま方、いつもありがとう。

アナログプレ-ヤ-数あれど


アナログプレ-ヤ-数あれど、個人的な好みとしてはガラ-ド、DENON、そしてもうひとつがナチュラルサウンドと称していた頃の70年代のYAMAHAである。現在愛用しているのはDENONのDCサ-ボによるダイレクトドライブだが、数年前からACモ-タ-を使ったベルトドライブのモデルが無性に欲しくなってきた。いわゆる4極シンクロナスモーター、やわなDCモ-タ-とは違いトルクもあり、70年代の主流がこれだったことも懐かしく思えたからだ。そこで時折、オ-クションサイトを開いては、デザインとサイズの手頃感からYAMAHAのYP400を探していた。S字ではなくすっきりした形状のJ字型ト-ンア-ムと相まって、当時のプレ-ヤ-の中では群を抜く美しさだと僕は今でも思っている。けれど発売から44年、程度の良い物は無く、ほとんどがジャンク状態だった。しかも阿保らしくなるくらい値が高い。

昨晩、久しぶりに探してみた。おおっ!完動美品、画像を見る限り確かに綺麗な状態だ。これは落とすしかなかろう!というわけでウォッチ開始。そして入札、さほど人気のある機種ではないことも幸いして、そのまま無競争で落札できた。傷なし、錆なし、変色なし、ト-ンア-ムもオリジナルのヘッドシェルもすこぶる綺麗!ケ-ブルも端子も嫌な汚れ方をしておらず、これはかなり期待できそうな一品である。

・・などと、喜び勇んで書き綴っている最中に商品発送の知らせが舞い込む。明日の午前に届く予定、楽しみだ。

2019年4月27日

ジムニ―くんのその後


ミッションのトラブル以降、あまり話題にしてなかったジムニ―くんのその後をお伝えします。

納車されて間もなく故障するなんて、ひでえ代物と販売店だわな!!たぶん多くの皆さんはそう思うことでしょうね。走行中にミッションが逝ったときは、さすがに僕も絶望の崖っぷちを転がり堕ちそうになりました。修理にいったいナンボかかるんじゃあ・・と。
実はこの2005年のJB23、格安だったので走行17万Km・保証無しを受け入れて購入したのです。グレ―ドはランドベンチャ―5型のATですから、改造歴も無くオフロ―ドを厳つく走った形跡も無いので、こりゃあまだまだ走れるだろうと決断したわけで、無謀と言われればそうなのかもしれません。
そして(案の定)500Kmも走らないうちにミッショントラブル!保証無しですから20万円を下らないであろう交換費用をどう工面するか悶々としていたのは事実です。レッカ―で販売店まで運び、修理内容と見積りの提案があったのはその数日後。回答はリビルトのミッション代金・税込11万円のみ、交換工賃はショップ負担とな。いい線を突かれました。妥協できる範囲ですから、即決で修理をお願いしましたとも。過走行の車を敢えて購入したので、有料であってもお店に文句は言えません。むしろ工賃無料の歩み寄りが嬉しく思えたくらいです。馬鹿、ですかね?これまでにタイヤとブレ―キパッドも新品に換えてますから、納車後の出費は〆て16万ほど。やっぱり大馬鹿者、なのでしょう(笑)

けどね、これで最後にするつもりの車選びでしたから、自分の好きな車種、運転してて納得と満足の行くジムニ―を再びチョイスした結果ですから、後悔はまったく無いのです。おまけに2005年てのが、かずら元年復活の年だったこともあり、何となく愛着が湧いた個体でもあるのです。あと3年ちょい、20万Kmまで走ってくれたら有難いと思ってます。

大馬鹿者と揶揄されることを承知でもうひとつ。数日前にフロントガラスを交換しました(運転席側に数本の傷が入っていて、夜間に前が見づらかったんです)僕がネットで見つけた旭硝子の海外生産製を取り寄せてもらい、ショップに交渉して工賃込み3万円でやって頂きました。これもまた破格の金額、融通のきくお店だなあと感心してます。納車後に車内のスイッチ類を幾つか交換してもらってますけど、純正部品を取り寄せて全て無料でやってくれるんですよ。嬉しいじゃありませんか。

そんなわけで、今までに19枚もの諭吉が飛んで行きました。大がかりなリペアはとりあえず終了です。あと3年、20万Kmまでトラブル無く走ってくれることを、皆さんも祈っていてください。馬鹿な爺さんのクソ長い文面、読んで頂いて恐縮です。