2013年11月13日

聖マリアンナ病院にて 1997



容赦ない寒さに縮み上がってます。
人間は弱いもんだなあ・・と、思っていたら
暖かな家でぬくぬくと暮らす飼い猫はもっと弱っちいようで
晴れた日は出窓でお日様を背に受け心地好く眠り
冷えた夜にはファンヒーターの上に座ったまま体を動かそうとしません。


おまえさあ、野良猫さんは過酷な環境に居るんだよ。
そう諭しても知らん振りされます。
たぶんこの子、もう外では暮らせないですね。
いいよ、一生ここで暮らしなさい。



2005年、三十数年ぶりに再びライブを始めた私。
その沈黙の期間中は家で子守唄を作ったり歌って聴かせたり
はたまた関わっていた子供ミュージカルの舞台音楽を制作したりと
どこかしらで音楽とはずっと繋がっていました。
レコーディング機材を買い揃え、私の部屋はちょっとしたスタジオ風情でしたが
その引き篭もり環境ではどうしてもポップな作風の物が出来上がってしまいます。
故に現在の私の歌からは想像もつかないような音源が沢山残っているのです。
自分でも赤面してしまうほどのそんな曲を、これから少しずつ紹介して行こうかと
大胆にも「蔵出し」を宣言させて頂きますので宜しくお願い致します。
なにぶん、全てのパートを一人でこなしているもんですから
お聞き苦しい箇所が多々ありますので笑って聞き流して頂ければ幸いです。

まずは1997年、
リンパ線の手術で生涯初めての入院生活を経験したことを歌にした
「聖マリアンナ病院にて」から。
なんとなくやりたいことは解るのですが、如何せん出来栄えが・・(苦笑)
わずか16年前とは言え、若気の至り!!

http://kazura-sound.up.seesaa.net/image/maria64k.mp3

夜明けと共に目を覚まして
東の空染めてく太陽に祈る
今日も一日何事もなく終わりますように
聖マリアンナ病院にて
朝焼けの眩しい窓辺に立ち
麗しき微笑を讃えしは母なるマリアンナ

ここでの暮らしにも慣れて世間話で暇潰す
訳もなく相槌打てば退屈な時間さえも苦にならない
聖マリアンナ病院にて
秋晴れの青い空を見上げ
色付いた森の中で穏やかな午後を祝うマリアンナ

無精髭伸ばし
やるせないような気だるさに
眠れぬ夜は宙を睨んで
狂おしいほどに暗い沈黙

聖マリアンナ病院にて
新しい朝を迎えるならこの身を捧げましょう
神の手に抱かれマリアンナ

どれくらいの間寝てたのか
橙色の陽は傾き
目に映る何もかもが黄昏の中で肩を寄せ合う
聖マリアンナ病院にて
夕映えの空を渡る鳥
目の前の世界中が安らぎの時を刻む
マリアンナ

「聖マリアンナ病院にて」

*

2013年11月12日

冬の時代1991



列島各地が12月中旬並みの寒気に覆われています。
北国では本格的な雪が降り、横浜は乾燥した空気に包まれて
季節は急激に冬へと移行しているようです。
ほんの少し前までは汗ばむ陽気の日もありましたから
気温の変化に体がまだ対応できないせいか余計に寒く感じます。
風邪をひいてしまうのは、こんなタイミングなんでしょうね。
気を付けなきゃ。

休日だった昨日はアナログ三昧に明け暮れ、
手当たり次第に何枚のアルバムを聴いたことでしょう。
実に楽しき一日でありました。
次の休日はタチバナ・レコードへ出掛け、掘り出し物を見つけようかしら。
レコファンほどに大きな店舗だと、全部見るには疲れてしまいますから
鴨志田のあれくらいの器のお店がちょうどいいんです。
店主は面白い人だし、価格も良心的なんですよ。http://m-tachibana.com/

ところで、ピクチャー・レコードって覚えてますか?
半透明の盤面にジャケット写真や顔が刷り込まれたLPレコードなんですが
一時期に流行してずいぶん沢山の種類が売り出されていました。
私も何枚か持ってましたけど今は1枚も手元にありません。
あれは確か海賊盤の部類で、あろう事かアビーロードまで出ていた記憶がありますけど
材質が悪かったせいか音も悪く反りやすいので部屋の飾りにしかなりませんでした。
(紙ジャケットじゃなく透明なビニールに裸で入れて売られてました)

そんなレコードとは呼べないレコード盤、ふと思い出すと懐かしいものですね。
残してあったならヤフオクで高く売れたかも・・(笑)



そういえば、こんな古い音源が見つかりました。
1991年に湾岸戦争が勃発したときに書いたもので
その年の1月か2月に自宅で録音したラフなオリジナルです。
今でもライブでは時折歌う曲なんですが、22年前の私の声が若い!(驚)

「冬の時代」 http://kazura-sound.up.seesaa.net/image/fuyunojidai64k.mp3

*

2013年11月11日

表と裏



東京に木枯らし1号が吹き、列島は一気に冬本番となりました。
北国では本格的な雪が降り、ここ横浜も夕刻からずいぶんと冷え込んできています。
明日の横浜の最低気温は6℃とか。
すでに氷点下となっている地域の方には笑われるかも知れませんけど
北海道で生まれ育ったくせに、私は人一倍の寒がりなもんで
気温が一桁になった途端に縮み上がってしまうのです(笑)

