2012年10月26日

Hobo


中央線に乗るのは、いつ以来のことでしょう。
明日は西荻窪の駅に降り立ちます。
旧い友人と、止まったままの時間に潜り込んで
サニー・ボーイ・ウィリアムソンを聴きながら
旨い酒でも飲もうかという魂胆なのですが・・

楽しみです。

そして、
生きながらBluesに葬られたという
そんな女性にお逢いできるのもまた
楽しみで仕方ないのです。

私、一度だけでも頭を過ぎってしまったイメージを
なかなか元へ戻すことができない性癖なものですから
軽率に「淳子さん」て、呼んでしまいそうな気がします。
そのときは、呆け老人の戯言とお許しください。

今、いろんなことを思い出しています。
渋谷ジァン・ジァンの薄暗いステージと楽屋、
私のバックでベースを弾いていた少年とギターを弾いていた少年の影、
お坊ちゃま風少年の自宅に在ったラックスのアンプとフォスターのスピーカー、
断片的な石神井界隈の夏の風景・・

あの頃は、いつもお腹を空かしていました。
その飢えを凌ぐために、痩せた体を欲望で満たしていたのかも知れません。
十九、二十歳の、そんな時代。
人間は食べてなんぼ、そう思っていましたから
当時は餓死するんじゃないかという恐怖心に苛まれたものです。
眠れない夜、彷徨う都会、
寝ても覚めても、白昼夢のような毎日でした。

先日、還暦を迎えた私に女房がこう言いました。
「お互い、よくぞここまで生きて来られたもんだわ~」

・・深く頷いたことは言うまでもありません。




*画像はBlues居酒屋ほうぼう屋から転載

2012年10月25日

紙は愛してやまないのですが・・


iPhoneのユーザーである私としては、以前からiPadも欲しい物のひとつでした。
携帯の小さな液晶の中では完結できない部分を補いたいと思うのは当然のこと。
ましてや本を読もうとするには、ある程度大きな画面が必要になりますが
両方を持つにはコストが掛かりすぎますし、重複する機能が勿体ない。
そんな折、AmazonからKindleの日本発売が発表されました。
一番安いKindle Paperwhiteで¥8480、6インチ液晶ですが小振りなところがいいです。

この年齢になってしまうと、読みたい本があっても活字の小さな紙ベースの物は駄目。
老眼鏡を掛ければ済むことじゃないかと思われるかも知れませんが、
あれを着用すると「くっきりすっきり」しすぎてしまい、過剰な集中心が生じてしまうのでして
何事も曖昧さが一番だと思っている私にとっては、かなり辛い環境になるのです。
視覚的には文字をルーペで見るようなものですから、これは肩が凝ってしまいます。
他にも、読書中にコーヒーカップに手をやったり、ふと目を上げて辺りを見たりするときに
視界の先がボヤけてしまうのが老眼鏡を掛けたくない理由でもありますけどね。
要は、意識的に集中したりサクッと流したり、そのサジ加減を思いのままにこなすには
私の場合(ちゃんと見えてなくても)「裸眼」でなければならないのです。
眼鏡によって強制的に集中させられるのは御免被りたい。

などと話しながら女房と晩飯を喰っていると、
私よりもっと活字好き読書好きの女房が(私以上に)欲しがってしまいました。
パソコンもネットもまるで興味が無くアナログな暮らしぶりの彼女ですが、
ランニング・コストが掛からないという部分に重大な関心があるようです。

ああ・・言わなきゃよかった。
私が買ってしまうと奪われそうな勢いです(困惑)

でもね、これはあくまで私の場合ですよ。
何でもかんでもデジタル化されて、紙やインクが消滅してしまうのはもっと困ります。
若い方や視力に問題の無い方々は製本された物を愛してください。
気軽だから手軽だから、場所を取らないからと仰らずに
装丁や紙の匂い、指で頁を捲る感触を楽しみながら文学に浸ってくださいね!


