2012年11月27日
ろっかばいまいべいびい
猛烈な冬の嵐が北国を襲っています。私の故郷である北海道では多くの世帯が今なお停電中で、その復旧には数日かかるとの情報もあり、電気を失った厳寒の地で暮らす方々が大変心配であります。石炭を燃やすストーブが主流だった時代とは違い、今ではどの家庭も大型の灯油ストーブを電気で動かしていますし、台所が全て電化された家庭も珍しくはありません。商店街の舗道も電熱ヒーターで常時凍結を防いでますし、冬場に電気が供給されないというのは北国での営みに大変大きなダメージと被害を与えます。どうか天候が回復して早急に平穏な市民生活に回帰できますように、そう願ってやみません。
申し訳ないほどの澄んだ穏やかな空に、月が明るく輝いている今夜の凍てつく横浜。私はというと昨晩発掘されたCDの中から西岡恭蔵氏の「ろっかばいまいべいびい」を聴いております。私は彼のアルバムの中では、この75年にリリースされた3枚目が一番のお気に入りだったのでありまして、(発掘によって)久しぶりに耳にできたことがとても嬉しく思います。
アナログ盤ではA面に当たる前半5曲をハックル・バックが演奏しているのも聴きものですし、金子マリさんとのデュエット曲「踊り子ルイーズ」は今聴いてもいいですねぇ。そしてB面は細野晴臣氏の色合いが濃くなる中でのアルバム・タイトル曲や「今宵は君と」などの名曲が並びます。
99年に自らの命を絶ってしまったわずか50年の短い生涯が悔やまれるミュージシャン、そんな男の歌を今夜はしみじみと聴いているのです。
B面(CDで言うと6曲目以降)リプレイしてしまいました。
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2012年11月26日
ザクザクと・・
一年に一度か二度だけですが、何故か無性にクラシックが聴きたくなることがあるんです。冬が来るといつも決まってヴァイオリンかピアノの協奏曲をね。今夜がそうでした、確かメンデルスゾーンが有った筈だが・・と、例によって部屋の奥の手付かず状態のバリケードの向こう側をガサゴソと探し始めてはみたのですが、手が届く範囲には見当たりませんでした。でもその代わり、とっても嬉しくなるようなCDがぞろ~っと出て来たのです。わ、こんなの持ってたんだあ!とか、手放したつもりでいた盤とかがザクザクと。ここ掘れワンワン的な、今の私にとっては宝の山の発掘となったわけでして、長い休暇中に一箇所だけ整理できなかった場所も、いずれきちんと調査する必要が大いにありそうです。
新たに発掘された物の中にP.P&Mのベスト盤がありました。さほど旧い物ではないでしょうけど、夏の終わりくらいに「正統派フォーク」を改めて聴きたくなっていた矢先でしたので、とてもタイムリーな再会となりました。(発見が遅れたら、たぶん買っていたでしょうからね)
今これを掛けながらパソコンに向かってますが、当然のことように心地好い思いをしています。世紀末とも言われた(発展途上の)60年代には、あらゆる分野で原点というものを感じずにはいられませんが、彼らのようにその時代に完成されていたものたちには敬服するばかりです。
只今「シュール、シュール、シューラルー」が流れております。嗚呼、十代前半の甘酸っぱい記憶が・・
一緒に発掘されたバーズの「フライト’65~’90」これは意外でした。リミックスされた音源と300頁にも及ぶ貴重なブックレットが付いたこのディスクを持っていたことを、恥ずかしながらすっかり忘れていたようです。バーズは中期あたりまでを米コロンビアのアナログ盤で今でも持ってますから、CDで聴くことは無かった筈なんですが、何故かベスト盤とバード兄弟までもが出て来ました。(名うてのバード兄弟、確かに好きなアルバムではあったのでCDも買っておいたのかも知れません)
DISK-1のMONOバージョンの「ミスター・タンブリンマン」この音圧はアナログ盤では出せないでしょうね、悔しいですがデジタル処理ならではの音です。久しぶりにじっくり聴いてみると、テリー・メルチャーそのものってアレンジですよね、これは(笑)
いやあそれにしても、2曲目の「すっきりしたぜ」以降の音のリアルさが凄い!アナログ盤で慣れ親しんだ音とはまるで別物です。こりゃびっくり、持ってて良かったあ~
電力需要が急激に増えて供給不足の危機に陥った本日の東京電力管内でしたが、暖房その他で私の部屋で相当の消費をしてしまいましたことをお詫びします。
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2012年11月25日
ゆーふぉー?
