FOSTEXの8Cmメタルコーンフルレンジ、M800がマウントされた玩具
みたいなミニ・バックロードホーン。某フリマサイトに送料込み二千円ほどで出品されていたので、迷うことなくポチッた次第。何となくですが、ボーカルの色艶が良さそうな一品です。16Cmの神様のハーフサイズ、いったいどのような表現力で迫って来るのか。これはワクワクしないわけがありません。
取り急ぎ、お知らせまで。
ああ、楽しみ。。。
ある程度の予想と覚悟はしていたつもりでも、いざ届けられた現物を手にしてみると、その軽さと心許ないほどの安物感で不安は増して行った。それほど軽く薄い板材で作られたエンクロージャーは、正直言ってミニコンポに毛が生えたようなものだったからだ。おそらく箱はコンポーネントのジャンク品を流用した物なのだろう。それでもただひとつ救いとなったのは、パンチングメタルの保護ネットから透けて見える16Cmユニットの存在感だった。これもおそらく、4チャンネルステレオ時代のリアスピーカーとして使われていた頃のユニットではないかと推測されるが、メルカリの画像で感じた時と同じように、芯の通った実直そうな顔つきを実際に目にすることで、猜疑心は消え失せ期待感が勝るようになってきた。いかんいかん、先入観は捨てなくちゃ。
はやる気持ちを抑えつつ、まるでイスラム教徒がヒジャブをそっと脱ぐかのように、プチルゴムの粘着剤で固定されていたパンチングメタルを外す。露になったそのユニットは、コーン紙もクロスエッジもセンターキャップも、何ひとつ傷みが無いどころか、およそ50年を経ていることが信じられないくらい綺麗な状態だったのだ。作者が後付けしたバスレフポートも丁寧に仕上げてあるし、外観上の問題点が一切ないことで期待感は更に高まって行くのだった。手早く結線を済ませDS-251の上に無造作に置くと、かねてから音を知り尽くしているライ・クーダーの「紫の峡谷」を流し始める。イントロから歌い出しに入った途端・・な!なんじゃこりゃあああ!!我が耳を疑うほどに驚いた。
誕生日の午後、ゆうゆうメルカリ便でこいつが届いた。
もう、居ても立ってもいられないほど、雄弁に夜通し語り続けたいくらい喜びに満ち溢れて興奮しているのだ。 それをグッと堪えて飲んでいる私は、エヘラ顔の腐った老人と思われてもいいと思うくらい感動に酔いしれている。諸君、オーディオは30Cmのレコード盤と16Cmのフルレンジに尽きるのだよ。詳細は次回!