2012年10月24日

石川町にて


文香に逢って来ました。

石川町から山手へ抜ける坂道、
イタリア山公園のすぐ近くの小さなギャラリーは
閑静な住宅地にぽつんと建っていました。
行き交う人もまばらで、
先が行き止まりなことから道路を走る車も無く
とても静かな時間の中でゆったりと過ごすことができました。

表で一服していたお父様に案内され中へ入ると、
1階には文香が少女時代に描いた幾つかの作品や
彼女が生前に愛してやまなかったハーレーダビッドソンに跨る写真、
子供ミュージカル時代の写真など、思い出の品々が並べられていましたが
やはり目を引くのはこの油絵の自画像、小学5年生のときの作品だそうです。
この髪型、この表情、私が覚えている文香はこのまんまでしたから
私の中では、彼女と過ごした時間があれ以来止まっているわけなのです。
成人して二児の母となってからは、一度も会っていなかったですからね。

文香が気を利かせてくれたんでしょうか、
私らが伺う直前まで、大勢のお客様で賑わっていたそうです。
お父様は遅くなった昼食を手短に済ませ、表で一服しているところでした。
伽藍と静かな空気と佇まいの中で
私の息子や娘と共に、お父様とゆっくりお話できたのが何よりです。

2階にはお父様の革工芸と、もうお一方の藍染めの作品が飾られていましたが
さすがにどれも見事な作りのものばかりで、
革の特性を知り尽くした者にしか成し得ない、繊細さと力強さを感じてしまいました。
(革のアートについてはまた後日にでも)

今日は娘と孫も一緒に行ったものですから
プレゼントだと言いながら、その場でお父様がこんな物を作ってくださいました。


10円玉くらいの大きさの(特性)ハロウィン・キーホルダー。
子供たちは学校なので、一人で来ていた長男にも二人分を用意してくれました。
思えばハロウィンですものね。
ギャラリーの外のテーブルには沢山のキャンディが置かれてました。
最終日の日曜、石川町駅界隈はパレードで賑わうそうです。

私、オリジナルのギター・ストラップを注文することにしました。
デザインと材質、アドバイスを受けながら煮詰めます。
柔らかで使い勝手の良い物が出来上がりそうですね。
楽しみ!


2012年10月23日

君は天然色


AYAKAに捧ぐ「革いい藍の物語」展

明日は革工芸作家である知人の個展に行って参ります。
今年の7月に幼い子供を残して急逝した29歳の娘に捧げるものであり、
その彼女が幼少の頃に描いた油絵も一緒に展示されているそうなので
彼女をよく知る私の娘や息子たちと共に出掛けるつもりです。

私が昔携わっていた子供ミュージカルがご縁となり
一時期は家族ぐるみのお付き合いもさせて頂いたお宅でしたから
彼女やその妹、父上や母上との懐かしい思い出がたくさんあります。
葉書の真ん中に載せられた肖像画は、今でもはっきりと覚えています。
十数前、お宅に伺ったとき居間に飾られていましたからね。

そうは言っても、目にした出来事と時間の経過との間にはいつも曖昧さがあります。
彼女のお通夜に伺い、お見送りをしたのはわずか三ヶ月前だというのに
記憶の中では、もうずいぶん昔のことのように思えてしまうのですから。
ただ、その曖昧さのおかげで、私の中の彼女は今でも少女のままなのです。
十数年前の思い出も、三ヶ月前の出来事も
昨日より昔のことは、すべて同じ器に収まっているからなのかも知れません。

文香(AYAKA)という名の、私が知っている少女時代の彼女に
明日もう一度逢えるような気がして仕方ないのは
果たして記憶の曖昧さからなのか、老人性のものなのか、
そこが微妙ではありますが・・(笑)

けれど、思い出という記憶は
むしろ曖昧な方がいいこともありますし、
その不確かな色や形がおぼろげに見えることで
或る物や出来事の幾つかだけが鮮烈に蘇るんだと思うのです。

一昨日の「モノクローム」も、そういうことなのでして、
断片的に「フルカラー」となるのです。

・・故に、君は天然色!


2012年10月22日

ドロン!


