最初の5人が好きだった。
ストーンズが、この顔ぶれじゃなければ
もしかすると当時の私は
気にも止めてなかったかもしれない。
昨夜、80歳のチャーリー・ワッツが逝き
初期のリズム隊は誰も居なくなってしまった。
チャーリー・ワッツのスティックは
一貫してレギュラーグリップだった。
その左手が奏でるスネアの音と
独特な刻みのハイハットは
60年代から今に至るまで変わっていない。
淡々と後ろで叩く凛とした姿は
やんちゃな男たちを見守っているかのようで
いつも涼しげな顔をしていた。
実は、私は今でも
スティッキー・フィンガーズまでのアルバムしか聴かない。
薄暗いパブの片隅で、安い酒を飲みながら
朽ちそうな床のステージで演奏する彼らを
すぐ近くで見ていたいからだ。
大音量のPAと、大観衆が渦巻くような
大きなホールの客席には行きたいと思わない。
アンプ直結の音と、今にも崩れそうな際どさが
大好きなストーンズの姿であり
その光景を思い起こさせてくれるアルバムは
私個人の感覚ではあるが
やはりスティッキー・フィンガーズまでなのである。
その歴史の中で
チャーリー・ワッツの存在は大きかったし
3個目のストーンが失われてしまったことは悲しい。
2021年8月25日
合掌・・