・・これ、いったい何でしょうね?
午後、鶴見の仕事場の屋上駐車場に出たとき、穏やかな空が心地好かったので何気なく西の方角を写真に収めたんですが、後で見てみると太陽の右下に謎の発光体が写ってたんです。青みがかった球形のそれは、数秒後に撮られた同じアングルの画像では太陽の右側まで移動してました。
光の悪戯にしては位置関係が腑に落ちません。もしやUFO!?なのでしょうか。
グーグル・マップで方位を確認してみると社屋からは真西の方角、その直線上には白楽や妙蓮寺、岸根公園などが在りまして、以前その界隈でUFOが頻繁に現れるという噂を耳にしたことを思い出しました。これって、そうなんでしょうか?気になって仕方ありません。
どなたかお詳しい方、情報をお寄せください。
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2012年11月24日
12X5
久しぶりに恐怖心を抱く揺れ方をした夕刻の地震でした。揺れ始めから本震の波が来るまでほんの数秒、縦揺れから一瞬で大きな横揺れに変わったときは3.11を思い出してしまいました。「災害は忘れた頃にやって来る」その言葉通り、あの忌まわしい出来事から学んだ多くのことが、日常生活にどれほど生かされているのだろうかと考えてしまいます。地震大国ニッポン、喉元過ぎれば・・などと呑気に構えてなどいられません。何をどう準備しておくか、どう行動するのが最善か、もう一度思い起こしてみましょうね。
さて、昨晩の「december's children」に続き、今夜もストーンズで始まりました。廉価盤の音の粗悪さに悪酔いしないようオリジナル盤で聴いております。
実は私、この「12X5」が一番好きなのでありまして、ストーンズを聴きたいなあと思ったときは昔からこれを好んで掛けることが多かった気がします。チャーリー・ワッツのタイコが合ってなくてもいいんです、ちょっとユル目で彼ららしい演奏が聴けるのと選曲の良さがその理由でしょうかね。裏表があっという間に終わってしまうんで、いつも2回ずつ掛けています。そしてこれが終わると・・
このアルバムへと移るんですが、その流れがとても落ち着くんです。入念なリハのせいなんでしょうか、演奏もかなり纏まっていて安心して聴くことができます。「12X5」の浮き足立った感じが無く、どっしりと構えた雰囲気が伝わって来ますし、楽器のバランスがとてもいい感じです。この時代のアルバムの中では、ビル・ワイマンのベースとキースのギターが一番良く絡んでるんじゃないでしょうか。選曲の良さも「12X5」を上回ってます。秋から冬にかけての季節にはこれがいいですね。
ああ、いつも思ってしまいます。
擬似ステレオではなくMONOで聴けたらもっといいだろうに、と。
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さて、昨晩の「december's children」に続き、今夜もストーンズで始まりました。廉価盤の音の粗悪さに悪酔いしないようオリジナル盤で聴いております。
実は私、この「12X5」が一番好きなのでありまして、ストーンズを聴きたいなあと思ったときは昔からこれを好んで掛けることが多かった気がします。チャーリー・ワッツのタイコが合ってなくてもいいんです、ちょっとユル目で彼ららしい演奏が聴けるのと選曲の良さがその理由でしょうかね。裏表があっという間に終わってしまうんで、いつも2回ずつ掛けています。そしてこれが終わると・・
このアルバムへと移るんですが、その流れがとても落ち着くんです。入念なリハのせいなんでしょうか、演奏もかなり纏まっていて安心して聴くことができます。「12X5」の浮き足立った感じが無く、どっしりと構えた雰囲気が伝わって来ますし、楽器のバランスがとてもいい感じです。この時代のアルバムの中では、ビル・ワイマンのベースとキースのギターが一番良く絡んでるんじゃないでしょうか。選曲の良さも「12X5」を上回ってます。秋から冬にかけての季節にはこれがいいですね。
