2011年11月17日

You'd Be So Nice To Come Home To



冬になるとジャズが耳に心地好い。
特に年末が近付くこの次期になると、この歌がとても沁みるのだ。
「You'd Be So Nice To Come Home To」
ヘレン・メリルのハスキーな声とクリフォード・ブラウンが絶妙に絡む素敵な曲。
何度か再録音されているが、マーキュリーのこのテイクが一番いい。
おまけにこのアルバムジャケット、チューブの大型コンデンサーマイクの前で
顔をしかめて歌う彼女の写真にはいつもきゅんとさせられる。
音もジャケットも、モノラル時代の名盤だ。

ちなみに邦題は発売当初から「帰ってくれたら嬉しいわ」で通っているのだが、
一説にはジャズ評論家であった大橋巨泉の大誤訳と言われている。
末尾の「to」が違う意味を持つらしいのだ。
直訳すると「君が待っていてくれるのなら、家へ帰るのはさぞや楽しいだろう」となり、
かなりニュアンスが変わってくる。
けど不思議なもので、ユー、ビッ、ソーと歌い始めるヘレン・メリルの擦れた声には
その間違った訳の方が何だかしっくりする。
邦題とはそんなものだし、心に響けばそれでよいのだ。

ああ、それにしても
モノラル録音て、音が太くていいよね。
決してローファイなんかじゃない、音溝にはちゃんと息遣いまで刻まれているし
楽器の定位だって(モノなのに)しっかり伝わってくるから不思議。
ジャズはモノラルに限る!


2011年11月16日

私の青空



青空と言えば、
1928年にジーン・オースティンが歌った「My Blue Heaven」も名曲だ。
日本では「私の青空」として、エノケンの歌で親しまれた。
仕事を終え、家路を辿るオヤジの歌である。
短い詩の中に、人としての営みと幸福の答えが記されている。



私の青空

夕暮れに仰ぎ見る 輝く青空
日暮れて辿(たど)るは わが家の細道

せまいながらも 楽しい我家
愛の灯影(ほかげ)の さすところ
恋しい家こそ 私の青空

(日本語詞:堀内敬三)



この曲を高田渡が歌う映像がある。
私はこれが好きだ。



ペダル・スティールは息子の高田漣。
鼻筋の通ったその端正な顔立ちは
髪型をちょっと変えると、若い頃のディランに似てる。
彼もまた、素晴らしいミュージシャンなのだ。



2011年11月15日

Blue Skies



今夜は北風が強い。
どうやら冬がすぐそこまで来ているようだ。

北国で生まれ育ったせいなのか、私は冬の青空が好きである。
見渡す限りの白い雪原と、真っ青な空が織り成す世界には
その場に立ち竦んだ者にしか知り得ない自然の素晴らしさがある。

けれど、その青い空を見上げるとき
清々しさとは裏腹に、思い出の中の悲しみが込み上げてくるものだ。
己の小っぽけさを知った悔しさからなのだろうか。

私の好きな歌に「Blue Skies」がある。
その中でもエラ・フィッツジェラルドのバージョンが一番好きだ。
大袈裟に青空を歌い上げるわけではなく、
私が見上げた空と同じように、どこか憂いを秘めた「青空」だからだ。
いや、そうではなく
この曲、やはり全編に漂う憂いがある。
このやりきれない悲しさは、いったい何なのだろう。
1920年代に上演されたミュージカル「ベッツィー」の中で歌われたこの曲、
そのストーリーに秘密があるのかも知れない。



「Blue Skies」

青い空が私に微笑んでいる
青い空の他に、私には何も見えないわ

青い鳥が歌を歌っている
一日中、聴こえてくるのは青い鳥の歌声だけよ

太陽がこんなにも眩しく輝くのを
見たことがなかったわ

物事がこんなにも上手く行くとは
想像したこともなかった

恋に落ちると
毎日があっという間に過ぎていくものね

私の毎日も
ああ、なんてあっという間なのかしら

憂うつな日々とは全てさようなら
これからはずっと、青い空だけ

(訳詩 東エミ)



YouTubeにロッド・スチュアートが歌う2005年の音源があった。
ややオーバー気味に歌われてはいるが、間奏のストリングスがやはり物悲しい。







2011年11月14日

上を向いて歩こう



「私にとってのSukiyaki(「上を向いて歩こう」)はジョン・レノンがstand by meに込めた思いと同じだと思います。命が宿っているような曲と出会うと、その一部に関わりたくなるんです。私たちのようなソングライターは言葉とつながっている。素晴らしい意味を持つ曲は歌いたくて仕方なくなるのです。」(ベン・E.キング談)

