2014年3月10日

忘却


仕事帰り、セブンイレブンに寄ってPB焼酎を買って来た。
巷の噂では芋職人が案外と旨いらしいんだが高いので
サトウキビ糖蜜、2.7Lで¥1280という安い物にした。
酒は安酒が旨いものなんだよ、うん。
とは言えお湯で割ってみたけれど、可もなく不可もなく味はよくわからない。
まあ、焼酎ってぇのはこんなもんさね。
出しゃばらず控えめに、己の存在を主張しないところがいいのだよ。
奥ゆかしいねえ。

三月も中旬だというのに
列島各地から今日も降雪のニュースが届く。
3年前の今頃も寒かったよなあと思い出すその先に
テレビが映し出した恐ろしい光景の記憶が鮮烈に蘇る。
或る日突然、日常の全てを押し流されてしまったり
住み慣れた土地を不条理に追われることもなかった僕ら。
痛みの伴わない記憶は、あらかた消去されちまってる。
それが怖い。

天災という名目で、誰も責任を問わないのがこの国のやり方らしい。
ニュース番組の特集を観ながらそう感じた。
戦後と同じだ。
投げ出された国民は泣き寝入りするか
或いは気丈に己の力で立ち上がらなければならないなんて
恥ずかしいくらい文明国家とは程遠い現実が未だにある。

この国は忘却の上に成り立っているようだ。
その国家が踏み潰した大地の下に、物言わぬ温厚な国民が居る。
いつの時代も、そうして歴史を刻んできたのが
ニッポンという国なのだ。


今夜も冷える。
冬が再びやって来たかのような
北風が冷たい一日だった。

灯油ストーブかエアコンが無ければ凌げなかった前の家とは違い
このシンプルな電気ストーブで僕の部屋は十分に温まる。
ありがたいことだが、
東電に貢いでいることを思うと後ろめたい気分になってしまう。


*

2014年3月9日

ちびちびと・・



昨日買い物へ出掛けた後に
何か買い忘れた物があるような気がしていたが
冬の夜のお供、芋焼酎を買い損なっていた。
あらら・・あと一杯分くらいしか残ってないじゃないか。
コンビニまで3分なれど、寒い深夜に外へ出るのは嫌だ。
こんなとき、人は何故ちびちびと大事そうに飲むのでしょう?

そういえば、二十歳頃の貧しかった時代
腹いっぱいになるほどの食事とは無縁だったから
できるだけよく噛み、長い時間を掛けてゆっくり食べたものだった。
あれと同じ感覚なのだろうか。

ま、どうでもいいさね。
今夜はナッシュヴィル・スカイラインから始まった。
コロムビアの真っ赤なレーベルが好き。

*

2014年3月8日

朝がカーテンの隙間から漏れ・・



11年の時を過ごした南本宿の豪華庭園付き戸建てを離れ
猫の額ほどの庭がある緑園都市のテラスハウスへ越して来ました。
慌しく重労働だった転居から十日が過ぎ、室内の整理もほぼ終わった折に
いいタイミングでインターネットも昨日ようやく繋がりましたので
ご挨拶方々、久しぶりのBlog更新にてお知らせさせて頂きます。

今宵のお供はニルソン「夜のシュミルソン」
このスタンダードなストリングスの音が、とても心地好く部屋に響いています。
音量は控えめ過ぎるほどに小さく、左右を縮めた音源はモノラルに近い状態ですが
これぞBGM!といった按配です。


モニタースピーカーはJBL 4312M。
箱はコンパクトですけど、とても厚みのある音で鳴ってくれてます。
深夜に音量を上げられないときなど、これは重宝ですね。
パソコンやオーディオ機材をセットしたデスクに座ると音源は左方向からになりますが
こんなセッティングにはモノラル音源がとてもいいんです。
(以前はスピーカーの中央に居なければ納得できなかったんですけど・・)笑


深夜の定位置はこんな感じです。
デスク側が北、右手が東、相変わらずの北部屋が僕の隠れ家ですが
窓が2面にあるのはいいもんですね、東の窓から差し込む朝の陽射しは格別!
「朝がカーテンの隙間から漏れ 横たわる君を優しく包む・・」みたいな、
密かにゆでめんの世界を満喫しております。

狭いながらも楽しい我が家とはよく言ったもので
建屋も敷地も大きかった以前の住まいに比べると不便を感じることもありますけど
逆にその凝縮された空間が心地好く思えるから不思議です。
しかもそんなに良い造りではないであろう2X4のこの家、
機密性が高いようで気温の低い日でも室内は暖かいのです。
北向きの僕の部屋でも800Wの安い電気ストーブで十分に温まります。
高騰の灯油不要!これはかなり有り難い話ですよね。
(南本宿の家は寒かったからなあ・・)


南向きの1階のリビングには間口2.7mの大きなサッシがあるもんで
猫もお昼寝の場所としては快適なようで(毎日)寝てばかりいます。
ただし引越し当日のドタバタ以来、知らない人間の出入りには神経過敏になってしまい
今でも見知らぬ人間の来訪には神経を研ぎ澄まし警戒しているようです。
人間も猫も、ここ数日で平穏を取り戻しつつあるとは思いますがね。