そんな寒さを嫌って外に出るのを躊躇うからでしょうか、
この季節になると無性にアナログ盤が聴きたくなってしまいます。
裸電球の橙色が温かく感じられるように、CDに比べてレンジの狭いアナログ盤の音が
妙に心地好く体の中に溶け込んで来るのは決まってこの時期なんです。
室温が低いと、わずか1.5gほどの針圧で盤面をトレースするプレーヤーにとっては
空気の乾燥と併せて、とても過酷な条件になるんですけどね。

昨年の秋ハードオフにて格安で購入したDENONのターンテーブル、
およそ半年ぶりに電源を入れましたが、今年も快調に回ってくれたのが嬉しいです。
サーボ基板にトラブルの多い機種なので、突然制御が効かなくなる物もありますから
幸い今回は「当たり」だったのかも知れませんね。


左からオーディオテクニカのMC(品番不明)MMのシュアーM-44G、同じくM-97HE、
午後からふと思い立って、カートリッジの針先の手入れを始めました。
この他にもDENONやオルトフォンのMCも手元に有るんですが
どれも皆20~30歳と高齢のため、さすがに高域が歪んだりする始末で
現在使い物になるのはこの3個だけとなってしまいました。

本当はMCの色付けの無い音が好みだったんですけど、
アンプのフォノ・イコライザーの昇圧が片チャンネルだけ不調なものですから
今回からM-97HEという、往年の名器V-15TYPEⅣ直系のMM型に替えてみました。
これ、形が好きになれなくてずっと使ってなかった代物なんですが
(個人的な好みとしてカートリッジは無骨なまでに四角い物が良い)
音質といいトレース能力といい、予想を裏切る好結果となりました。


アナログ時代の晩年に登場したカートリッジだけあり、
当時としては先進的なデザインでしたが私はこの顔付きが好きになれませんでした。
なので25年間、まともに使ったことが無かったのですが
びっくりするくらいどんな厳しい音溝にも喰らい付いて行きますし、
聴感上の歪感が極めて低く、どのアルバムもとても楽しく聴かせてくれます。
どれもが退役時期を遥かに過ぎた物ばかりの中で、これは嬉しい誤算です。
シュアーさん、ありがとう!

すっかり気を良くした私、アルバムを何枚聴いたことでしょう。
そして今はマナサスを掛けながらキーを叩いております。
2枚組なので計4回席を立たなければなりませんけど、それが苦にならない。
(操作に危険な)焼酎を飲みながらも、アナログ万歳!の心境です。


リスナーはA面とB面をひっくり返すことで一息つけて、
ミュージシャン(制作者側)は表と裏で表情や表現を変えられる。
アルバム作りにはそれが欠かせないと、今でもずっと思ってるんですよね。
表と裏、何事もこれ大事!

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2013年11月10日

この世で一番怖いもの



前触れも無く、地響きを伴って突然襲って来る
地震てやつは自然災害の中で一番手強い相手だろう。
今朝の揺れにもかなり動揺した。

けれど呑気な人間にも動物的な本能が幾分残っているようで
強い揺れを感じながらも「ああ、これは大事には至らないな」みたいな
曖昧ながらもその先の予測が辛うじて出来るから不思議だ。
なので就寝中だった今朝は飛び起きることもなかった。

3.11の時は、ただならぬ気配に傍にあったギターを抱えベッドの上に避難した直後に
座っていた場所に棚からJBLのモニタースピーカーが降って来た。
逃げてなければ打撲か骨折、またはギターのボディが割れていただろう。
自然の営みの中の急な変化を感じられなくなった人間でさえも
その程度のことは出来るんだなあと、当時は感心したものだ。

私の故郷、帯広。
ここは過去に何度も大きな地震に見舞われている。
十勝沖地震と呼ばれ、古くから大地震が幾度も起きている場所だ。
1952年、私がまだ母の胎内に居るときにマグニチュード8.2の大地震があり
1968年、高校1年のときにマグニチュード7.9を実体験した。
午前の授業中に木造校舎が不気味な音を立てながら激しく揺れ始め
1階の教室に居た我々は一目散に窓から校庭へと逃げたのだが
よじ登った窓枠が大きく揺れて誰もが地面に転げ落ちた光景を今でも覚えている。
校舎が崩れることはなかったものの、家に帰ってみると分厚い漆喰の壁が剥がれ落ち
壁のあちこちに亀裂が入っていたのにも驚かされた。
そして何度も来る余震、夜には空が明るく輝く発光現象もあり
まるでこの世の終わりを告げられているような恐怖から、眠れないまま朝を迎えた。
あの日のことを、今でもよく覚えている。
トラウマなのか、それ以来僅かな揺れにも敏感になってしまったようだ。