ベン・E・キングの震災復興支援アルバム「Dear Japan」が16日に発売される。
日本語で歌われる「上を向いて歩こう」と「スタンド・バイ・ミー」が収録されているが
海の向こうから届く愛のメッセージに感謝しよう。

「sukiyaki」とタイトルを変え全米でも大ヒットした九ちゃんの名曲。
日本人なら誰でも知っているその曲が、
ビルボードで1位を飾った唯一の日本の歌でもあるのだ。

歴史は語り継がれ、歌は歌い継がれる。
それこそが一番素敵なことだと思うのは、私だけじゃないだろう。


2011年11月11日

快挙!

私と同世代の方であれば、深夜のラジオ放送から流れて来たS&Gの「サウンド・オブ・サイレンス」に似たギターフレーズで始まるスキャットが清々しく聴こえた思い出があることだろう。
その「夜明けのスキャット」を歌った由紀さおりのニューアルバム「1969」が、アメリカで大ヒットしているらしい。iTunesのDL数ではジャズ部門で堂々の第一位と聞くと何だか嬉しくなってくる。

そもそもはアメリカのオレゴン州で94年に結成され、その後脚光を浴びた13人編成のオーケストラ、ピンク・マルティーニが2007年にリリースしたアルバムの中で由紀さおりの「タ・ヤ・タン」をカバーしたことから始まる(このオーケストラにはチャイナ・フォーブスという女性ボーカルが居て、歌姫を擁した往年のスタイルが受け継がれていることでも評判となった)
この歌姫が流暢な日本語で歌っているのだが、いかにも日本的なフレーズを白人のプレーヤーが演奏していても不思議と違和感がまるで無い。



リーダーでピアニストのトーマス・M・ローダーデールが、アメリカの中古レコード店で由紀さおりの古いアルバムを見つけたのがきっかけだと言う。
ジャズ、映画音楽、ラテン、フレンチ・ポップス、イタリアン・ポップス、そして日本の歌謡曲と、世界中の美しいメロディを発見、カヴァーしてきた彼の触覚とアレンジが素晴らしいではないか。
今年10月のロイヤル・アルバート・ホールでのライブには、ゲストとして由紀さおりが登場し「夜明けのスキャット」他4曲を歌い、アンコールの「マシュケナダ」では観客がスタンディングオベーションで賞賛した模様が彼女のオフィシャルサイトに記されている。http://www.emimusic.jp/pmsy1969/

由紀さおりのニューアルバム「1969」はピンク・マルティーニとのコラボレーションで構成され、
そのタイトル通り、69年当時にヒットした国内外の名曲で埋め尽くされている。
その中から、いしだあゆみのヒット曲「ブルーライト・ヨコハマ」を聴いてみよう。



ラテン系の味付けもまたよし。



2011年11月10日

心の準備に入る


末娘の出産が間近に迫ってきた。
予定日は23日だし、初産は遅れ気味になるもんだと聞いてはいるが
私の予感(勘?)では、早まるような気がしてならない。
もう3000gくらいまで成長しているらしいし、
腹の中で暴れまわっているようなので、早く解放させてあげたい気分。

明日は預かっていた猫を家まで送り届ける役目。
真ん中の美人な子だ。
賢く、働き者だったので居なくなると寂しくなりそうだな。
(後の方でぐうたらしてる子とは姿勢からして違いすぎる)笑

昼間、娘が大きな腹を持て余し気味に迎えに来るようなので
そしたらケージに入れて車に乗せ、娘の家へと向かう。
臨月の妊婦を乗せた車・・運転、緊張するかもな(汗)

何はともあれ
そろそろ落ち着かない日々がやって来そうなのだ。

名前・・決まったのかなあ?


2011年11月9日

意見

いったい何が得策だと言うの?
国や国民にどれほどの利益があるの?
失うものはないの?
冷静に考えて、十分な議論を重ねた上で
交渉の席についてもらわなければなるまいて。
今や売国奴と化した政権与党よ、参加表明を急ぐな!

TPP協定に、私は反対だ。
おそらく国民の大多数がそうだろう。
一握りの大企業と金融機関が潤うだけで
この国の実態が消滅しかねない事態となる。
外交が不得手な「後進国」の人間が、危ない橋を渡ることはない。

サルでもわかるTPP http://luna-organic.org/tpp/tpp.html