かずら的日常、新天地で再起動です。
2週間のご無沙汰でしたが、これからもご贔屓に。

*

2014年2月21日

ご~き~げ~ん~よ~~~♪


荷物整理に追われ、Blogに書き記すまでは至らぬ現状の今日この頃。
TwitterやFacebookで時折呟くのがやっと。
そうこうしているうちに、そろそろパソコンも片付けなきゃの時期。
光回線の移転には高額な費用がかかるため
転居先では別のプロバイダーを利用することに決めている。
つまり片付けるということは、しばらくの間ネット回線が無くなるということ。
そんなわけで「かずら的日常」は来月中旬頃までお休みする予定。
iPhoneから更新できないわけではないけれど、
こればっかりはキーボードを叩かないと上手く書けないのでね。
日常に向かい合う、そんな姿勢が必要なのよ。
・・なんちゃって。

ここ3週間ほどの間に、楽器や機材をたくさん処分した。
20年以上の歴史を刻むラックマウントの大型機材から始まり、
モニタースピーカーやら使っていない楽器やら。
大勢の方々の協力により、僕の変態じみた諸々が家から去って行った。
寂しくなるのかなと思いきや、なんだかすっきりした気持ちの方が強いのは
やはりその変態じみた数量の多さからであろう。
今日も3本、ブロロロ~ンと我が家までやって来た某白髭氏に持ち帰って頂いた。
ありがとうね。


大阪へ嫁いだCASINOも、無事新しいご主人の手元に届いたようで
言ってみればその旦那さんとなった人とは親戚みたいなものか。
こうして新たな血縁関係?が生まれるのであった(笑)

まだまだ、某お店に届けてあげなきゃならない音響機材や
この機会に処分しておきたい楽器が数本残っている。
そろそろ日程的に厳しくなってきたので、この続きは転居後だね。

改めて、今回の「処分劇」に関わった諸君!ありがとう!!
いずれ落ち着いた頃にでも飲むとしようぜ。
それでは皆さま、
ご~き~げ~ん~よ~~~♪

*

2014年2月17日

帰って来た女


関西方面からの帰り道、運悪く大雪に行く手を阻まれ
2泊6日の長き旅からようやく帰浜した友人の道中記が、不謹慎ながらとても面白かった。
もしも僕がその状況に遭遇したとしたなら、とても平常心など保てなかったことだろう。
苦痛や不安を笑いに変える彼女の行動と文章を見ていると
こんな人間ばかりなら、おそらくこの世に争い事など起きないのだろうと思う。
気が遠くなるほど長い時間を、一人車中で過ごした陰には
他人には吐露できない悶々とした心情を抱え込み、泣きたくなる瞬間もあったに違いない。
それを決して表に出さないまま、いつもの陽気な口調で戻って来た彼女。
もはや天晴れとしか言いようがない。
今頃は慣れ親しんだベッドに潜り、安堵感いっぱいで寝ているだろう。

ゴールインおめでとう。
君は大雪に見舞われた僕らの憂鬱を振り払ってくれた。
ネットの繋がりがずっと自分を励ましてくれていたと君は言うが
いやいや救われた気分になったのは、むしろ僕らの方だ。

どんなに悲惨な災害時にも、その現場には心温まるいい話があるものだ。
逆にその光景をぬくぬくとした家の中で見ているだけの者は
己に降りかかる災いなど何ひとつ無い筈なのに、無尽蔵に買占めや買い溜めに走り回る。
3.11がそのいい例だった。
分け合う、譲り合う、負担を背負うという意識が希薄な都会人たちは
我先にと不足し始めた飲料や食料、燃料を買い漁っていたのだ。
それも不必要なくらい大量に。
これは決して危機意識ではない、単に贅沢なだけだ。
腹いっぱい喰いたいという欲、それだけだ。

今日もスーパーのレジにはカートをいっぱいにした主婦たちが並んでいた。
あんたら、どれだけ喰うんだい。これから冬眠でもするつもりなのかい!
パンはほぼ売り切れ、冷凍食品の棚も隙間が目立っていた。
水曜の天候が怪しくなってきたせいもあるのかも知れないが
何もそこまで買い漁らなくたっていいじゃないかと僕は思うのだが・・

そのおぞましいほどの光景を見ていると
都会っていうのは、苦労を嫌う者たちが棲み付いているのだなと改めて思ってしまう。
こんなに便利で、豊富な物資がいつでも手に入ることに慣れすぎてしまっているのだ。
もしも首都圏で壊滅的な大きな災害に見舞われたとしたなら
その惨状よりも、その後のことの方が不安でならない。
生き延びた者たちの貪欲さが凶悪なほど排他的になる事態が恐ろしい。

神様どうかお願いだ。
堕落した僕らにそんな試練を与えぬようにしておくれ。
殺し合いになっちまう。

*

2014年2月16日

戦時放送、なのか?