ああ、いつも思ってしまいます。
擬似ステレオではなくMONOで聴けたらもっといいだろうに、と。
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2012年11月23日
abkco(アブコ)の謎
デッカ時代のストーンズのアルバムは今でもLP盤でほとんど持っています。好きでしたから。けれど今では針を通すことが無くなってしまいました。だって片面が終わるのがあっという間で掛け替えるのが忙しないんですもの。
そこで今夜は廉価盤の宝庫アブコからリリースされていた2枚組のアルバムを引っ張り出してみました。初期から「山羊の頭のスープ」あたりまでのヒット曲を集めた内容の物ですが、このチープ感がムンムンしたジャケットが嫌いで一度も掛けたことの無かった代物です。おまけに1枚目のA面には9曲も収められているもんですから、細い音溝がレーベルのすぐ近くまで無理やり刻まれていて音が悪いやらダイナミック・レンジが乏しいやらで、レコードの質としては最低に近いものであることが私を遠ざけていた理由でもあるのでした。
でもね、ジャケットの品が悪かろうが音が悪かろうが、曲数が多いんなら掛け替えの手間も省けるってことですから、こうしてパソコンに向かいながらでも気兼ね無く聴いてられるんじゃないかと思い、今夜初めて中身を取り出してみた次第なのであります。が、笑っちゃうほど音質は悪いです。圧縮のし過ぎなのか、音圧がワウっぽく変動するほどに。
アブコという会社は謎が多くて、いったいどうやって版権を手に入れたんだろうと不思議に思うようなアーティストのベスト盤を安価で数多くリリースしていました。当然マスターはオリジナルじゃないんでしょうけど、カッティングの粗悪さは相当なものです。そんなこのアルバムですが、日本ではRVCから(まともな価格で)販売されていたというのが驚きでもあります。お?B面の「黒くぬれ!」から突然音質が良くなりました(笑)
ふと中を覗いてみると、ライナーノートを今は亡き中村とうよう氏が書いていました。呟きにも似た短い文章ですが、ストーンズを己の座標軸と表現するあたりは流石ですね。
さてさて2枚目にしてみましたが、この盤の音は明らかに変ですな。コンプ掛け過ぎのワウッた音だけじゃなく、時折回転が落ちたようなピッチの変化まで生じます。いわゆる回転ムラ的な音、あーなんだか気持悪くなってきました。悪酔いしそうなので他のディスクと取り替えることにしましょう。聴きたいときは手間暇を惜しまずにオリジナル盤で聴け!ってことかもですね。教訓になりました。
それにしても、当時こんな粗悪品を正価で販売したRVCに苦情は無かったのかしら?私は白ラベルのサンプル盤だったので被害はありませんでしたけど・・
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2012年11月22日
DO YOU BELIEVE IN MAGIC
近頃はリスナーに徹するばかりで、暫くの間ライブからは遠ざかりそうな雲行きであります。なんたって楽しいんですもの、古いアルバムの音の中に思い出や新たな発見があったりして。まさに温故知新ですな。自身の原点を掘り起こして見つめ直すことも時には必要なんでしょう、きっと。ある意味、旅みたいなもんだわなあ~と思いながら毎夜さまざま聴き漁っています。
今夜はジョン・セバスチャンから始まりました。このファースト・アルバムも実に良い内容です。MGMのアナログ盤は傷みが激しくてトレース出来ないのでリプリーズ盤のCDで聴いてますが、この時代のマスター音源は時折歪んでる箇所があるようで、ジリジリと割れ気味の音はアナログ盤のせいだけじゃなかったようです。(ステファン・スティルスのセカンドあたりにも、ストリングスの入った分厚い音の部分で少し歪んでいる所がありましたから、ミックス・ダウンの時にオーバー・レベルだったのかも知れませんね)
