2013年11月4日

Slip and Roll



友人がエイミー・マンのことをBlogに書いていた。
ヴォーカルとベースを担当していたティル・チューズデイを経て
その後ソロに転じ、映画「マグノリア」で高い評価を受けるに至ったが
そのライブ・ステージが何とも素敵な53歳の女性である。

(私の大好きな)ギリアン・ウェルチもそうであるように
ギターをしっかりと弾く女性はとても魅力的だ。
おまけにギリアンはJ-50、エイミーはJ-45と、
二人共Gibsonを愛用しているところが私には更にツボなのである。


2012年のBing Loungeでの映像が幾つかUPされているが
このシンプルな3Pの演奏がとても気に入っている。
曲は同年にリリースされたアルバム「チャーマー」からスリップ・アンド・ロール。
・・素敵です。

*

2013年11月3日

11.3



星野が監督に就任した春、あの未曾有の大震災が起きました。
その3.11をひっくり返した数字の今日、東北楽天が優勝を果たしたことが
不思議な巡り合わせのような気がしてなりません。

震災直後、計画停電と称してさほどの被害も無かった都市が闇に閉ざされ
節電の大合唱の下、ネオンやショーウィンドウの灯りを消して
形ばかりの体裁を繕ったのが中央に位置する都会のやり方でした。
新品の防災服に身を固め、テレビの前で原稿を棒読みする閣僚たちを
被災地で必死に生きる方々はどのように見ていたことでしょう。
「不謹慎」というレッテルが連鎖的にそこら一面に張りめぐされ、
伝統の祭りまでもが中止になってしまう不可思議をどう受け止めていたでしょう。
批判を恐れた多くの都会に住む者たちは、自粛という隠れ蓑に逃げ込み
やがて時が過ぎ行くことだけを願っていたように思えるのです。
そんな風潮を、いったい誰が喜ぶでしょう。
結果、支援しなければならない者たちまでもが疲弊してしまい
街には背を丸め暗い表情の、疲れきった市民で溢れてしまいました。

冒頭に何故このようなことを書いたかと言うと
楽天の諸君が、なりふり構わず貪欲なまでに優勝を捥ぎ取ったからです。
ポーズと体裁、セオリーを重んじる(東京)巨人軍とは対照的に
勝ちたい、勝つんだという意志が、皆の顔に漲っていたのは言うまでもありません。
その想いが空回りすることなく、力に転化できたことが素晴らしいのです。
格好に拘らずそれを成し得たことが素敵なんです。

都会の人間やマスメディアは綺麗事しか口にしません。
評論家を自称する者は経験だけを語り、冒険を善しとはしません。
時には無謀だと言いながら嘲笑うことさえします。
則本の中継ぎ、田中の連投を目にして
楽天には他のピッチャーは居ないのか?と言う者まで居ました。
何を馬鹿な、短期決戦にセオリーなど無いのです。
確実に抑えられる投手を起用することに何の躊躇いが必要でしょう?
指揮官と本人の意志だけです。

美馬、則本、田中、このリレーは今日の楽天にとって最善の策であり
そして彼らはその期待に見事に応えてくれました。
地方の弱小球団が、巨大なグループ会社に支えられた伝統ある球団に勝利した
この歴史的な瞬間に立ち会えたことはこの上ない喜びなのであります。
格好ばかりを気にする都会の坊ちゃまたちに一矢を報いた彼ら、
その瞬間を思い出しながら勝利の美酒に酔いしれる私は
まさに「日ノ本一」の幸せ者であります。

最後に、
私を含め日頃は野球を観戦することも無い多くの者たちが
このシリーズだけは熱い眼差しを注ぎ一喜一憂できたのも楽天の功績です。
優等生揃いの読売巨人よ、来期は泥臭く直向なプレーに邁進するべし!