間に合わせで購入したバンパーが手に馴染まず
思い切って裸にしてしまったiPhone5でしたが、
ツルンと滑って落っことしてしまうのが怖くなり
評判の良いカバーを注文することにしました。

パワーサポートのエアージャケットセット
薄くて精密な作りであることから人気のモデルです。
しかも単品で¥1680する同社の液晶保護フィルムが2枚、
アンチグレアとクリスタルが付属して¥2680と、お得なセットになっています。
カラーはクリアブラックにしてみました。

到着が待ち遠しい・・




さて、明日から暫くの間
空想と創作と小旅行の日々となります。
これから先を生きるための充電期間とも言えそうな
ゆったりとした時間に身を置く予定でいます。


見慣れた夜の屋上の風景も
来月の半ばまでは見ることが無いでしょう。

おさらばです。
ドロン!


2012年10月21日

モノクローム


案外と早く目覚めたものの
やはり昨日の疲れが残っておりました。
痛いとかだるいとか、そういうことではなく
椅子に座っていると、ただただ眠くなってくるような
そんな日曜の午後でした。

先日、六十を過ぎてしまったもので
現在の仕事場での雇用形態が変わります。
今日は必要な書類を集め、二十数枚にも及ぶ提出書類と格闘してました。
家のプリンターは調子が悪いので、コンビニへ行ってコピーしたり
すべてが終わるまで2時間ほどは掛かったと思います。

署名・捺印、署名・捺印、これを二十枚ほど繰り返すと
私は筆圧が高いせいか、それだけでも肩が凝ってしまいます。
そこへ一字一句間違えないように書こうとするプレッシャーが加わると
なんだか気分が悪くなってきて苛々し始めます。
いくら紙が好きな私でも、書類と名の付くものだけは大嫌いなのです。
おかげで今日も、疲れ果ててしまいました。

嗚呼、それにしても
秋の青空はなんて綺麗なんでしょう。
思い出はモノクロームなのですが
空の蒼色だけが心に焼きついています。


明後日から暫くの間、
鶴見の海へと続く大きな空を見ることはできません。





2012年10月20日

快挙



・・え!?
予想だにしない結果に誰もが驚きました。
50m走の4コースでスタートした我が1号機クンが
事もあろうに、1着でゴールしたのですから。

両手を横に振り、小首を傾げながら走るその姿は
どう考えても短距離走の走り方ではないのですが
同じ組の他の者たちが遅すぎたのか(マイペース走りで)勝っちゃいました。
これは嬉しい誤算です(笑)

けれど、他の種目を観ていて思ったんです。
去年(1年生のとき)とは明らかに体の動きが違います。
ダンスも振り付け通りにきちんと出来てましたし、
団体競技の中で他の子たちと全く違う動きをすることも無くなってましたからね。
これは進歩です。終わってから大いに褒めてあげました。
地元のサッカーチームに入っていることが幸いしたのかも知れませんが
ようやった!!

いやあ、それにしても疲れました。
昨晩の就寝はいつもと同じ時間、そしてあっという間に朝を迎え
車を飛ばして長男宅へ向かい、車を停めてから徒歩で公田の急な坂道を上って行き
学校のグラウンドに着いた頃には膝がガクガクになってましたもの。
(日頃の運動不足もありますけど、あの坂と階段はかなり堪えます)
そして6時間にも及ぶ長丁場を、ほとんど立ったままで観戦し
合間を縫って路駐している車の様子を見るために徒歩で急な坂道を下り
再びその(過酷な)道を引き返して午後の部を観戦して・・
片道15分以上は掛かる「山道」を、計2往復+立ちっぱなしだったんですからねぇ。
終わって長男宅に帰った時には、腰と背中と膝が悲鳴を上げてました。
坂道のある風景は大好きなんですけど、さすがにあそこの急坂だけは・・(泣)

とは言いながら、肉体疲労と寝不足のくせに
夜ともなると、いつもと同じように元気になるから不思議です。
不埒な爺さんの面目、てやつなんでしょうかね?

そうは言っても、確実にダメージを受けてるこの肉体。
今夜は布団に入ると「あっという間」の「間」を感じることも無いまま
一足飛びに眠りにつくことでありましょう。

それでは皆さま、あっという間に訪れる明日またお会いしましょうね!