他のアルバムをもう一度聴き直してみたいなあ・・そう思ってはみても、「フォー・オブ・アス」も「ターザナ・キッド」も「ウエルカム・バック」も、みーんな手放してしまっていて手元には残っていません。なんてこったい!それじゃあとAmazonを見てみると、どれもびっくりするくらい値が上がってました。廃盤だらけなんですかねぇ?米国盤で持っていた物すべてを売り払ってしまったことが悔やまれます(泣)
因みにこのジョン・セバスチャン・ファースト、レコーディングの最中にリプリーズと契約したことから、全く同じ内容のアルバムがジャケット違いでMGMとリプリーズの2社から発売されたという経緯があるんです。契約切れのMGM盤は初回プレスのみだったそうであまり市場には出ておらず、我が家にあるこれはかなり貴重な代物のようです。ただし、所有権は女房。彼女が高校生の頃に「ジャケット写真の良い方」を選んで購入したそうです。確かにリプリーズ盤の方はナンジャコリャア~でしたからね(笑)
さて、お次はラヴィン・スプーンフルが流れている今夜の私の部屋、なのであります。
DO YOU BELIEVE IN MAGIC!
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2012年11月21日
You'd Be So Nice To Come Home To
You'd Be So Nice To Come Home To 「帰ってくれれば嬉しいわ」
ヘレン・メリルがクリフォード・ブラウンをバックに歌ったこの曲には、大橋巨泉の「名誤訳」と言われる邦題が付けられました。正確に訳すと「君が待っていてくれるのなら、家へ帰るのはさぞや楽しいことだろう」となるらしいのですが、誤訳とは言えあまりにも素敵なタイトルだったのでそのまま世に出されたというのが真相のようです。確かにこのジャケット写真と、切ないほどの彼女のハスキーな声を聴いてしまうと「帰ってくれれば嬉しいわ」そう歌われていると思う方がより現実的に感じてしまいます。
私は40年ほど前にこの歌を初めて耳にした時に、原題と邦題の両方を同時に覚えてしまいましたから、今でも誤訳の方がすんなりと入って来るんですが、この時代の音楽や映画の「邦題」には、それと類似した傾向が数多くあったように思えます。誤訳とも意訳とも取れない、かなり微妙な線であっても真実が伝わって来るような、今で言うキャッチ・コピーに近いものだったんじゃないでしょうか。当時のレコード盤のタスキに記された邦題もその典型でしたから、情報の少なかった時代に私たちはそこからイメージを膨らませ、様々に想いを巡らせていたものです。それらから思いもよらず恩恵に授かることもあるのですから、間違いというもの全てが悪だとは決め付けられませんよね。非常に難解な日本語の言葉と文法、受け止め方によって意味が変わってしまうのは避けられないことですし、受け手側の自由な解釈に委ねられるのはむしろ素敵に思えます。
それにしても、このアルバム・ジャケットは素晴らしいですね。私のお気に入りの一枚です。チューブのコンデンサー・マイクに向かって歌うその顔、そしてマイクのボディに重ねた文字、レコーディングのリアルさが伝わって来る秀作です。私にとっては、この写真と「You'd Be So Nice To Come Home To」は、今でもイコールであり続けているのです。
「帰ってくれれば嬉しいわ」
その叶わぬ想いが、今夜も焼酎と共に更けて行きます。
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