*

2013年11月2日

160球完投


仕事中に5回2-0の情報が入る。
うむ、これなら今夜の胴上げは決定的であろう。
ほっと一息。

21時を過ぎて再び情報が入る。
なにーっ!2-4で逆転だとー!?
帰りの車の中でラジオを聴きながら再逆転を期待する。

しかし、その願いも虚しく8回9回とサクサク終わって行き
いつもより明らかに空いた道を走り抜けると
家に辿り着く頃に試合は終わった。
まさかの敗戦、田中の無敗神話が幕を閉じた瞬間である。

きーっっ!こんなグータッチしてる坊ちゃまたちに敗れるとは!!


このチームの何が嫌いかと問われれば、このグータッチなのである。
意気揚々とベンチに戻る選手を迎える原のお決まりの表情が合わさると
これはもう嫌悪以外の何物でもない。
巨人を飛び出し海を渡った上原の強烈なハイタッチを見慣れたせいか
今年はいつも以上に気に障る。
誰か一人くらい、ガツーンと拳を合わせる選手が居たら面白いのに
お坊ちゃま集団にはそんなキャラの奴は一人も居やしない。
そこがつまらない。

楽天よ、こんなアーバン族に負けたらあかん!

そんな闘志を漲らせた田中のピッチング、
黒星は付いてしまったものの160球完投は天晴れでしたな。
最後まで逃げずに向って行く姿勢はエースの誇りなり。

美馬ちゃん、明日は頼んますよ!!

*

2013年11月1日

アンチテーゼ



本拠地宮城での日本シリーズ第6戦、とても楽しみです。
生憎と仕事のため生で観ることは出来ませんけど
田中クンには日本球界での最後の大仕事を何としてでも成し遂げてもらいたい。
そう願いつつ、明日の朗報を待つことにしましょう。
都会の小奇麗な坊ちゃまたちに、野武士の如き地方のパワーを見せ付けてほしいものです。

人気のセ、実力のパ、と昔から言われてきましたが
今やそのどちらもパ・リーグが上回っていると確信してます。
セ・リーグを衰退させた張本人は、人気に胡坐をかいて
だらだらとしたつまらぬ試合ばかりしてきた読売です。
覇気も生気も感じられない、能面のような顔つきの選手ばかりの
そんな球団には応援する気持ちも湧きません。
長嶋さんが退いて以降、読売の栄華は終わりを迎えたのです。

これからはパ・リーグ(或いは地方)の時代!
野球を面白くするためには、金に物を言わせる読売の権力依存の体質や
一流選手と呼ばれるような優等生を多く抱えるだけでは駄目だということを
楽天の諸君、どうか全国にそれを知らしめてください。
政治に例えるなら、巨人は長期政権当時の自民党そのものなのであります。
野党や参議院といった「良識の府」の存在なくして物事が露にならないのと同じく
たかが野球と言えども、強大な権力と互角に戦うことが求められているのです。
古い言葉では反体制、アンチテーゼは永遠の哲学なのだと私は思ってますから。



・・政治の話はあまり好みませんが、
昨日から話題になっている山本太郎氏の行動、私には全く理解できません。
有識者が目くじらを立てるような政治的な意図などあるわけないでしょうけど
ならば何故、天皇に手紙など差し出すのでしょうか。
天皇に現状を伝えたかったと彼は言いますが、いったい何を天皇に求めたのでしょう。
己の思想や主張を口に出来ない(閉ざされた)皇室という密室で暮らす天皇に
毛筆の手紙を差し出して、いったい何をして欲しかったのでしょう。
パフォーマンスであるということ以外、今回の行動には首を傾げたくなります。
選挙運動中から彼が伝えようとしている事柄には共感を抱いていただけに
保守派の多くの敵が潰しにかかる題材を与える結果となったのが残念です。
頭の良い男ですから、当然その後の反響や批判も分かっていたと思いますが
・・ならば何故?
私には全く理解できないのです。

もしやこれもアンチテーゼ?弁証法のひとつなのでしょうか。

*

2013年10月31日

宮城で決めろ!


