2月のこの時期に、いきなり5月中旬の陽気とは
目覚めたときに戸惑ってしまったほど季節感の無い休日でした。
貧乏性でケチな僕の性分でありますから
その(勿体ないほど)心地好い陽射しを見過ごすわけにはいかず
起きて早々に洗濯を始め、窓を全開にして掃除を済ませました。
なんでしょ?この至福に満ちた解放感。
極寒の北国に住んでいるわけでもないのに
沸々と湧き上がるのは、冬を越えた後に春を迎える安堵感にも似た
どこか動物的な感情のようです。
カーテン越しに、風に揺らめく洗濯物のシルエットを見ていると
これが平穏な日常なのだということに気付きます。
厚木基地へと向う米軍機が、轟音を響かせながら空を横切ったとしても
住宅街は静かに時を刻み、ひっそりと佇んでいるのですから。
買い物ついでにハードオフへ立ち寄り、餌箱を漁ってみました。
去年の夏頃まではアナログ盤の宝庫とも言えた地元のその店も
近頃じゃまともな物が全く並ばなくなってしまいました。
たぶんアナログ盤を専門に扱う店舗が新潟に(だったっけ?)出来たせいでしょうね。
それでも端から端まで全て見ることだけはやめられません。
今日も何にも無いなあ・・と、諦めながらも見るのです。
その(無駄な)労力を費やすことを正当化したいがために
百円のアルバムを1枚だけでも買って帰るのですが、
今日は幸いなことにロギンズ&メッシーナの2ndが米国盤で見つかりました。
もちろん百円。
春先の陽気には、似合う音色のアルバムだと思います。
ああ、それにしても
60年代後半から70年代初頭に至る米コロムビアの音って、なんて素敵なんでしょう。
名盤を数多く世に送り出したことが頷けます。
CBSソニーの国内プレス盤では味わえない「何か」が、
ラフな作りのレコード盤にしっかりと刻まれている気がするんです。
これだからアナログ盤はやめられないんですよね。
この女性も平和な時間に感謝しながら
寝る、喰う、寝る、寝る、の業務をしっかりとこなしておりました。
伸ばした足の指先がパアになっているのは
今が幸福であることの証なのです。
けれど穏やかすぎる一日が、なんだか怖くなってしまうのは
63年ほど生きてきた中で体験した、様々な出来事が脳裏に焼き付いているから
・・なのでしょうか。
南南西の風に想ふ。
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