本震の前に来るP波という微弱な振動を察知する者は案外と多い。
寝ているときの私もそうだが、友人知人にも数多く居る。
ただし動物的感覚のそれであっても本震直前の1~2秒にしか過ぎないのだ。
その極めて僅かな時間の前触れを感じ取ったとしても
防衛手段の役に立たないところが地震の怖さなんだろうな。
敏感な野生動物たちとて、逃げ出すことは出来ても助かる保証は無いわけで
地上には逃げ場が無いという共通点だけが虚しく浮き彫りになる。

やはり地震は怖いものだ。

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2013年11月9日

燃費



今年も登場しました。
安いのに丈夫で長持ち!電気ストーブ。
かれこれ10年ほど使ってますが、故障や断線は一度もありません。
今の時期は400Wだけですが、中旬くらいからは2本点けて800Wになり
そして冬本番を迎える頃に、その座を灯油ストーブに明け渡すのでして
これが私の部屋の毎年のローテーションなのであります。
夏に新調したエアコンと、どちらが電気を喰うのか定かではありませんけど
天井から乾いた風が出て来るよりは、こちらの方が何となく好きなんです。

そして昔ながらの灯油ストーブ。
換気は必要になりますけど、部屋に適度な潤いを与える湿った暖気がいいですね。
天板でお湯が沸かせるのも重宝で、いつでも熱々のお湯割りが飲めるのも便利です。
加湿器なんて必要ありません。

とは言え、昨年からの灯油の高騰は続いてまして
数年来お付き合いしている業者の、今年の初値は18Lで¥1950でした。
年内に2千円の大台に乗るやも知れない現状、これは痛いです。
リッター¥108なんて、ほんの数年前ならガソリンが買えますもんね。
10年ほど前の倍以上に跳ね上がったまま値が下がりません。

エコ・ドライブと称して自動車が低燃費を競う昨今、
灯油を使う暖房器具にも革命的な技術開発は出来ないのでしょうかねぇ?
ハイブリッド・ファンヒーター!リッター30時間!!とか・・
残念ながら、どこのメーカーのカタログにも「燃費」は触れられてません。
高価な油を燃焼させるんですから、あっても良さそうな気がするんですけどね。

そんなこんなで、
今年も間もなく冬がやって参ります。
寒い寒いと縮こまり、私の体までもが燃費が悪くなるのです。

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2013年11月8日

乗りかかった船



12月12日(木)『週刊 永遠のゼロ戦プラモデル』創刊!!

・・こういうの、やめてくれませんか。
店頭で見掛けるとつい買ってしまいますから。

なになに?全20巻の付録を組み立てると
二一型、三二型、二二型、五二型の1/72スケールの零戦4機と
空母の甲板を模ったパネルが出来上がるんですって!?

・・いやいや、そんなジオラマ飾る場所もありませんから。

ま、創刊号に二一型の全パーツが入っていれば1巻だけは買うでしょうな。
ケチ臭く小出しにしてたら絶対に買いません、はい。
講談社さん、デアゴスティーニのように創刊号だけは大サービスしてくださいよ!

それにしてもこのモデル、精巧な作りやなあ~



さてと、今宵もまた
カミさんの求める(理想的な)リュックサックをネットで捜すとしますか。
なんたって注文が多すぎて見つからない!
二晩続けて長時間パソコンと睨めっこなもんで疲れましたけど
乗りかかった船・・て、やつでしょうか。ひいーっ!

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2013年11月5日

古典



この時期になると無性に聴きたくなってしまうのがこれ。
「RCAブルースの古典」と、矢吹申彦さんがジャケットを手掛けた「続・RCAブルースの古典」
どちらもRCAビクターからリリースされた3枚組のオムニバス・アルバムである。
中村とうよう、日暮泰文、鈴木啓志のお三方がライナーを書いていて
その分厚い解説を読みながら耳を傾けるのもアナログ盤の醍醐味。
ただしディスクが計6枚、裏表12面もあるのでなかなか聴くことができない代物なのだ。
それでも寒くなって来るとアナログ盤が恋しくなり、何故か真っ先にこれを聴きたくなる。
酒を飲んでディスクをひっくり返したり、針を降ろしたりするのは危険が伴うものだが
我慢できず深夜に掛け始めてしまい、機材や盤面を傷めることはなかったとしても
そのまま眠ってしまって、朝までプチンプチンと回りっ放しだったこともある。

けどだからと言って、これがCDでは味気ないのだ。
紙ジャケットから漂う黴の臭いを嗅ぎながら、
或いはピックアップが微かに上下に揺れるのを横目で見ながら、
拘りではないが、そうして相対するのがブルースには似合っている。
もちろん酒も欠かせない。

ただ、私の手元にはこの2巻と数枚のアナログ盤しかブルースの音源は残っていない。
それが残念だ。
戦前、アメリカ各地に居た無名のブルースマンの演奏を
フィールド・レコーディングで収録していたヤズーというレーベル、
若い頃はそのアルバムを見つける度に買い集めていたものだったが
全て売り払い、今じゃ1枚も残っちゃいないのだ。
・・おおブルースの神よ、お許しください。

おっといけない、ブルー(ズ)と表記しなければ
西荻窪の店の女将に叱られてしまうな(笑)

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