所用で早起きしたため寝不足、
楽天も王手をかけたことだし早めに寝るか。

それにしても
則本の気迫、藤田の悔し涙が印象的なゲームだった。
土曜の宮城で決めてくれよ!
国民のほとんどがそう思っている筈。
日頃はG党を自負する者まで
おそらくそう思っていることであろう、きっと。

2連覇?小さい小さい。
V9に比べりゃ、そんなもん吹けば飛んでく記録ですわ。
球団創設9年目、シリーズ優勝経験無しの星野に
ここはきっちりキメてもらって、気持ち好く田中をメジャーへ送り出しましょうよ。

そうそう、海の向こうじゃ上原の活躍も素晴らしかった。
もしも今日のゲームが僅差でセーブが付いていたならMVPだったろうね。
それは贅沢な願望かも知れないけど、何はともあれおめでとう!
日米共に熱い!!

それに引き換え優等生でお坊ちゃま揃いの巨人さんよ、
あんたらの淡々としたプレーは感情表現が希薄でつまらん。
気迫の篭ったファイティング・ポーズを見せんかい!!
そして球界のドン、ナベツネよ
潔く1リーグにして12球団総当りにするべし。
日本全国津々浦々で試合をやるべし。
それが興行主としての使命だと思うんだがね。


脈絡もなく、FIAT 500買っちゃった。
トミカの新製品。
実車、欲しいなあ・・

おっと、10月が終わってしまった。

*

2013年10月30日

侍の死



川上哲治さんが亡くなられた。

私が6歳のときに現役を引退されたそうなので
赤バットと称され数々の記録を塗り替えた生の姿は全く覚えてないのだが、
我が国に於ける野球の普及に貢献した功労者であることは間違いない。

V9という常勝巨人の黄金時代を築き上げた監督としての姿はよく覚えている。
長嶋や王がスターとなったその時代、川上の評価は更に上がったが
厳しい姿勢や言動から敵も多かったと聞いている。

監督を退いた後も球界(とりわけ巨人軍)の重鎮としてマスコミは見ており
1980年の長嶋監督電撃辞任も、解任の黒幕だったという説が当時は横行していた。
その後諸説が取り沙汰され真相は闇の中なのだが、
親会社読売が解任を決め、それを川上に擦り付けたというところだろう。
現在も日本球界の頂点に君臨する読売の手口はいつも汚い。
当時のオーナーであった正力享との関係が冷え切っていたせいもあり
ファンやマスコミの矛先を(悪者)川上に向けさせる策だったとしても
当の本人はそれに対して一切反論しなかったことが未だに謎である。

いずれにせよ、強大な権力の読売を去った者、追われた者、
それらの者たちが球界(或いは日本人として)の良心を持ち得ていたのだろうと
様々なニュースに触れる度、そう思えて仕方ない。

野球とプロレスの興行主が政治とも深く関わっていたという歴史。
自社のテレビと新聞を活用して原発政策を推進した故・正力松太郎、
福島の事故後も平然と原発を推し進めるナベツネこと渡邉恒雄会長。
この暗部が戦後の経済発展の影で不気味に蠢いていたのは事実であり、
我が国を誤った方向へと導いた元凶がそこにあったというのなら
国民を躍らせる、なんとも卑劣な手段ではなかろうか。

侍・川上哲治の訃報に触れ、そんな思いを強くした一日である。

*

2013年10月29日

36年前のチケット



日本シリーズの第3戦は楽天の勝利に終わった。
美馬、良かったねぇ。
交流戦でボロクソに打たれた時とは別人のようだった。
明日と明後日は星を分け合い、
宮城に戻ってからホームで胴上げってのが理想的な展開なんだが
うまい具合に是非そうあってほしいと願うのみ。

去年、部屋の模様替えをしたときにこんな物が出てきた。
77年の日本シリーズ第5戦のチケットである。
阪急と巨人、2年連続の対戦となったシリーズだ。
上田監督率いる阪急黄金時代の最強軍団と若き長嶋監督の戦いは
4勝1敗で阪急が日本一となったわけだが、その優勝を決めた試合が第5戦。
つまり私は目の前で胴上げを見ていた筈なんだが何も覚えてない。
唯一覚えているのは、このチケットを手にするために
始発電車で有楽町へ行き、銀座鳩居堂の前に並んだことだけ。
なぜなんだろうね?他の試合はよく覚えているのにさ。

まだ長男が生まれる前の、36年前のお話。

*