ピカピカの青空と白い雪のコントラスト、
そこを吹き抜ける北風は、正に北国の臭いぷんぷんでした。

一夜明け、太陽光で融け始めてはいるものの
二日目の状況としては、やはり前回よりも深刻な印象です。
オリンピック優先で全く報道されることの無い山梨の惨状や
群馬、或いは東京の西部でも孤立したままの地域があるそうですが
この国のトップと公共放送はいったい何をしてるんでしょう。
14日から今日に至るまで、ずっと非常事態であることは間違いない筈なんですがね。
僕の住む町のスーパーやコンビニ、今日も食品棚が空っぽでした。

いつもなら(新品の)防災服に身を固めているであろう内閣府の者たちよ、
何故に今回だけはあのパフォーマンスを演じないのだ?

それを見たいわけではありませんが(むしろ茶番は見たくない)
不思議が多すぎる今回の大雪災害であります。


ネットに驚愕の映像があったので拝借してきました。
富士山の向こう側、氷河のように見えるのが山梨県全域だそうです。
その手前右側が富士吉田や河口湖界隈、信じられない光景に唖然とします。
陸路も空路も閉ざされ、自衛隊員がスキーを履いて救援に向った場所もあるほどなのに
メダル獲得の報道が優先され繰り返されるばかりのテレビを観ていると
その昔の大本営発表とダブッてしまうのは僕だけなのでしょうか。
怖い流れを感じてしまいます。

さて、
苦情や問い合わせが殺到している仕事場の皆さんには申し訳ないのですが
大量・広範囲の雪掻きでダメージを受けた腰では悪路を歩くこともままならず
本日も(ちゃっかり)お休みをさせて頂きました。アシカラズ。

明日は前回の大雪で延期となった転居先の鍵交換工事の立会い。
なんとか駅まで歩き、電車で現地へ向う予定です。
あっちの家は駅から徒歩3分なので、最寄り駅まで辿り着けば問題ないでしょう。
あ、東京ガスの開栓立会いも明日だった!
こりゃ絶対に行かねばなるまい。

*

2014年2月15日

大災害と肝に銘じるべし



9日に続き、本日もTシャツ1枚で大汗かきながらの雪掻き。
まさか週に二度もこんなことがあるなんてねえ。
しかも今回の方が積雪が多く、水を含んだ重たい雪。
掻いてるそばからびしゃびしゃの水が溜まって行きます。
ふだんは重宝している広い敷地も、除雪となると大変な労力を要し
およそ2時間ほど酷使した体は腰痛復活でギブアップと相成りました。
一応、門から外へ車を出せるだけの幅は確保したのですが・・


前回と異なり、車が行き交う道路の除雪は全く成されておらず
人も車もほとんど通っていない(通れない)状態でした。
舗道にはわずか30Cmほどの幅しかない通路、車道はご覧の有様です。
昨晩遅くに徒歩で帰って来た時に比べりゃまだマシですけどね。
(昨夜は一面真っ白で誰か通った形跡も無く、深い所で40Cmくらいありましたから)


明けて今日、通りを行く車の数は異常なほど少なく
チェーンを巻いた車でも硬いデコボコの雪面に苦労しながら走っていました。
明らかに前回以上の、自然災害と呼んでいいほどの光景で
こんな状態が放置されていること自体が異常だと思えます。

僕の地域は、新聞の配達もゴミの収集も来ませんでした。
むろん郵便や宅急便の車が走っている筈もありません。
立ち寄ったコンビニの棚に、弁当やパンがひとつも残ってないのを目にして
都市機能が麻痺した重大な被災状況であることを再認識しましたが、
電気もガスも来ていて家も潰れてなければ、
それを「被災」と思う人間は少ないのかも知れません。


昨日の深夜、東横線が駅構内で追突する重大な事故がありましたけど
天下のNHKはソチ五輪の映像にニューステロップを流すこともしませんでした。
帰宅難民が発生するやも知れない重要事項がリアルタイムで報道されず
TwitterやFacebookでそれを知った方がほとんどだったと思いますが、
これもまた極めて異常な現象です。

東名高速上り線の一部で最大50Kmに及ぶ立ち往生が丸一日続いたり
おそらく報道されてない地域の悲惨な現状もある筈ですが
民放を含めテレビは五輪一色に染まっていて
呑気な人間たちに注意喚起する姿勢が全く見受けられないのは何故なんでしょう?
如何にO型の僕とは言え、首を傾げたくなります。

明日は朝から晴れるので幾分は改善されると思いますけど
ひとたびこのような状況に陥った都市機能というやつはとても脆く
その影響が暫く続くことを肝に銘じてほしいものです。
いくら自宅前の雪が少なくなったからと言っても、物流の乱れは当分続きます。

皆さんにお願い!郵便や荷物の発送は極力控えてください。
必着の物なら自分で何とかしてください。
期日を守り時間に正確な我が国の物流システムは
その緻密さゆえ一度狂いが生じると大きな混乱を招くのです。
天候やタイミングをよーく考えてから行動しましょうね。
待てない人、待たせたくない人は、絶対に自分で何とかするべし!

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